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五章 決めるぜ! ミステリアスムーブ!
第152話 探れ! 集団洗脳の秘密!
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「終わった……! 完全に面倒事に巻き込まれた……!」
膝から崩れ落ちて地面に手をついたリュウコちゃんはそう嘆いた。
何故だかわからないが、リュウコちゃんはこういう姿がしっくり来てしまう。
美少女は表情を曇らせるべきではないのに何故だ。
「どうしてこうなったんだ……! 私の優雅な休日が……!」
俺達は今、観光区のとある場所に身を隠していた。
飛んでいては的になるだけだろうとリュウコちゃんが判断して、地上に降り立ちひっそりと息を潜めていたのである。
ビルの屋上、龍の翼の内側で顔を見合わせた状態で俺達は絶賛会議中だ。
「リュウコちゃん、なるべく静かに……」
「大丈夫大丈夫。今、バルティウスはインビジブルドラゴンモードだから。周囲からは姿は見えてないよ。だから、いっぱい嘆こう!」
やけくそ気味にそう言ってリュウコちゃんはサムズアップをした。
血走った眼が、少し怖い。
「さて状況を整理しよう。巻き込む形で申し訳ないけど、君たちはたぶんこの子がらみの事件に巻き込まれた」
そう言ってリュウコちゃんはレイちゃんの頭に手を置く。
「おい、ワタシ様に気安く触るな」
「はい、キャンディー」
「触って良し」
既に手懐け方を理解してやがる。
リュウコちゃんは、意を決したように口を開いた。
「実は、この子はとあるSランクのクローンなんだ」
「えぇっ!?」
トアちゃんは気が付いていなかったようだ。
一緒にご飯を食べたロリくらいの認識なのだろう。
ここは俺だけ抜け駆けで賢いアピールをさせてもらおう。
「……そんな気はしていた。これだけの氷を扱える探索者なんてそういないから」
「流石、ケイちゃんは賢いね。そう、この子は氷凰堂レイのクローンだよ。そして私は、このクローン計画を阻止する任務の最中だったんだ」
シリアス顔で、そしてどこかドヤ顔でリュウコちゃんはそう告げる。
な、なんだってー!!
「クローン……この子が……」
トアちゃんが信じられない様子でレイちゃんを見る。
レイちゃんはそんな事はお構いなしにキャンディーをペロペロしていた。
きゃわわ。
『クローン……成程、そういうのもあるのか』
ねえよ。
やめろって不穏な言葉を呟くの。
こっちは真面目にやってんのにどうして君はそうジャンルの開拓だけに真剣なの?
『Sランクのクローンは厄災に対する一つの有効な手段かもしれない。そう思っただけなんだが』
ごめん俺だったわ不真面目なの。
マジごめん。
『悪用された自身のクローンを殺して回るソルシエラ概念……良い……。一瞬辛い顔をして殺してほしい。突発的に自己嫌悪で謝罪をしながら吐いてくれ……』
俺の謝罪返せよ。
というかなんで悪用前提なんだよ。
せめて有効活用してくれよ。
『? ソルシエラ本人の精神を追いつめるのに有効活用しているだろう?』
時折見せるその狂気やめてくんない?
