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1章 仲間が増えるまで
5話 エルミナ視点3
しおりを挟む私は早速Dランクになるため、クエストを受ける。手っ取り早いのはDランククエストのワイバーン討伐。一人でできるかって言われたらわからない。それでもクリスは頑張っているのに私が頑張らないわけにはいかない。そう思ってクエストを受注して一人で渓谷に向かう。受付嬢には何度もとめられたけど、そこで引いたらダメだと考えていた。
渓谷までの道のりで森を抜けなくてはいけないが、エルフの私にしてみれば森は庭みたいなもん。そのためすぐ渓谷についた。今回のクエスト内容はワイバーンの牙を5つ入手すること。飛んでいる敵を倒すことがどれぐらいきついかわからない。でも私は精霊使い。剣士よりはましだと思う。
私はワイバーンに火の精霊の力を借りて翼を焼く。それを5体行って地上戦に持ち込んだ。地上戦に持ち込んで思った。失敗した。1対5でどうやって戦う...。私は水、火、風、土精霊の力を借りて一瞬でけりをつけようとした。思いのほかうまくいったため4体倒せたが生き残った1体が私の方に近寄ってきて脇腹を攻撃してきた。
「いった」
重症だ...。でも仲間はいない。ここで泣き寝言を言っても解決策は出てこない。私はすぐさま光精霊の力を借りて回復しつつ火、風精霊の力を組み合わせて倒した。
(もう魔力がないよ...)
限界を通り越しながらワイバーンから牙をとって森に戻る。森で安全そうなところで休憩をとっていたら気を失ってしまった。
目を覚ますと人族の女性が助けてくれていた。
「ありがとうございます」
「大丈夫ですか?」
「はい。いった...。」
返事をして立とうとしたところで激痛が走る。
「無理はしない方がいいですよ。応急処置はしましたが、5日間は安静です。ここで休んでください」
5日間...。クリスが返ってくるのは1週間後だから大丈夫かな...。
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます」
「はい」
その女性がそう言ってくれたため、5日間ほど休ませてもらった。なんで助けてくれたのかわからない。でもこの恩は忘れないようにしよう...。
☆
5日間があっという間に立ってオージラに帰ってギルドの受付嬢にワイバーンの牙を渡す。
「本当に一人でできたのですね...。Dランクおめでとうございます!」
「ありがとうございます」
Dランクにあがり、Dランクにはどんなクエストがあるか見ていたら、クリスがなぜかギルドにいて話しかけてくれた。先にいるならもっと早く話しかけてくれてもいいのに...。
「エルミナ!」
「あ、クリス! 帰ってきたのね。おかえり!」
「ただいま。クエストが終わって申し訳ないけど、場所を移してお互いの進捗状況を話さない?」
「いいけど、一回宿に戻らしてくれない? そうね...。2時間後にレストラン---エリーオに集合でどう?」
「わかった」
Dランクに上がったことだし、レストランで会う時にオシャレぐらいしてもいいよね? クリスはなんて言ってくれるかな?
この1週間ずっとクリスのことしか考えられなかった。
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