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序章 とち狂った人々
第弐話 「とある神様の家庭の事情。それをどこまで信じられますか?」
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「いじめ」なんて言葉は、最低だ!
その言葉が語られるとき、大抵は、そんな言葉で一括りに出来ない程に陰湿で、悪質な複合犯罪が行われているのだ。
例えば、僕のケースでは、いじめ(この言葉は軽々しく使いたくないが)は、4歳になったある日、突然、何の前触れも無く始まった。本当に、何の前触れも無く始まったのだ。それまで、友達だと思っていた相手から、一方的、かつ圧倒的暴力の餌食になる為の存在、つまり「いじめられっ子」に生まれて初めてのクラスチェンジをした。
最悪だったのは、母親同士が仲が良いままだったこと。おかげで、いじめられる様になってからも、このコミュニティから脱出できなかった。母親が、毎日のように、自ら僕を加害者の所へ連れて行くのだから。逆に、もう、あいつらの所に行きたくない! と意思表示したら、
「友達のことを悪く言ったら駄目でしょう!」と、逆に折檻された。
それでも、子供には、子供なりの付き合いがある。誕生日ともなれば、誕生日パーティーに呼ばれ、プレゼントをあげなければならない。ちなみに、僕の誕生日は、お盆の最中で、彼らは全員田舎へ帰省中とのことで、誰からもプレゼントどころか、おめでとうの一言も、お土産すら貰っていない。
さて、その、いじめっ子A(仮名)の誕生日には、彼が一番欲しいと言っていたおもちゃを無理を言って買ってもらいプレゼントした。しかし、いじめっ子Bが、被って彼に同じ物をプレゼントしていたのだ。やや遅れて到着した僕を待っていたのは、
「こんなもんいらねーよ!」
と、箱ごと顔面にぶつけられるという仕打ちと、後に残った壊れたおもちゃと怪我だけだった。
事、ここに至って、ようやく僕の様子がおかしい事に気が付いた母だったが、結局、自分が仲間内でハブられるのが嫌でか、僕がいじめっ子Aの要望を聞き間違えて怒られた、と自己完結して、またしても、僕を折檻することで、心の平穏を取り戻したようである。
そうして、小学校に入るまで、この人間関係が変わらなかったことが、問題をさらに大きくする。
小学校に入るとクラスが別れたため、親同士の関係は終わったが、子供の方は、そうはいかず、むしろ、毎休み時間ごとに僕を苛めるためだけに、毎日僕のクラスに顔を出すようになる。
その結果、僕のクラスの他の仲間が、他人のクラスで暴虐武人な振る舞いをするいじめっ子達をやっつけてくれるという夢を見たことも、ありました。実際はどうかというと、僕の苛め方を教えて仲良くなった連中が、数倍の勢力となって、毎日、毎日、襲いかかるという悪夢のレジームが出来上がりましたとさ。
救いの無いことに、担任となった女の先生は、暴力が大嫌いで、僕がそういう被害に会っていることを理解すると、男子の方には目を向けることすら無くなり、女子だけを依怙贔屓して、女子からのみ、良い先生であるという評価を貰ってご満悦の日々であったそうな。
そうこうしている内に、僕の方はというと、学年が上の生徒からも、安全に苛めてOKな楽な相手として、有名になり、更には、学校外からも噂を聞きつけ度胸試しとして、僕の所に暴力を振るいにやってくる者が後を絶たないという状態で、正直、当時は青痣、たんこぶは当たり前。毎日、まだ乾いてすらいない傷口を更に新しい擦過傷が塗りつぶすような有様であった。
そのうちに、僕の命に賞金(笑)がつくようになった。僕を虐めて自殺させたら百円出す奴が居たそうだ。僕の命は百円。一日一ドル以下で生活する発展途上国の話ではない。この日本での出来事だ。
この頃、小学校に入ってから二年になるまでの間に僕が受けた被害は、暴行1073件、傷害383件、盗難152件、詐欺による金銭被害12件(これは、いらないと断ったアイスを無理矢理食べさせ、翌日以後金利100%を上乗せして数日後に支払いを要求すると言った方法であった。50円のアイス代だけで、最終的に一万円以上を請求したのだから、こいつは将来素晴らしい才能を持つ経済ヤクザになるだろう。他には、駄菓子屋などで、僕のツケで、勝手に商品を持ち出したり、勝手に食べたり。或は、他所の家に空き巣に入り、金目の物を盗み、代わりに僕の名前の入った体操服 -これも盗品であるー を置いて行ったりといった事が日常茶飯事であった)
加害者側は、常連、20人程、そして、ゲストと呼ばれるクラス外の人間がほぼ毎日入れ替わりで約200人(もっとも、これだけの人数を覚えていられるわけもなく、自己申告と、日数を掛け合わせたのべ人数だが、そうそう間違った数字でもないようだ)これだけ派手で大掛かりな組織犯罪でありながら、加害者側で罰せられたことのあるのは、3人程が口頭注意だけで、教師側も追跡調査していない。これだけの被害、訴え出れば、何らかの対処法があったはずだと、部外者は言うだろう。しかし、実際現実に言われたら、妄想癖のある子供が他人にあること、ないこと訴えて嘘を付いて楽しんでいると思わないだろうか? 仮に警察に言ったとて、200人を超える加害者である。しかも全員未成年。
実際、こんなニュースを聞いたらあなたは、どう思いますか?