メッチャ怖いから。
「本当ならアリアンロッドの人間がこの子の保護に来る予定だったんだけど……この様子だと無理そうだね。既に誰かの手が回ってる」
「じゃ、じゃあどうするの?」
「リュウコ、キャンディーが無くなった」
「はいチョコレート」
「おお! リュウコはお菓子をたくさん持っているんだな! ワタシ様から最大級の賛辞をくれてやろう」
「はいはいどうもー」
チョコを食べ始めたレイを尻目に、リュウコはそっと屋上から下を覗く。
「さっきの光景覚えてる? その場にいた全員が、敵に回っていた」
「それって、あの人たち全員悪い人たちだったってこと?」
リュウコちゃんは首を横に振った。
「いや、裏の人間じゃない。本当に途中までは普通だった。だから、油断した。いや、誘いこまれたのか。アレは……うん、どちらかというと洗脳に近いね」
無個性とかいいながら、この有能っぷりですよ。
冷静に状況を判断しているし、流石はSランクだね。
「あの数の洗脳は間違いなく何かズルをしている。恐らく、これが関係してると思うんだけど」
そう言って、リュウコちゃんは結晶を取り出した。
冷たい印象を持つ氷のような結晶は、手のひらに収まるサイズだが鋭利である。
これで刺されたら痛そう……。
「ん、これワタシ様も作れるぞ」
結晶を見たレイちゃんがチョコを食べる片手間で寸分たがわず同じものを作り出してみせた。
「これ……やっぱりレイちゃんの能力で作ったのか」
「凍結の異能を僅かだが込めた。一度なら、刺した相手を凍結出来るだろう」
レイちゃんはさらりとそう言ってのける。
とんでもないもの流通してんじゃねえか。
「だから私を刺そうとしたのか……。あの場にいた全員がこれを持ってたし、あの場に居たらヤバかったね。はは、もう笑うしかないや」
リュウコちゃんは力なく笑う。
Sランクの威厳は何処へ。
「リュウコちゃん、これからどうするの……?」
「んー、まずはどうやって皆を洗脳しているのかを知りたいな。アレだけの数を洗脳出来るなら、間違いなく共通の何かを仕込んでいると思うんだけど。この結晶よりももっと目立たないやつ……」
そう言って、リュウコちゃんは屋上から道行く人を見下ろす。
その隣でトアちゃんが真似をして頭をひょこっと出す。
俺は、そんな二人が可愛いのでただ見ていた。
『いや、君も何かしてくれよ』
OK星詠みの杖君、人々を洗脳している何かの正体を教えて。
『すみません、よくわかりません』
君も大概じゃないか。
「……あっ」
トアちゃんが何かに気が付いたように声を上げた。
「あの、皆ブレスレット付けてない? さっきの結晶みたいなのが付いたやつ」
トアちゃんの言葉に驚いたリュウコちゃんが顔を上げる。
「えっ、見えるの!?」
「うん……あれ、そんなに変かな? この距離なら全部見えるけど」
基本遠距離だから、視力が必要なのかもしれない。
トアちゃんお目目がつよつよなんだねぇ。
「す、凄い……。私なんかもう諦めて地上に降りようと思ってたのに」
リュウコちゃんが素直に驚いている姿を見ると、本当にSランクか疑ってしまう。
今もこの気配を消す能力を持った隠密ドラゴンで俺達を匿ってくれているのに、全然凄さが伝わらない。
「あのブレスレット、色んな場所で配ってたよ。私見たもん」
「そうなの? 私は気が付かなかったな。ケイちゃんはどう?」
「私も全く気が付かなかった」
前半はトアちゃんを見てたし、後半は増えた美少女群を見てました。
「今回は食べ歩きが目的だから、興味はなかったけど……あれを受け取ると洗脳されちゃうのかも」
「今のところ、その可能性が高いか……よし」
リュウコちゃんは頷くと、立ち上がった。
「あれ何処で貰ったか聞いてくるわ。近場に配ってる奴いるなら、ソイツをとりあえずボコボコにしたいし」
「「え?」」
固まる俺達を前に、リュウコちゃんは肩をぐるぐる回して張り切っていた。
「よーしバルティウス、尻尾貸してー」
「待って待って待って! え、聞いてくるって誰に?」
「下の人たち」
「無理だよぉ! だって、私達追われてるんだよ? 見つかったら捕まっちゃう」
トアちゃんは、首を横に振って必死に訴える。
俺はというと、黙っていた。
何故なら、リュウコちゃんはそれが可能だと知っているからである。
「大丈夫だよトアちゃん。今の私は抜け殻みたいなもんだから。この姿だと、不思議と私だって認識されないんだよねー。貴女たちもバルティウスから離れたらたぶん分からなくなると思うよ」
そう言ってリュウコちゃんは笑う。
そう、彼女はこうしてバルティウスを出している時物凄く存在感がなくなる。
例外として他のSランクは認識できるようだが、それ以外は彼女がリュウコちゃんだと認識できなくなるのだ。
これはバルティウスという存在が特殊であるためなのだが今は別に良いだろう。
それよりも、リュウコちゃんの出陣である。
皆の者、応援だ。
がんばえー!
