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3章 エルフの国
1話 ルビア視点 気持ち
しおりを挟むクリスが二人で話したいと言ってきたときクリスがエルちゃんに抱いている気持ちに気付いたことを伝えに来たんだと察した。クリスのことが好き。だからこそ前私の気持ちを酔いながらも伝えた。それをクリスは忘れてなかったんだと思い、嬉しい気持ちと悲しい気持ちが混合した。
クリスが私じゃなくてエルちゃんを選ぶことはなんとなくわかっていた。毎日クリスを見ていたらわかる。いつもクリスはエルちゃんのことを考えながら行動している。クリスが意識してみているかはわからないけど、毎日エルちゃんばかり見ている。エルちゃんもクリスのことが好きなのは知っている。
初めてできた友達と好きな人が両想いなのは嬉しい。でもそしたら私はってなる。私の気持ちはどうなるの? 私だってクリスのことが好き。エルちゃんに負けないぐらい好き。でもその気持ちがクリスに届くわけじゃない。
(は~)
今からクリスの気持ちを伝えられるんだと思うと嫌になる。でも私は聞かなくちゃいけない。私だけ気持ちを伝えてクリスの気持ちを聞かないのはマナー違反だから...。そして真剣な顔をして私に伝えてきた。
「前聞かれたのに今までちゃんと答えてなかったな。俺はエルミナのことが好きだ」
わかっていたことだけど現実を突きつけられると胸が痛くなる。
(わかっていたことなんだけどな...)
心の準備もしていた。だからここまでダメージを受けるとは思ってもいなかった。しんどい。この場にいることがしんどかった。
「知っていたよ。気づくのが遅いよ!」
でもこの気持ちを悟られてはいけない。そう思ったためばれないように軽く言った。
「悪い」
「じゃあエルちゃんに会ったらちゃんと気持ち伝えるんだよね?」
「あぁ。だから...」
ここで言われたら精神状態が持たないと思った。
「言わなくていいよ。じゃあお休み」
「お休み」
お似合いなカップル。虚無感に襲われながら部屋に戻った。もし。もし私がエルちゃんより早く会っていたら? そしたらクリスが好きになっていたのは私だったかもしれない。そしたらクリスの隣にいたのは私だったのかな?
(こんなこと考える私が嫌い)
そう。唯一の友達と好きな人が付き合うんだから祝福してあげるのが普通。でも私は自分のことしか考えずにこんなことを思ってしまっている。
(でも。今日ぐらい。今日ぐらいいいよね...)
これは私の問題。明日みんなに迷惑をかけなければいいよね? そう思いベットに撃つ無背になりながら声をあげて泣く。
「・・・・・っ。あっ・・・。あ~」
今日私は人生で初めて振られたんだから。
次の日になりみんなと朝食をとる。やっぱりクリスは話しづらそうにしていた。クリスに気持ちを伝えなければこうはならなかった。これは私が始めたこと。だからけじめも私がつけなくちゃいけないと思った。
平然とクリスに話しかけて話す。クリスも普通に話してくれる。でもそれがきつい。心が痛い。でもそれは私への罰。
そこからクリスはエルちゃんをパーティに戻すための話を始めた。
(私もエルちゃんの立場ならこうなっていたのかな...)
嫌だとは思いながらもこう思ってしまう。みんなと新聖地に向かう時アメリアさんが話しかけてきた。
「大丈夫?」
「え?」
「無理してない?」
「大丈夫...」
「それならいいけど。無理はしないでね。相談なら乗るから! 女同士でしか話せないこととかあるからさ。エルミナさんみたいにはいかないと思うけど」
「うん。ありがとう」
アメリアさんには気づかれていた。でも相談なんてできない。したところで結果が変わるわけじゃない。でもこう言ってくれて嬉しかった。
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