「本日、一人の少年に対する、暴行、傷害、詐欺の疑いで少年200人と、その保護者数名を逮捕しました。また、少年の通っていた小学校の教員数十名に対し、いじめの有無を隠ぺいした疑いで関係各所の家宅捜索を行いました」
まず、数を確認したうえで、実際そんな事件がありうるのかをまず疑うだろう。被害者の心情をまず考えてくれるような美しい心をもった日本人が何人いたのか、カウントしてみたい気もするが。実際、被害者である僕は、存在しない。そう結論づけなければ、社会が成り立たないのである。
実際、昔はよくあった話で、数十名の人間が一人の人間をいじめ殺す。そうすると、加害者側全員を処罰するわけにはいかないので、結局事件そのものが無かったもの扱いされる。そうして、被害者の子孫も、代々迫害される。アニメや漫画の題材になった事件もあったと思うが。
こうして、僕は十歳になった。そのころには、体も、心も、完全に壊れた状態だったと思う。それでも、何とか親兄妹には、心配をかけまいとして、なけなしの理性を振り絞り普通に生活しようとする、振りだけはしていた。
そして、その頃、ある日父が、ぽつりと言った一言が今迄考えまいとしていたことを考える契機となった。
それは、僕が虐められる理由となった出来事があった、というのだ。
当人としては、全く覚えてすらいない事なのだが、虐められるようになる前、ある日父が仕事の最中にたまたま、遊んでいる僕を見かけた時のことだ。
「お前の友達は、トンボを捕まえては、羽を毟り取り、飛べなくなったトンボを踏みつけて殺して遊んでいた。だけど、お前は一人だけそれをしなかった。だから、それから、お前が虐められるようになった事も、もしかしたらそれが原因かも知れない」
絶句した。本人も覚えていなかったような事が原因で虐めが始まったのなら、こんな救いの無い話もないだろう。
無論、僕がそれをやらなかった理由も、別にとんぼが可哀想だったからではないはずだ。
ただ汚れるのが嫌だったのか? 大人に怒られるのが嫌だったのか? 覚えてないので何とも言えないのだ。本当に。
とはいえ、問題を解決する糸口のようなものが見えたのだ。虐められる様になって六年。次のステップへと移行できる機会を得たと思っていた。
その日のことは、全く覚えていない。後から聞いた話なので、正しいかも分からない。
父から、あの話を聞いた翌月曜日、新展開に勇んで学校に行った僕は、白い布を頭に被せて、冷たくなって無言の帰宅をした。
死因は転落死。学校の屋上から飛び降り死んだそうだ。校舎裏側のことなので、目撃者も居ない、発見者の生徒指導は、発見した時既に死んでいるのを見て腰を抜かしたそうだ。
遺書らしきものも発見された。だから自殺とすんなり断定されて幕引きとなった。
しかし、記憶に無いとはいえ、自殺する筈もないし、動機も無い。そんな納得のいかない事件として、この事件は記憶に残されることとなる。
こうして、納得いかない思いを残して死んだ僕は、他の神様の計らいで、神として異世界に転生する事となった。それでも、納得いかない気持ちがあるため、今も、当時の情報を欲している。他の神様は、たとえ同僚であっても、死因の調査には口を挟まない。当人に話をしてもいけないという規定が有るそうだ。
こうして、悶々とすること十年ちょっと。新米神様は、納得いかないまま、今日も弱い者に奇跡を授けているのだとさ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やれやれ、やっと帰ってこれたよ。あんなに神に影響を与える人間が居るなんて、予想外だよなぁ」
それにしても、あの少年の状況は、ちょっとヤバいかなぁ。
彼自身は受け身がうますぎるから致命傷になってないだけで、こんなことが続いたら、もっとエスカレートしちゃうだろうし。何かうまい解決方法はないものかなぁ?
そう、思っていたところ、あのいじめっ子たち、やってはいけない領分にまで手出ししてきた。
こいつは、どぎついお仕置きが必要だ! 僕は、非常時用の決断をした。
あの少年は僕が保護する!