『がんばえー!』
「え、本当に行くの……? ケイちゃん、どうしよう」
「リュウコちゃんが大丈夫っていうなら信じるしかないんじゃないかな。彼女もSランクなら、その言葉は信じるに値すると思うよ」
俺の言葉に、トアちゃんも渋々納得したようだった。
と、その時今までチョコを食べていたレイちゃんが、リュウコちゃんの腕を掴む。
その顔は、真剣であった。
「大丈夫だよ、少し行ってくるだけだから」
リュウコちゃんは、そう言って頭を撫でる。
すると、レイちゃんはこう言った。
「バニラ、チョコミント、イチゴで頼む」
「あぁ……アイスの注文かぁ……」
心配している訳ではなかったと知り、リュウコちゃんはがっくり項垂れる。
その場にいたたまれない空気が流れた。
「よ、よし。それじゃあ行ってくるよ! じゃあね!」
空気を無理やり切り替えようと声を上げたリュウコちゃんは、バルティウスの尻尾を掴む。
そして俺達の言葉を待たずに屋上からダイブした。
すると、バルティウスの尻尾がゴムのように伸び、地上目前で丁度良く停止。
リュウコちゃんは危なげなく着地した。
屋上からダイブし、突然その場に現れた筈のリュウコちゃんに注目するものは誰もいない。
周囲の人間は、誰一人としてリュウコちゃんをリュウコちゃんだと認識していなかった。
リュウコちゃんは、屋上にいる俺達を見るとピースサインを作る。
そして、ブレスレットを付けているであろう人々の方へと向かっていった。
膝から崩れ落ちて地面に手をついたリュウコちゃんはそう嘆いた。
何故だかわからないが、リュウコちゃんはこういう姿がしっくり来てしまう。
美少女は表情を曇らせるべきではないのに何故だ。
「どうしてこうなったんだ……! 私の優雅な休日が……!」
俺達は今、観光区のとある場所に身を隠していた。
飛んでいては的になるだけだろうとリュウコちゃんが判断して、地上に降り立ちひっそりと息を潜めていたのである。
ビルの屋上、龍の翼の内側で顔を見合わせた状態で俺達は絶賛会議中だ。
「リュウコちゃん、なるべく静かに……」
「大丈夫大丈夫。今、バルティウスはインビジブルドラゴンモードだから。周囲からは姿は見えてないよ。だから、いっぱい嘆こう!」
やけくそ気味にそう言ってリュウコちゃんはサムズアップをした。
血走った眼が、少し怖い。
「さて状況を整理しよう。巻き込む形で申し訳ないけど、君たちはたぶんこの子がらみの事件に巻き込まれた」
そう言ってリュウコちゃんはレイちゃんの頭に手を置く。
「おい、ワタシ様に気安く触るな」
「はい、キャンディー」
「触って良し」
既に手懐け方を理解してやがる。
リュウコちゃんは、意を決したように口を開いた。
「実は、この子はとあるSランクのクローンなんだ」
「えぇっ!?」
トアちゃんは気が付いていなかったようだ。
一緒にご飯を食べたロリくらいの認識なのだろう。
ここは俺だけ抜け駆けで賢いアピールをさせてもらおう。
「……そんな気はしていた。これだけの氷を扱える探索者なんてそういないから」
「流石、ケイちゃんは賢いね。そう、この子は氷凰堂レイのクローンだよ。そして私は、このクローン計画を阻止する任務の最中だったんだ」
シリアス顔で、そしてどこかドヤ顔でリュウコちゃんはそう告げる。
な、なんだってー!!
