かませ役♂に憑依転生した俺はTSを諦めない~現代ダンジョンのある学園都市で、俺はミステリアス美少女ムーブを繰り返す~

不破ふわり

文字の大きさ
上 下
132 / 255
四章 騎双学園決戦

第130話 迷走

しおりを挟む
 領地戦当日。
 まだ朝も早いうちから、各陣営は動き出していた。
 
 中でも、御景学園の生徒会は日の昇らない時間帯から活動している。

 騎双学園解体の代表として、他校と多くの企業からの支援を受けた彼等にとってこの戦いは必ず勝たなければならない。

「勝利をより盤石なものに。……それが君の理由かな、リンカ君」

 生徒会室で、眠気覚ましのコーヒーを入れながらユキヒラはそう言った。
 その背後では、リンカが彼を見つめている。

「ミハヤが襲われた件、騎双学園の仕業とするにはあまりにも違和感があります。そう思うのが自然であるように誘導されている」
「まあ、君が言うならそうなんだろうね」

 ユキヒラはリンカの言葉を否定しない。
 銀の黄昏にいた彼女が違和感を持ったのであれば、それを信じるべきだろう。

「実は、僕もおかしいと思ってたんだ。騎双学園は品のない学園だが、上にはがいる。彼女がいる限り、領地戦前にリスクとなる様な行動を起こすわけがない」

 ユキヒラは淹れたコーヒーに角砂糖を沢山入れ、ミルクを注ぐ。
 そして、それを美味しそうに飲み干した。

「止めても行くのだろう――銀の黄昏の本拠地に」
「……見たんですか、未来」
「見た。そして止めた。けれど、無理だね。君ってば頑固だから」

 ユキヒラは呆れたように笑う。

「今回の一件、必ず銀の黄昏が絡んでいます。このやり方には見覚えがある。アイツは、自ら手を下そうとしないですから」
「今更止めはしないよ。けれど、トウラク君はどうする」
「どう、とは?」

 リンカが首を傾げる。
 が、それを見てユキヒラは「分かってるくせに」と鼻で笑った。

「今の彼、危ういよ? ミハヤ君がいない今、誰かが傍にいてあげないと」
「……領地戦までには戻ります」
「約束できるのかな?」
「はい」

 強い意志を持った目だった。

 銀の黄昏にいた頃のリンカとは違う。
 自身を道具として使うのではなく、一人の人間として、生き残るべく行動することができる。

「いい目だ。だからこそ、失うのは惜しいね」

 ユキヒラはそう言って、拡張領域から一つの宝石を取り出すとリンカへと放り投げた。

「……これは?」
「綺麗でしょ。僕の持っている聖遺物の一つでね。一度だけ死の因果を捻じ曲げる事が出来る」

 手の中に収まった青い宝石。
 ユキヒラの言葉を信じるなら、それは死の運命から一度は逃れることが出来るという事だ。

「これを、私に……!?」
「うん。だって、僕よりも君に必要だからね」

 ユキヒラは、そう言って椅子に腰を下ろすとアイマスクを付けた。

「僕はこれから仮眠をとるとするよ。その間に君がどこへ行こうが自由だ。だけど……きちんとまた戻ってくること」
「……はい。必ず」

 リンカは、力強く頷くと一礼する。
 そして、駆け足で去っていった。





 それから暫くして――。

「……おや、君は訓練場にいるとリンカ君から聞いていたのだが」

 アイマスクをしたまま、ユキヒラはそう言った。
 彼の背後には、トウラクが佇んでいる。

 普段の彼からは考えられない程に静かで冷たい。
 まるで幽鬼のような顔で、トウラクは言った。

「僕を第一部隊に入れて下さい」
「んー」

 ユキヒラは迷う素振りを見せながら、自身のこめかみを何度か小突く。
 そして、椅子をくるりと回転させアイマスクのまま口を開いた。

「それは無理だ」
「なぜですか」
「意味がない。君は僕と同じ今回の領地戦の切札の一つ。君を最初の突撃部隊に入れれば防衛ラインが破綻する。相手にSランクがいる以上それは避けたい」

 理路整然とした言葉。

 今回のトウラクとユキヒラの役割りは、騎双学園のSランクである六波羅の足止めだった。
 ミズヒという攻めの役割を担う者がいる以上、二人で守るのがベストである。

 が、トウラクはそれを聞いても譲る気はないようだった。

「問題ないです。僕が、最前線で全て切り伏せます」
「出来るの? 今の君に」
「……今はまだ。けど、領地戦までの残り僅かな時間で必ず星斬を使えるようにします」
「そういう事を言っているんじゃないんだけどね」

