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2章 主人公と勇者たちの関係

6話 守護人19

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  渓谷に行くためには森を抜けなくてはいけない。そのため俺はラウンドを使い、モンスターの位置を把握しつつ進む。



「ちょっと寄りたいところあるんだけどいい?」



「うん。さっき言ってたところだよね?」



「そうそう!」



「それでどこに行くの?」



「私を助けてくれた人」



「あ~」



 確かワイバーン討伐を行った時エルミナは大怪我をしていた。多分その時助けてくれた人だろう。俺はそう思ったためここからの行動はエルミナの指示通りに動くことにした。



(なんでモンスターと出くわさない?)



 頭の中に疑問が残る。なぜだ? もう10分程度歩いているのにモンスターが出てこない。円ラウンドを使っている限り、この森の中はモンスターが少ないわけじゃない。それなのにエルミナの指示通りに動いていると円ラウンドを使っているかのようにモンスターのいない方向を歩いている。



「もしかしてエルミナってモンスターがいる位置とかわかってたりする?」



「え? わからないけど? でも感覚的にここら辺は危ないなって感じはわかるから」



「...」



 その言葉を聞いて驚いていたが、ノアとルビアも同様に驚いていたので俺が異常ってわけではなさそうだな。



「エルフっていうのは森で暮らすものだから風や草の動き、音、匂いなど感知できるすべてを使って警戒しながら動くのが普通なの」



「へー」



 多分だけど草の動きって言うのは敵がそこを通ったかどうかで、草の位置が変化していないかを見ているのだろう。



(それにしても目で見えない部分を使って警戒か...)



 それはいいことを聞いた。はっきり言って今の俺は魔法に頼りすぎている。それが悪いわけじゃないが、もし俺みたいに魔法無効化みたいな魔法を敵が使ってきたら? そう思うと、魔法以外の実力をあげておいた方がいいと思った。



 その後も敵と遭遇することなく小さな小屋に着く。中に入るとそこには40代後半ぐらいの女性がいた。はっきり言ってこの人はやばい。やばいっていうか強い。立ち振る舞いからしてやばそうだし、体中から魔素が出ていた。



 エルミナのことを見たら警戒を解いてくれて体から出ていた魔力がなくなっていく。



「あ、この前のエルフの子ね!」



「はい! あの時はありがとうございました!」



「気にしなくていいのよ! それよりもそちらさんは?」



「私の仲間です!」



「初めましてクリス・ペテロと言います。隣はノアでその隣がルビアです。まず最初にエルミナを助けていただきありがとうございました」



「私はティー。よろしくね」



「え? ティーってもしかしてあのティーさんですか?」



 俺は名前を聞いて何も考えずに質問をしてしまった。



「まああなたが思っているティー本人で会っていると思うわ」



「会えて光栄です」



 守護人19ナインティ―ン。この世界で最も強い剣士と魔導士が集まったメンバーの元1人。このメンバーに入れていたってことは一国を守る実力があると当時は判断されていたはず。19人の席はあるが実力が伴っていなければメンバーになることはできない。それに付け加えて魔導士は守護人19ナインティーになれる可能性が低い。なぜならもともとは12騎士と言われる騎士最強集団と7魔導士と言われる魔導士最強の団体が組み合わさってできた組織。そのため魔導士は7人しかなれない...。



「じゃあ少し手合わせする?」



「え?」



「そのままの意味よ。手合わせ。多分あなたとノアくんだっけ? 2人で私にかかって来てくれればちょっとは戦えると思うわよ」



「クリスやろうぜ! ここまで言われたらやるしかないだろ」



「俺もやりたいよ。でもこの後ワイバーン討伐もあって、泊る場所もない。だから今後のことを考えたら得策じゃない...」



「それならワイバーン討伐も手伝うし、ここに泊まっていいわよ」



 そこまで言ってくれるなら俺もやってみたい。



「お願いします」



「そう来なくちゃな」



「じゃあ場所を変えましょうか。テレポート」



 すると一瞬で草原に場所が変わった。
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