「クローン……この子が……」
トアちゃんが信じられない様子でレイちゃんを見る。
レイちゃんはそんな事はお構いなしにキャンディーをペロペロしていた。
きゃわわ。
『クローン……成程、そういうのもあるのか』
ねえよ。
やめろって不穏な言葉を呟くの。
こっちは真面目にやってんのにどうして君はそうジャンルの開拓だけに真剣なの?
『Sランクのクローンは厄災に対する一つの有効な手段かもしれない。そう思っただけなんだが』
ごめん俺だったわ不真面目なの。
マジごめん。
『悪用された自身のクローンを殺して回るソルシエラ概念……良い……。一瞬辛い顔をして殺してほしい。突発的に自己嫌悪で謝罪をしながら吐いてくれ……』
俺の謝罪返せよ。
というかなんで悪用前提なんだよ。
せめて有効活用してくれよ。
『? ソルシエラ本人の精神を追いつめるのに有効活用しているだろう?』
時折見せるその狂気やめてくんない?
メッチャ怖いから。
「本当ならアリアンロッドの人間がこの子の保護に来る予定だったんだけど……この様子だと無理そうだね。既に誰かの手が回ってる」
「じゃ、じゃあどうするの?」
「リュウコ、キャンディーが無くなった」
「はいチョコレート」
「おお! リュウコはお菓子をたくさん持っているんだな! ワタシ様から最大級の賛辞をくれてやろう」
「はいはいどうもー」
チョコを食べ始めたレイを尻目に、リュウコはそっと屋上から下を覗く。
「さっきの光景覚えてる? その場にいた全員が、敵に回っていた」
「それって、あの人たち全員悪い人たちだったってこと?」
リュウコちゃんは首を横に振った。
「いや、裏の人間じゃない。本当に途中までは普通だった。だから、油断した。いや、誘いこまれたのか。アレは……うん、どちらかというと洗脳に近いね」
無個性とかいいながら、この有能っぷりですよ。
冷静に状況を判断しているし、流石はSランクだね。
「あの数の洗脳は間違いなく何かズルをしている。恐らく、これが関係してると思うんだけど」
そう言って、リュウコちゃんは結晶を取り出した。
冷たい印象を持つ氷のような結晶は、手のひらに収まるサイズだが鋭利である。
これで刺されたら痛そう……。
「ん、これワタシ様も作れるぞ」
結晶を見たレイちゃんがチョコを食べる片手間で寸分たがわず同じものを作り出してみせた。
「これ……やっぱりレイちゃんの能力で作ったのか」
「凍結の異能を僅かだが込めた。一度なら、刺した相手を凍結出来るだろう」
レイちゃんはさらりとそう言ってのける。
とんでもないもの流通してんじゃねえか。
「だから私を刺そうとしたのか……。あの場にいた全員がこれを持ってたし、あの場に居たらヤバかったね。はは、もう笑うしかないや」
リュウコちゃんは力なく笑う。
Sランクの威厳は何処へ。
「リュウコちゃん、これからどうするの……?」
「んー、まずはどうやって皆を洗脳しているのかを知りたいな。アレだけの数を洗脳出来るなら、間違いなく共通の何かを仕込んでいると思うんだけど。この結晶よりももっと目立たないやつ……」
そう言って、リュウコちゃんは屋上から道行く人を見下ろす。
その隣でトアちゃんが真似をして頭をひょこっと出す。
俺は、そんな二人が可愛いのでただ見ていた。
『いや、君も何かしてくれよ』
OK星詠みの杖君、人々を洗脳している何かの正体を教えて。
『すみません、よくわかりません』
君も大概じゃないか。
「……あっ」
トアちゃんが何かに気が付いたように声を上げた。
「あの、皆ブレスレット付けてない? さっきの結晶みたいなのが付いたやつ」
トアちゃんの言葉に驚いたリュウコちゃんが顔を上げる。
「えっ、見えるの!?」
「うん……あれ、そんなに変かな? この距離なら全部見えるけど」
