世界一優しい死神さん

杜鵑花

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余命6日③

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 そして次に俺が目を覚ましたら辺りは赤く染まっていた。

「あっやっと起きましたね。皐月さんが授業中ずっと寝てたので京香さんはもう怒って帰っちゃいましたよ。」

志野が呆れた口調で言った。

「そうか……わざわざ志野まで待たなくてもいいのに……それとも俺に何か用事か?」

「いや別に用事は無いですよ。ただ皐月さんと一緒に帰りたかっただけで……
ほら!帰りに霊能力で出来ることを教えてあげますから。」

「別に教えて貰わなくてもいいが……俺は厨二病じゃないんでね。」

「一緒に帰りましょう!ほら早く!」

志野は俺の言葉を無視して急かすように言った。
まぁ付き合ってやるか……
俺達は学校を出た。

「皐月さんは輪廻転生を信じますか?」

志野が急に問いかけてきた。

「輪廻転生って何だ?」

「輪廻転生とは人が死んで何かに転生してまた人生を繰り返すことです。」

志野は自信満々にいった。

「それがどうしたんだ?」

「霊能力では輪廻転生をする前に何をしていたか……つまり前世が分かるんです!」

「へ~そうなのか。じゃあ俺の前世を見てくれよ。」

俺は信じてないので冗談半分に言った。

「そうですね。じゃあこれ持って下さい。」

志野は俺に呪文が書かれた御札を渡して来た。
えっ何でこの人学校に御札持っていってんの?
しかも俺に渡して来た。
えっここで前世見るの?

「えっちょっと……」

「じゃあいきますよ!」

志野は俺の静止を聞かずに何かを唱え始めた。
えっ何この人怖!
そしてそのまま数十秒が過ぎた。

「よし!来ました!」

そう言うと志野は俺から御札を取った。

「この中に皐月さんの前世の記憶が入っています。まず私が見ます。いいですね?」

「あぁ別にいいが……」

こいつは重度な厨二病だな。でも何か御札が淡く光ってる。何で?もしかして本当だった?

「もしかして本物の霊能力者?」

「前からそう言ってるじゃないですか!じゃあ見ます!」

志野は御札を持って目を閉じた。

「何か見えるか?」

「見えます!お!これは?えっ……」

「えっ何が見えてるの?早く俺にも見せてくれよ!」

「いや……これは見ないほうがいいと思います。絶対に後悔します。もしどうしても見たいなら覚悟を決めて見てください。この御札はあげますから。」

「えっそんなに……?まぁでも志野の言う通り覚悟が決まったら見ることにするよ……っと俺の家はここだ。また明日な。」

話しているうちに家についてしまった。

「はい!また明日!」

そうして俺は志野と別れた。

「ただいま~」

「おかえり~遅かったね。何かあったの?」

家には死神がいた。
朝からずっといたのだろうか……

「いやちょっと友達と話しながら帰ってたから遅くなっただけだ。お前は俺の家にずっと居たのか?」

「いや流石にそんなわけないよ~それよりご飯にする?お風呂にする?それとも……」

「えっ準備してくれたのか?じゃあご飯にするよ。お腹すいたしな。」

「夜はハンバーグを作ってみました!」

俺達は食卓に座る。

「美味しそうだな。いただきます。」

「どう?ハンバーグは10年以上前に私が死神を担当した人以外誰にも作ってないんだ。」

「何かこのハンバーグ……懐かしい味がする。不思議な感じだ。」

「確かあの人もそんな事を言っていたような……」

「じゃあ俺と味覚が似てるんだな……あっそうそうお前に聞きたいことがあったんだ!お前って俺の事を普通に動けるようにしただろ?他に何か能力を持っているのか?」

「どうして急に?」

「今日友達とそういう話をしてな……気になったんだ。」

「あぁそう。能力ならあるよ。この能力は殆どの死神が持っているけど死神は魂を取るだけだから使わないんだけど一応人の寿命を見ることができるよ。」

「へ~そうなのか。人間が持っていたら結構使えそうだけどな……っとごちそうさまでした。お風呂に入ってくるよ。」

その後、俺は持ち前のスピードを活かして準備を済ませ睡眠に入った。
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