その言葉が語られるとき、大抵は、そんな言葉で一括りに出来ない程に陰湿で、悪質な複合犯罪が行われているのだ。
例えば、僕のケースでは、いじめ(この言葉は軽々しく使いたくないが)は、4歳になったある日、突然、何の前触れも無く始まった。本当に、何の前触れも無く始まったのだ。それまで、友達だと思っていた相手から、一方的、かつ圧倒的暴力の餌食になる為の存在、つまり「いじめられっ子」に生まれて初めてのクラスチェンジをした。
最悪だったのは、母親同士が仲が良いままだったこと。おかげで、いじめられる様になってからも、このコミュニティから脱出できなかった。母親が、毎日のように、自ら僕を加害者の所へ連れて行くのだから。逆に、もう、あいつらの所に行きたくない! と意思表示したら、
「友達のことを悪く言ったら駄目でしょう!」と、逆に折檻された。
それでも、子供には、子供なりの付き合いがある。誕生日ともなれば、誕生日パーティーに呼ばれ、プレゼントをあげなければならない。ちなみに、僕の誕生日は、お盆の最中で、彼らは全員田舎へ帰省中とのことで、誰からもプレゼントどころか、おめでとうの一言も、お土産すら貰っていない。
さて、その、いじめっ子A(仮名)の誕生日には、彼が一番欲しいと言っていたおもちゃを無理を言って買ってもらいプレゼントした。しかし、いじめっ子Bが、被って彼に同じ物をプレゼントしていたのだ。やや遅れて到着した僕を待っていたのは、
「こんなもんいらねーよ!」
と、箱ごと顔面にぶつけられるという仕打ちと、後に残った壊れたおもちゃと怪我だけだった。
事、ここに至って、ようやく僕の様子がおかしい事に気が付いた母だったが、結局、自分が仲間内でハブられるのが嫌でか、僕がいじめっ子Aの要望を聞き間違えて怒られた、と自己完結して、またしても、僕を折檻することで、心の平穏を取り戻したようである。
そうして、小学校に入るまで、この人間関係が変わらなかったことが、問題をさらに大きくする。
小学校に入るとクラスが別れたため、親同士の関係は終わったが、子供の方は、そうはいかず、むしろ、毎休み時間ごとに僕を苛めるためだけに、毎日僕のクラスに顔を出すようになる。
その結果、僕のクラスの他の仲間が、他人のクラスで暴虐武人な振る舞いをするいじめっ子達をやっつけてくれるという夢を見たことも、ありました。実際はどうかというと、僕の苛め方を教えて仲良くなった連中が、数倍の勢力となって、毎日、毎日、襲いかかるという悪夢のレジームが出来上がりましたとさ。
救いの無いことに、担任となった女の先生は、暴力が大嫌いで、僕がそういう被害に会っていることを理解すると、男子の方には目を向けることすら無くなり、女子だけを依怙贔屓して、女子からのみ、良い先生であるという評価を貰ってご満悦の日々であったそうな。
そうこうしている内に、僕の方はというと、学年が上の生徒からも、安全に苛めてOKな楽な相手として、有名になり、更には、学校外からも噂を聞きつけ度胸試しとして、僕の所に暴力を振るいにやってくる者が後を絶たないという状態で、正直、当時は青痣、たんこぶは当たり前。毎日、まだ乾いてすらいない傷口を更に新しい擦過傷が塗りつぶすような有様であった。
そのうちに、僕の命に賞金(笑)がつくようになった。僕を虐めて自殺させたら百円出す奴が居たそうだ。僕の命は百円。一日一ドル以下で生活する発展途上国の話ではない。この日本での出来事だ。
この頃、小学校に入ってから二年になるまでの間に僕が受けた被害は、暴行1073件、傷害383件、盗難152件、詐欺による金銭被害12件(これは、いらないと断ったアイスを無理矢理食べさせ、翌日以後金利100%を上乗せして数日後に支払いを要求すると言った方法であった。50円のアイス代だけで、最終的に一万円以上を請求したのだから、こいつは将来素晴らしい才能を持つ経済ヤクザになるだろう。他には、駄菓子屋などで、僕のツケで、勝手に商品を持ち出したり、勝手に食べたり。或は、他所の家に空き巣に入り、金目の物を盗み、代わりに僕の名前の入った体操服 -これも盗品であるー を置いて行ったりといった事が日常茶飯事であった)
加害者側は、常連、20人程、そして、ゲストと呼ばれるクラス外の人間がほぼ毎日入れ替わりで約200人(もっとも、これだけの人数を覚えていられるわけもなく、自己申告と、日数を掛け合わせたのべ人数だが、そうそう間違った数字でもないようだ)これだけ派手で大掛かりな組織犯罪でありながら、加害者側で罰せられたことのあるのは、3人程が口頭注意だけで、教師側も追跡調査していない。これだけの被害、訴え出れば、何らかの対処法があったはずだと、部外者は言うだろう。しかし、実際現実に言われたら、妄想癖のある子供が他人にあること、ないこと訴えて嘘を付いて楽しんでいると思わないだろうか? 仮に警察に言ったとて、200人を超える加害者である。しかも全員未成年。
実際、こんなニュースを聞いたらあなたは、どう思いますか?