基本遠距離だから、視力が必要なのかもしれない。
トアちゃんお目目がつよつよなんだねぇ。
「す、凄い……。私なんかもう諦めて地上に降りようと思ってたのに」
リュウコちゃんが素直に驚いている姿を見ると、本当にSランクか疑ってしまう。
今もこの気配を消す能力を持った隠密ドラゴンで俺達を匿ってくれているのに、全然凄さが伝わらない。
「あのブレスレット、色んな場所で配ってたよ。私見たもん」
「そうなの? 私は気が付かなかったな。ケイちゃんはどう?」
「私も全く気が付かなかった」
前半はトアちゃんを見てたし、後半は増えた美少女群を見てました。
「今回は食べ歩きが目的だから、興味はなかったけど……あれを受け取ると洗脳されちゃうのかも」
「今のところ、その可能性が高いか……よし」
リュウコちゃんは頷くと、立ち上がった。
「あれ何処で貰ったか聞いてくるわ。近場に配ってる奴いるなら、ソイツをとりあえずボコボコにしたいし」
「「え?」」
固まる俺達を前に、リュウコちゃんは肩をぐるぐる回して張り切っていた。
「よーしバルティウス、尻尾貸してー」
「待って待って待って! え、聞いてくるって誰に?」
「下の人たち」
「無理だよぉ! だって、私達追われてるんだよ? 見つかったら捕まっちゃう」
トアちゃんは、首を横に振って必死に訴える。
俺はというと、黙っていた。
何故なら、リュウコちゃんはそれが可能だと知っているからである。
「大丈夫だよトアちゃん。今の私は抜け殻みたいなもんだから。この姿だと、不思議と私だって認識されないんだよねー。貴女たちもバルティウスから離れたらたぶん分からなくなると思うよ」
そう言ってリュウコちゃんは笑う。
そう、彼女はこうしてバルティウスを出している時物凄く存在感がなくなる。
例外として他のSランクは認識できるようだが、それ以外は彼女がリュウコちゃんだと認識できなくなるのだ。
これはバルティウスという存在が特殊であるためなのだが今は別に良いだろう。
それよりも、リュウコちゃんの出陣である。
皆の者、応援だ。
がんばえー!
『がんばえー!』
「え、本当に行くの……? ケイちゃん、どうしよう」
「リュウコちゃんが大丈夫っていうなら信じるしかないんじゃないかな。彼女もSランクなら、その言葉は信じるに値すると思うよ」
俺の言葉に、トアちゃんも渋々納得したようだった。
と、その時今までチョコを食べていたレイちゃんが、リュウコちゃんの腕を掴む。
その顔は、真剣であった。
「大丈夫だよ、少し行ってくるだけだから」
リュウコちゃんは、そう言って頭を撫でる。
すると、レイちゃんはこう言った。
「バニラ、チョコミント、イチゴで頼む」
「あぁ……アイスの注文かぁ……」
心配している訳ではなかったと知り、リュウコちゃんはがっくり項垂れる。
その場にいたたまれない空気が流れた。
「よ、よし。それじゃあ行ってくるよ! じゃあね!」
空気を無理やり切り替えようと声を上げたリュウコちゃんは、バルティウスの尻尾を掴む。
そして俺達の言葉を待たずに屋上からダイブした。
すると、バルティウスの尻尾がゴムのように伸び、地上目前で丁度良く停止。
リュウコちゃんは危なげなく着地した。
屋上からダイブし、突然その場に現れた筈のリュウコちゃんに注目するものは誰もいない。
周囲の人間は、誰一人としてリュウコちゃんをリュウコちゃんだと認識していなかった。
リュウコちゃんは、屋上にいる俺達を見るとピースサインを作る。
そして、ブレスレットを付けているであろう人々の方へと向かっていった。
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