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悪阻との戦い

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妊娠三ヶ月頃、口の中に違和感を覚える。

食事をした後や、口の中に何も入っていない状態の時にカビが生えたような説明をするのも難しいなんとも言えない違和感が発症した。

常に口の中に何かをいれておかないと気持ちが悪いのだ。

普段お菓子を食べないが、当時は飴1袋を一日で食べてしまうペースで口に頬張っていた。

ガムや飴、ハイチュウを一日に何十個と平らげ、何か食べていないと気持ちが悪い食べづわりと呼ばれる悪阻の症状である。

悪阻には4種類にわけられる。

①吐き悪阻
②食べ悪阻
③匂い悪阻
④眠悪阻

私は②と③であり、人によって症状は異なる。


悪阻の中、仕事の最中に店に花を飾るということで、普段なら気にならない匂いがとてつもなく気持ち悪くなり、事務員の方に撤去をお願いしたくらいだ。

昼休憩のラーメンの匂いや弁当の匂いもきつく、周りには迷惑をかけてしまった。

数日後、悪阻の症状はさらに悪化し朝起床時にはすぐにおにぎりを食べたり、仕事中にお腹が減ると気持ちが悪くなるため、小さく握ったおにぎりを蝕んだり工夫しながら仕事を続けたが、体調が悪化しちょくちょく休む羽目になった。

しまいには目眩で起き上がれない日や一日中ベッドの上で過ごす日もあった。

そして何より辛かったのが、便秘であった。

何日もでないとお腹が苦しく不調が続く。

私はとうとう歩けなくなり、仕事を悪阻が落ち着くまでの間お休みすることにした。

その期間、約一ヶ月。

悪阻の時期は酸っぱいものやマックのフライドポテトが食べたくなるというが、私はなぜかリンゴが食べたくて仕方がなかった。

普段は果物など全く食べないが、リンゴが口の中の違和感を取り除いてくれて食べやすかった。

悪阻時期は栄養に関しては気にしなくていいとのことで、食べられるものを食べるという方式でリンゴパンをやたらと食べていた。

なぜかパンやリンゴ、ぽん酢が食べたくて仕方がなかった時期があり、そればかり食べていた。

夕飯は作れなかったので弁当や外食がこのときは多く、案の定検診時には体重が3キロ増えてしまっていた。

※余談

なぜか冷凍ピラフが無性に食べたくなり、旦那に仕事帰りに買ってきてもらうように連絡すると、冷凍庫には冷凍炒飯が二個入っており素で間違って買ってきたということは今でも忘れない笑い話である。
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