 ユキヒラはそう言って、机に頬杖をつく。
 その姿にムッとしたトウラクが口を開いた瞬間、狙ったかのようにユキヒラは「じゃあこうしよう」と呟く。

「要するに、君が実力を示してくれればいいわけだ。最前線で騎双学園の生徒を全員倒せるというその根拠を」
「……今は星斬がありません」
「だから――当てるだけでいいよ、僕に攻撃を。一手、それで僕に攻撃が届けば君の好きにしてあげよう」

 ユキヒラは自分の首を指さす。

「君が間もなく星斬を手に入れることができるというのなら、ここで僕に攻撃を当てるくらいは訳ない筈だ。そうだろう? 武器というものは、使い手の腕が良くなくてはどれだけ上等でも意味がない」
「わかりました……では」

 本来のトウラクであれば受けるはずもない提案。
 しかし、今の彼はそれを呑んだ。

 そして、ダイブギアから無骨な刀を顕現する。

「ルトラを使ってもいいんだよ?」
「いえ、必要ありません。生徒会長を大怪我させてしまったら大変ですから」
「言うねえ」
 
 軽薄に笑うユキヒラの前で、トウラクは居合抜刀の構えをとる。

 彼が得意とする一撃必殺。
 牙塔家に伝わる殺人剣術の基礎だ。

「いつでもどうぞ」
「はい」

 頬杖をつき、アイマスクをしたままユキヒラは笑う。
 対するトウラクはまるで殺さんばかりの気迫であった。

「――ッ」

 剣が抜かれる。
 デモンズギア契約者として底上げされた身体能力は、常人を凌駕するものである。
 さらにそこへ、長い歴史の中で洗練された技が組み合わさった。

 驚異的な速度で抜かれた刃が、ユキヒラへと目掛けて放たれる。

 が、変わらずユキヒラはアイマスクをしたまま欠伸をして――。

「おっと」

 首を傾けた。
 その瞬間、ユキヒラの背後の窓が割れて、何かが飛び込んでくる。

「ッ!?」

 飛び込んで来た何かに、トウラクは条件反射で刃をあてがった。
 普段、抜刀術をカウンターとして用いているが故の彼の癖だ。

 生徒会室に、小さく何かが切断された音が響く。

「……今のは」

 綺麗に二つに別れたそれを拾い上げたトウラクは首を傾げる。
 それは、狙撃に用いられる銃弾であった。

「おや、どうやらトウラク君に助けて貰ったようだね。いやー、ありがとう」

 軽い調子でユキヒラはそういった。
 それから立ち上がると、召喚したナイフを割れたガラスの向こうへと放り投げる。

「ふぅ」 

 再びユキヒラは椅子に背を深く預ける。
 何に向かってナイフを投げたのか、そもそも当たったのか。

 それを気にする素振りも見せずに、ユキヒラは伸びをした。
 彼は随分とリラックスした様子であり、今にも眠ってしまいそうだ。

「僕って生徒会長だからね。こうしてたまーに殺されかけるんだよね。毎回、運よく生き残ってるんだけどさ」

 九死に一生を得たとは思えない程に、緊張感のない声色だった。

「それで……助けて貰って悪いんだけど、約束は約束だからね。君は一撃当てられなかった訳だし」
「そんな……ッ、今のは」
「――そうやって戦場でも言い訳をするのかい?」

 ユキヒラはアイマスクをしたまま、そう言った。
 が、どこかその言葉には力が籠っている。

「邪魔が入った、自分の想定とは違った、相手が卑怯な手を使った。なんでもいいけど、相手にまで誠意を求めちゃ駄目だよ」
「……それでも僕は」
「いいんだ、今は理解しなくても。後で嫌というほどわかるさ。難しい事は先輩に任せて、君はミハヤ君の見舞いにでも行って来たらいい」

 ユキヒラはそれだけ言うと、もう会話をしないという意思表示のように椅子をくるりと回して、わざとらしく寝息を立て始めた。

「……ありがとうございました」

 その姿に、トウラクは形だけの礼をして去っていく。

「本当に、今年の一年生は責任感が強くて嫌になるね」

 ユキヒラの言葉は、虚しく部屋に木霊した。













 おはようございます!
 皆のミステリアス美少女のソルシエラです!

