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2章 主人公と勇者たちの関係
18話 ギルドの褒美
しおりを挟むギルドに着いたため、アメリアとパーティ名の申請を行う。
「フューチャービューですか」
「はい」
「いい名前ですね」
「ありがとうございます」
そして数分立って受付嬢が
「はい。申請完了しました。今回アメリアさんが加わっているためパーティランクが落ちていますが大丈夫ですか?」
「え? ちょっと待って下さい。パーティランクって何ですか?」
パーティランクってなんだ? 今まで個々のランク上げを目指して受けていたためパーティランクがあること自体知らなかった。
「前説明しましたよ?」
前って。あ! もしかして決闘を申し込まれたときか...。
「もう一度お願いしてもいいですか?」
「はい。パーティランクとはパーティ全員のランクを平均で割ってできます。もしAランク2人、Dランク1人のパーティならBランクまで受けられます。ですがBランク以上になるとギルドで試験を受けてもらう必要があります。Bランク以上だと今まで以上に危険な場面が増えるためその人の実力を見ることが義務づけられています。ですがCランク以下ならパーティランクが伴っていれば受けられます。そしてパーティでしか受けられないクエストもあります」
「パーティでしか受けられないクエストとは?」
「例えば護衛任務ですね。護衛任務にもさまざまなのがあります。例えばクリスさんが昔受けた護衛任務。あれはパーティ全体でランクがC以上になれば受けられる護衛任務でした。ですが普通の護衛任務はパーティ全体で受けるもの。ですがパーティ全体で受ける護衛任務をしたい人があまりいないため、クリスさんが受けたようなケースになる場合が多いです」
その後もパーティランクのことを教えてもらった。Aランクが5点でEランクが1点の順に計算されて、Fランクは0点になる。Aランクの上はSランク、SSSランクとあるがその人たちはまた別枠として考えられる。
「ですのでCランク4人に対してFランク1人なのでパーティランクはDになります」
「はい」
「ですが個人のランクとあまり変わらず、パーティランクの一つ上のランクまではクエストが受けられるのでクリスさんのパーティの場合、Cランクまでのクエストが受けられることになります」
「ありがとうございます」
まずはアメリアのランク上げからだな...。
「後ギルド長が呼んでいるので奥の部屋に行ってもらってもいいですか?」
「はい」
俺はみんなを呼んで受付嬢に言われた通り奥の部屋に向かう。するとオージラにいたギルド長とは違う風格がある人が出てきた。
「お前たちがあの件の人たちだよな?」
その一言でビクッとしてしまった。
(何か言われるのか? まだ誰にも言っていないぞ? いや、言うつもりもないけどさ)
「今回の件を知っているのは俺とエミルークを仕切る人、そして王族だけだ。今回の一件でお前たちに褒美を与えろって言われてよ」
「はい...」
褒美とは? お金? お金ならマックスさんに結構もらったから足りているぞ?
「今お前たち冒険者ギルドのランクで困っているだろ?」
「...」
「だから俺の権限でそこの嬢ちゃん。確かアメリアだっけか? そいつをCランクまで自動的に上げてやる。それに加えてクリスとノアの二人はBランクに昇格だ」
「え?」
突然そんなことを言われても困る。俺がBランク?
「底辺職業の俺がBランクに上がっていいのですか?」
「まあ普通なら上から文句が飛ぶな。でも今回は特例だ。お前とノアってやつのおかげで全員生きているんだろ?」
「俺やノアだけじゃありません。みんなで力を合わせたから...」
「そんなきれいごとはいいんだよ。みんなで力を合わせるのは当然だ。誰が貢献したかって話だ。今回王宮騎士のアーサーが言いに来た。だからお前たちを昇格させたってわけ」
アーサーさんこんなところまで手をまわしてくれていたんだ。
「そういうわけでパーティランクはCだが、後一人ランクが上がればBになるから。それとこの件は誰にも言うなよ?」
「わかっています...」
「俺からはこれぐらいしかしてやれないけど、エミルークを仕切っている人からも褒美はもらえるから期待しとけ。後お前たち王宮に呼ばれているから」
「はい」
王宮に...。王宮があるところにはまだ行ったことがない。次の目的地がもう決まったな...。でかい褒美とかじゃなければいいけど...。大きな褒美だとエルミナの危険が大いに増すから。
ギルト長の話が終わり、ギルドから出る。すると嬉しそうにノアが言う。
「これでみんなCランク以上になったな!」
「ですね!」
「今日FランクになったのにいきなりCランクに上がるなんてラッキーね!」
「そうだな」
「じゃあ早速クエスト受けようぜ」
「待て。次はこの都市のお偉いさんと会わなくちゃだから...」
「そうだった」
みんな話しているのにエルミナだけその時何も話さなかった。
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