「本日、一人の少年に対する、暴行、傷害、詐欺の疑いで少年200人と、その保護者数名を逮捕しました。また、少年の通っていた小学校の教員数十名に対し、いじめの有無を隠ぺいした疑いで関係各所の家宅捜索を行いました」
まず、数を確認したうえで、実際そんな事件がありうるのかをまず疑うだろう。被害者の心情をまず考えてくれるような美しい心をもった日本人が何人いたのか、カウントしてみたい気もするが。実際、被害者である僕は、存在しない。そう結論づけなければ、社会が成り立たないのである。
実際、昔はよくあった話で、数十名の人間が一人の人間をいじめ殺す。そうすると、加害者側全員を処罰するわけにはいかないので、結局事件そのものが無かったもの扱いされる。そうして、被害者の子孫も、代々迫害される。アニメや漫画の題材になった事件もあったと思うが。
こうして、僕は十歳になった。そのころには、体も、心も、完全に壊れた状態だったと思う。それでも、何とか親兄妹には、心配をかけまいとして、なけなしの理性を振り絞り普通に生活しようとする、振りだけはしていた。
そして、その頃、ある日父が、ぽつりと言った一言が今迄考えまいとしていたことを考える契機となった。
それは、僕が虐められる理由となった出来事があった、というのだ。
当人としては、全く覚えてすらいない事なのだが、虐められるようになる前、ある日父が仕事の最中にたまたま、遊んでいる僕を見かけた時のことだ。
「お前の友達は、トンボを捕まえては、羽を毟り取り、飛べなくなったトンボを踏みつけて殺して遊んでいた。だけど、お前は一人だけそれをしなかった。だから、それから、お前が虐められるようになった事も、もしかしたらそれが原因かも知れない」
絶句した。本人も覚えていなかったような事が原因で虐めが始まったのなら、こんな救いの無い話もないだろう。
無論、僕がそれをやらなかった理由も、別にとんぼが可哀想だったからではないはずだ。
ただ汚れるのが嫌だったのか? 大人に怒られるのが嫌だったのか? 覚えてないので何とも言えないのだ。本当に。
とはいえ、問題を解決する糸口のようなものが見えたのだ。虐められる様になって六年。次のステップへと移行できる機会を得たと思っていた。
その日のことは、全く覚えていない。後から聞いた話なので、正しいかも分からない。
父から、あの話を聞いた翌月曜日、新展開に勇んで学校に行った僕は、白い布を頭に被せて、冷たくなって無言の帰宅をした。
死因は転落死。学校の屋上から飛び降り死んだそうだ。校舎裏側のことなので、目撃者も居ない、発見者の生徒指導は、発見した時既に死んでいるのを見て腰を抜かしたそうだ。
遺書らしきものも発見された。だから自殺とすんなり断定されて幕引きとなった。
しかし、記憶に無いとはいえ、自殺する筈もないし、動機も無い。そんな納得のいかない事件として、この事件は記憶に残されることとなる。
こうして、納得いかない思いを残して死んだ僕は、他の神様の計らいで、神として異世界に転生する事となった。それでも、納得いかない気持ちがあるため、今も、当時の情報を欲している。他の神様は、たとえ同僚であっても、死因の調査には口を挟まない。当人に話をしてもいけないという規定が有るそうだ。
こうして、悶々とすること十年ちょっと。新米神様は、納得いかないまま、今日も弱い者に奇跡を授けているのだとさ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やれやれ、やっと帰ってこれたよ。あんなに神に影響を与える人間が居るなんて、予想外だよなぁ」
それにしても、あの少年の状況は、ちょっとヤバいかなぁ。
彼自身は受け身がうますぎるから致命傷になってないだけで、こんなことが続いたら、もっとエスカレートしちゃうだろうし。何かうまい解決方法はないものかなぁ?
そう、思っていたところ、あのいじめっ子たち、やってはいけない領分にまで手出ししてきた。
こいつは、どぎついお仕置きが必要だ! 僕は、非常時用の決断をした。
あの少年は僕が保護する!
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