 クソ眠いけど、ミステリアス美少女として頑張ります!

 まだ日が昇る前の朝。もはや夜と言ってもいい時間に俺は欠伸を我慢してミステリアスにミステリアス美少女をキメていた。

『うとうとソルシエラのデフォルメイラストはローディング画面に適している』

 なんの電波受信してんだ君は。
 それよか早く探せ!

 俺のミステリアス美少女ごまかしも限界が近いぞ!

「この辺りにいるんだね」
「そうよ」

 騎双学園のビルの屋上から街を見下ろして、俺はクラムちゃんの言葉にミステリアス美少女として返す。

 何を隠そう、今の俺は天使をぶっ殺すソルシエラごっこの最中なのだ。
 クールな美少女が天使と呼ばれる崇高な存在を殺すこの美しい構図。

 本来ならウキウキなのだが、違う。

 前に、天使を殺す時は誘うね♥と無責任に言ってしまったので、俺はクラムちゃんを同行させていた。
 というか、同行してきた。
 
 昨日のトランスアンカーの一件から、クラムちゃんの距離感がおかしい。

「それで天使はどうやって殺すの?」
「ふふっ、慌てないで。全ては星の思うまま」

 クールに微笑んで、クラムちゃんの頭を撫でてやる。
 その間も、星詠みの杖君が頑張ってくれていた。

『天使ってどこにいるの……? こういう時の為のエイナなんだが……』

 文句を言いながら必死に騎双学園内を探す星詠みの杖君に変わり、俺は今それっぽいことを言いながらクラムちゃんを誤魔化している最中だ。
 ソルシエラが天使の居場所を知らないのは恥ずかしいからね。

 ……というか、本当に騎双学園にいるよね?
 原作と違う場所にいるとかないよね?

「それにしても……別に私に付いて来なくても良かったのよ? 皆と一緒に、領地戦を見ていても」
「嫌だ。一緒に行く」
「そう」

 ヒカ×クラはどこ……?

『ヒカリとクラムに貪られるソルシエラはいるねぇ!』

 いねえよ早く天使探せ。

「ミロクにはもう理由もつけてあるし、大丈夫。むしろ、今私だけ戻ったら怪しまれるよ」
「……確か、領地戦で多くの学園が動いていない今だから、ダンジョン攻略をする――だったかしら」
「そう。ダンジョンコアは、適当に私が浄化ちゃん時代に狩ったやつを差し出すよ。それでミロクは誤魔化すから安心して」

 安心できないねぇ!
 つまり俺は、クラムちゃんに監視されたままミステリアス美少女として活動しなければいけないのだ。
 無責任な発言は出来ないわよ!
 サドンデスミステリアスわよ!

『天使 見つけ方 簡単』

 ネットに頼るな!

『というわけで、今回天使は見つかりませんでした。いかがでしたか?』

 それ腹立つから止めろって言ってんだろ!
 
『仕方ないだろ。今探しているけど、全然場所が分からないんだから! これは後でソルシエラぐちゃトロ本の制作に付き合ってほしいねぇ!』

 付き合ってやるから黙って働け。

 原作で天使を見つける時の目印は空に入った罅であった。
 空が割れる様に天使が現れるのである。

 原作では今回で初めてのお披露目なのだが、正直天使の存在を提示する以外の意味はない雑魚天使なので俺が殺しても良い。

 というか、領地戦でトウラク君と六波羅さんが戦うっていう重要なイベントに雑魚天使が割って入るのは構図として美しくない。

 天使の出現と領地戦が被ってしまった以上、ここはミステリアス美少女が修正をする。
 歴史の修正は任せろー^^

 だから、俺が天使を殺す!
 俺はミステリアス美少女ムーブができる。
 トウラク君は領地戦で原作主人公ができる。

 これがwin-winってやつだ。

『口だけは達者だな――む、見つけたぞ! 天使の反応だ!』

 マジ!?
 よっしゃ行くぞ、ナビゲートよろしくぅ!

「そろそろ、奴らが目覚める頃ね」

 俺はそう言って大鎌を背負う。
 クラムちゃんはその横に並んで、嬉しそうに笑っている。

 美少女の笑顔は可愛いねぇ^^

「それじゃあ、行きましょう?」
「うん」

 そうして俺達は、ビルの上から姿を消した。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

処理中です...