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3章 エルフの国

1話 情報

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 まずエルミナがどこに行ったかを探さなくちゃいけない。みんな手分けして探し始める。手紙の内容的に母国に帰っているわけではない。そして安全な場所...。はっきりって思い浮かばない。俺にとってはどこでも危険な場所にしか思えない。でもあの人なら知っているかもしれない。俺はそう思いアーサーさんのもとに向かう。



 宮殿に着いてアーサーさんを探す。探している途中でハリソンさんと会う。



「クリスくんこんなところでどうしたの?」



 アーサーさんに聞こうと思ったがハリソンさんも知っているかもしれないと思い聞く。



「ハリソンさん。ここ近辺で安全な場所ってありますか?」



「ここら辺か...。エミルーク内でいいのかい?」



「いえ。エミルーク周辺でお願いします」



「そうだね。場所がわからないから何とも言えないけど、貴族や上層部の人たちはみんな安全な場所と言えばスモーリーって言うと思うよ」



 スモーリー? それはどこだ?



「それは...」



「うん。僕もわからないんだよね。だからアーサーやワック様に聞いた方がいいかもしれないね」



「そうですね」



「アーサーならワック様といると思うよ」



「ありがとうございます」



 スモーリーか...。聞いたこともないな。でもエルミナが知っていてもおかしくはない。今まで普通に接してきていたからあまりそんな印象がないけどエルミナはエルフの第三王女。その地位にいたら知っていてもおかしくない。でもそれはエルミナのお兄さん---ハリー様も知っている可能性は高い。



 でもまずはスモーリーのことについて聞くのが最優先だよな。すぐさまワック様のところに向かう。入り口前に行くと騎士が言う。



「クリスさん何か用ですか?」



「今ワック様とアーサーさんと話すことは可能でしょうか?」



「少し待っていてください。聞いてまいります」



「ありがとうございます」



 今思えば勇者を助けてよかったと思う。善意で助けたが、今その結果が出ている。勇者を助けなかったらワック様と話す機会もなかった。そしたら会うこともできなかったしこんなすんなりここまで来ることができなかったと思う。



 数分待つと騎士が扉を開けてくれる。



「どうぞ中へ」



「ありがとうございます」



 俺が中に入るとワック様が言う。



「どうした?」



「はい。少しお聞きしたいことがありましてお尋ねしました」



「言ってみろ」



「はい。スモーリーと言う場所を知っていますか?」



「...。知ってはいる。だがなんで知りたい?」



 スモーリーと言う言葉を出した瞬間空気が重くなった。



「仲間がそこにいるかもしれません。助けに行かなくてはいけないんです」



「ほう。まあ知っている。教えてやってもいい。でもお前にそこまでする義理は無いはずだが?」



「そうですね。ではこの前約束した貸しを使わせていただくというのではだめでしょうか?」



 俺がそう言うとワック様が驚きながら尋ねてきた。



「ここでそれを使うのか? お前が願えば大金をやってもいいし、軍だって出してもいいと思っているんだぞ」



 軍が必要か? 金が必要か? そんなのどうでもいい。金よりも大切なものがあるだろ。俺は誰一人仲間がかけることが嫌だ。それ以上のことは何にも望まない。



「いいです。俺は仲間が第一なので」



「もっと冷静なやつだと思ったんだけどな」



「そうですね。自分でもそう思っていました。でもお金で買えないものがあると思うんです。今行かなくちゃ仲間を失ってしまうかもしれない。だから...。だからお願いします」



「わかった。お前に貸し1つってことで教えてやろう。スモーリーは王族しか場所を知らないところ。だから他言無用で頼む」



 ワック様がそう言うと、部屋には俺とワック様の二人になった。それにしてもハリソンが言う限り貴族とかが噂をしているんじゃないのか? でもワック様が言う限り王族しか場所はわからないってことだよな? だったら情報が機密ってこともわかる。情報が漏れないってことは普通の場所より安全ってことだと思う。



「はい」



「スモーリーは魔界と人界、妖精族の境目にある。東南に森---新聖地の中にある集落がスモーリーと言われる場所だ。それにしても誰でも入れるがなぜ誰も場所がわからないと思う?」



「...。幻術とか?」



「そうだな。スモーリーは選ばれた者しか入れない場所なんだ。だから私も入ったことがない。だからクリスの仲間がいる可能性は低い行ってみるといい」



「ありがとうございます」



 そう言い部屋を出る。するとアーサーさんが話しかけてくる。



「エルミナちゃんかい?」



「はい」



「人ごとにしか聞こえないかもしれないけど見つかるといいね」



「そうですね。後、王宮を遅らせてすみません」



「いいよ。頑張って」



「はい」



 情報も手に入った。宿に戻りこのことを話す。



「明日の朝出発ってことでいい」



「あぁ」



「わかった」



「はい」



「ルビアは少し残ってほしい」



「うん?」



 そう言い俺の部屋にルビアだけのことして言う。



「前聞かれたのに今までちゃんと答えてなかったな。俺はエルミナのことが好きだ」
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