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1.1 お互いの目標
7話 リミッター解除
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はっきり言って今のシャルロット様ではライラ様には勝てないだろう。でもシャルロット様が自分の実力がわかっていながら決闘すると言ってくれた。それも俺のためにだ。だからダメとは言えなかった。
「ヘンリー。審判よろしくお願いします」
「わかりました」
周りには俺たちしかいない以上、俺がきちんとしなくてはいけない。
「ルールはどうしましょう?」
「ライラ様にお任せします」
「ではヘンリーが終了の宣言をするか、どちらかが負けと宣言したら終わりということにしましょう」
「わかりました」
「ヘンリー、開始の合図お願いします」
二人が程よい距離をとるのを待って、合図する。まず最初にライラ様が火の基礎魔法---火玉を使って攻撃をする。それをうまくかわしてシャルロット様も同様に火玉を使おうとするが、発動するまでが遅すぎてライラ様がもう一度火玉を使ってきて、シャルロット様に直撃する。
(やっぱり)
リミッターを解除できているならいい戦いができるとは思っていたが、現状こうなることはわかっていた。俺は決闘をやめさせようとするが、シャルロット様がこちらを向いてきて止めないように合図をしてくる。
(なんで...)
今のままだと防戦一方になるのは目に見えている。それなのになんで...。
案の定そこからライラ様は連続で魔法を使ってきて、防戦一方になっていた。そしてシャルロット様が膝を落とした時ライラ様が言う。
「ねえ。もうやめにしない? シャルロットさんが勝てる未来なんてないわよ」
「い、いやよ」
「なんで?」
ライラ様は心底疑問そうに尋ねていた。
「私はなんて言われようと我慢できます。ですが先生をバカにされたのが許せないからです」
「事実を言ったまでよ? ヘンリーは基礎魔法しか使えない無能よ? はっきり言って魔法使いの中で底辺だと思うわ」
「それを私に言いますか?」
「ええ。だって事実だもの。ちゃんとヘンリーのことをわかった方がいいわ」
「そう言うのが許せないのです!」
するとシャルロット様の体から魔素が漏れ始めているのが分かった。
(もしかして...)
火玉を撃つ速度と威力がさっきより格段に変わっているのが分かった。意表を突く形になったため、ライラ様がギリギリで避ける。だけどそれを見逃さず火玉と風切を同時に使って攻撃をする。
ライラ様も避けることができず攻撃を受けてしまう。それに怒ったのか中級魔法である火炎弾を使ってくる。
(やばい)
俺がそう思うのとは裏腹にシャルロット様は風切エア・カッターで自分に当たる範囲の攻撃と相殺して、火玉を3つ同時に使って攻撃をしようとした。
流石にやばいと思い、風切を使ってライラ様を守る。
「なんで止めるのですか!」
「そうよ! 対処できたわよ!」
「そう言う問題ではありません。これ以上続けたらお互い重傷になると思ったからです」
「ご、ごめんなさい」
「そうね...」
納得してくれてよかった。これ以上続けたら俺が回復できるラインを越えてしまう。二人に回復を使って怪我を治す。
「ありがとうございます」
「自分でできるのに、まあありがと」
「はい」
するとライラ様がシャルロット様のところに行き
「今回は油断したけど、シャルロットさんの実力はわかったわ」
「はい...。それよりも先生に謝ってもらえませんか?」
「なんで? ヘンリーが無能と言うのは間違っていないわ。今回少しだけシャルロットさんとちょっとだけいい勝負ができたからってあまり調子に乗らないでね。それに今回の戦いでヘンリーが貢献したなんて思わないし」
「なんでですか! 先生のおかげで...」
「1ヶ月もたっていないのに結果が出るわけないじゃない!」
「でも...」
「でもじゃないわ」
「...」
ライラ様が言うことは間違っていない。結局シャルロット様自身の力でリミッターを解除した。だから俺は何もしていないに等しい。
誰一人しゃべらずに屋敷へ戻り、ライラ様が帰っていった。決闘をしたことに対して、ハイーラ様に少し怒られたが、シャルロット様のおかげでお咎めがなく済んだ。そして俺が寝ようとした時、扉がノックされた。
「シャルロットです。先生、少しお話できますか?」
「え? あ、はい。わかりました」
俺は部屋を出て、シャルロット様と一緒に客間へ向かった。
「ヘンリー。審判よろしくお願いします」
「わかりました」
周りには俺たちしかいない以上、俺がきちんとしなくてはいけない。
「ルールはどうしましょう?」
「ライラ様にお任せします」
「ではヘンリーが終了の宣言をするか、どちらかが負けと宣言したら終わりということにしましょう」
「わかりました」
「ヘンリー、開始の合図お願いします」
二人が程よい距離をとるのを待って、合図する。まず最初にライラ様が火の基礎魔法---火玉を使って攻撃をする。それをうまくかわしてシャルロット様も同様に火玉を使おうとするが、発動するまでが遅すぎてライラ様がもう一度火玉を使ってきて、シャルロット様に直撃する。
(やっぱり)
リミッターを解除できているならいい戦いができるとは思っていたが、現状こうなることはわかっていた。俺は決闘をやめさせようとするが、シャルロット様がこちらを向いてきて止めないように合図をしてくる。
(なんで...)
