キス×フレンド 後日談

あお

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後日談

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「太一、壁に手え、ついて」



俺は言われるがまま、隆太に背を向けた。そのまま腰を突き出すように言われ、羞恥心に塗れながらもおずおずと言う通りにした。



「これ一応ローション付いてっけど、痛かったら言えよ」



固く閉ざされた蕾に薄いビニールに覆われた隆太の細い指が充てがわれ、何度か入り口付近を行ったり来たりした後、ゆっくりと割り入るように指が潜り込んできた。


隆太は焦らず、急がず、一本だけを奥へ奥へと沈めてくる。



「どう?」


「い、たくは、ない……」



圧迫感と異物感は勿論あるけど、隆太の指がゆっくりと優しく動くから、自然と痛みは感じなかった。恐らく、ローションも影響しているのだろう。


隆太が俺を気遣ってくれてるのが触れた場所から伝わってくる。愛されてるなあって、胸の奥がまた熱くなった。



「多分この辺に……」



何かを探すように、隆太の指が動く。そしてある角度、ある場所を指がなぞった瞬間。



「んぁっ!」


「あー、ここか」


「っ!?」






今、何が起こっただろう




理解が追い付かないような事が、俺の身体に起こった。


何故かはわからないが、膝が崩れた。足に力が入らず、関節が緩んで、隆太に支えられないと立ってられなくて。


現状が一向に理解出来ず、訳がわからないと、頭には幾つもの疑問符が浮かんだ。



「もう一回、な」


「ちょ、まって、なに、これ……っ、んぅうっ!」




ちょっと、まって


まって


まって


今の、なに


何だこれ。何だこれ。だって、身体が、勝手にっ……




「っ、隆太、ちょ、や、ぁっ……」



反射的に逃げようとするも、腰を支える隆太の腕がそれを阻む。


壁についた手で必死にもがくけど、快楽とも呼べるそれを前に、抵抗という抵抗など出来る筈もない。


ここというのは、恐らく前立腺と呼ばれる場所だろう。前立腺については、ネットでさらりと読んだだけ。どんな風になるかとか、もっとちゃんと調べればよかったと今更思っても後の祭りで。



「あ、やめっ、待って、待って」


「そんな、気持ち良い?」


「気持ちいい、とかじゃっ……!なんか、変っ、とにかくそこっ……!ひっ、あっ」



そう、指だけでこんなに反応するなんて信じられなかった。俺は違う違うと、何度も首を横に振る。


そんな俺を、隆太の指はお構いなしに攻め立てる。恐らく既に一本ではない中で動くそれに、ぐちゃぐちゃになるまで掻き回されて思考の全てを持っていかれて。


ぐちゅ、ぐちゅと浴室内に木霊する音が何とも卑猥で、耐え難い。


ロではやめて欲しいと鳴くけど、身体は見るからにやめないでと言っていて。


その場所が隆太のものを受け入れられるくらいになるまで、じわじわと快楽の海へ引き摺り込まれていった。



「あっ……」



イく寸前で指を抜かれ、物欲し気な声が上がる。暴かれたその場所に隆太の視線が落とされるのを感じて、恥ずかしさからギュッと目を閉じた。



「悪い……俺も、もう限界」



割れ目に沿って隆太のものが添えられる。硬くて、熱くて、大きくて。

隆太、俺に挿れたいんだ。挿れたくて、ここをこんなにして。


そう思っただけで、自然と喉がなった。


隆太の余裕なさそうな感じが堪らなく嬉しい。全身で求められてるのが、凄く、気持ち良い。



「無理なら言えよ。すぐやめる」



俺が頷くと同時に肩越しに唇を塞がれた。離れてはまた触れて、唇をおずおずと開けば、遠慮なしに舌が進入してきた。


濡れた感触に堪らず絡み付くと、奥の方まで絡め取れて、優しく舌先を吸われて。


その甘さに酔い痴れてるうちに、先程まで指先でゆっくりと解されていたそこに、熱くいきり勃つものが充てがわれた。



「んっ、んーっ、ふぁっ、あっ」



淫靡なキスで程よく力が抜けた身体に、割るようにそれは押し入ってくる。


苦しい。さっきとは比べものにならない圧迫感に、息が詰まる。


唇が離れた瞬間、俺は酸素を取り込む為に大きく口を開けた。だらしなく開いたロの端からは、絶えず二人の唾液が溢れ落ちていった。


「はっ、ふぅ……ぅっ……」


「苦しいか?」


「ん、だい、じょぶ……」


「あともうちょいだから」


「んっ、んんんっ……!」


「ほら、太一、ゆっくり息吐いて」


「んあっ、ぁ……ぅ……」



全てすっぽりと飲み込んだと同時に、俺は軽く達してしまった。身体が小さく痙攣するのを止められない。火照った背中に何度かロ付けをされ、甘い快感にただただ打ち震えた。



「っ、太一……やっと……繋がれた」



どこか切なさを孕み、噛み締めるように紡がれた言葉に、ギュッと胸が締め付けられた。それはもう、痛い程に。




ああ、そっか。



俺今、隆太と一つなんだ。一つに、なれたんだ。





そう実感すると同時に、また、涙が込み上げてきて。

この時には既に先程まで感じていた圧迫感はなく、ただそこにあるのは、痺れるような甘い甘い感覚だけ。



「夢じゃ、ないんだよな」


「……俺も、夢みたいだ。こんなに、嬉しいものだったんだ」



ずっと、邪魔だった。二人を分けるもの全てが。


けど今は、まるで最初から一つのものだったみたいに、熱も、匂いも、細胞すらも深くまで混ざり合ってて。

俺は多分、ずっとこの時を待ってたんだろう。

嬉しいと、心が叫んだ。



「太一……好きだ」


「……っ……うん」


「今、すっげぇ、幸せ」


「俺も、幸せだ」



心臓の最深部に宿った熱が全身へ広がっていく。


どうしよう。俺、ますます隆太の事好きになってく。幸福感で、全身が満たされていく。

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