今のままだと防戦一方になるのは目に見えている。それなのになんで...。
案の定そこからライラ様は連続で魔法を使ってきて、防戦一方になっていた。そしてシャルロット様が膝を落とした時ライラ様が言う。
「ねえ。もうやめにしない? シャルロットさんが勝てる未来なんてないわよ」
「い、いやよ」
「なんで?」
ライラ様は心底疑問そうに尋ねていた。
「私はなんて言われようと我慢できます。ですが先生をバカにされたのが許せないからです」
「事実を言ったまでよ? ヘンリーは基礎魔法しか使えない無能よ? はっきり言って魔法使いの中で底辺だと思うわ」
「それを私に言いますか?」
「ええ。だって事実だもの。ちゃんとヘンリーのことをわかった方がいいわ」
「そう言うのが許せないのです!」
するとシャルロット様の体から魔素が漏れ始めているのが分かった。
(もしかして...)
火玉を撃つ速度と威力がさっきより格段に変わっているのが分かった。意表を突く形になったため、ライラ様がギリギリで避ける。だけどそれを見逃さず火玉と風切を同時に使って攻撃をする。
ライラ様も避けることができず攻撃を受けてしまう。それに怒ったのか中級魔法である火炎弾を使ってくる。
(やばい)
俺がそう思うのとは裏腹にシャルロット様は風切エア・カッターで自分に当たる範囲の攻撃と相殺して、火玉を3つ同時に使って攻撃をしようとした。
流石にやばいと思い、風切を使ってライラ様を守る。
「なんで止めるのですか!」
「そうよ! 対処できたわよ!」
「そう言う問題ではありません。これ以上続けたらお互い重傷になると思ったからです」
「ご、ごめんなさい」
「そうね...」
納得してくれてよかった。これ以上続けたら俺が回復できるラインを越えてしまう。二人に回復を使って怪我を治す。
「ありがとうございます」
「自分でできるのに、まあありがと」
「はい」
するとライラ様がシャルロット様のところに行き
「今回は油断したけど、シャルロットさんの実力はわかったわ」
「はい...。それよりも先生に謝ってもらえませんか?」
「なんで? ヘンリーが無能と言うのは間違っていないわ。今回少しだけシャルロットさんとちょっとだけいい勝負ができたからってあまり調子に乗らないでね。それに今回の戦いでヘンリーが貢献したなんて思わないし」
「なんでですか! 先生のおかげで...」
「1ヶ月もたっていないのに結果が出るわけないじゃない!」
「でも...」
「でもじゃないわ」
「...」
ライラ様が言うことは間違っていない。結局シャルロット様自身の力でリミッターを解除した。だから俺は何もしていないに等しい。
誰一人しゃべらずに屋敷へ戻り、ライラ様が帰っていった。決闘をしたことに対して、ハイーラ様に少し怒られたが、シャルロット様のおかげでお咎めがなく済んだ。そして俺が寝ようとした時、扉がノックされた。
「シャルロットです。先生、少しお話できますか?」
「え? あ、はい。わかりました」
俺は部屋を出て、シャルロット様と一緒に客間へ向かった。
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