最強☆はいぱー美少女烈伝

拝 印篭

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金持ち嬢ちゃん 貧乏嬢ちゃん(涙)

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「ヒャッハー! まさかこんな有名人様に遭遇するたぁ、俺の運もなかなかどうして、大したものだぜぇ! 地震で何もかも無くしたオレッチが、道連れにするのがこんな上玉なら、トントン位までは戻せるかぁ?」

「残念ですが、そうはなりません。あなたには、法の裁きを受けてもらいます。勿論、これ以上の狼藉は許しません!」

 ああ、あの石廊崎舞歌ちゃんが、目の前で啖呵きってるよ~。凛々しい、かっこいい、でも、かわいい! 

「しかし、大丈夫かよ。あの体格差、ヤバくないか?」

 薫くんの言うのもわかる。公称148センチ 40kgの体つきは、目の前のヒャッハー! の人の半分位しか無いんだもの。

「いざとなったら加勢するから、荷物持ってろ」

 と、私にリュックを渡した薫くんは、男の子の顔で前に出ようとした。が、

「大丈夫。怪我しないように避けててね」

 と、言った舞歌さまに対し、ヒャッハー! の人が鉈を持って襲い掛かる!


 ドン!! 


 と物凄い音がした。と、思ったらヒャッハー! の人がお空を飛んでいた。
 それも、10m位。えええええっ! びっくり! 人って、空を飛べるんだ!

「いや、飛ばされたんだろ? どう見ても」

「え? でも、笑顔だよ?」

「つまり、気が付くまえに殺られたんだろう」

「いやいや、死んでないから」

「そうなんだ」

「それにしても、いいフックだったよねぇ」

「まあ、鍛えてるからな」

「そうそう、毎朝5時起きで」

「ちょっとまて」

「「え?」」

「何気に普通に会話に参加してるな! あんた」

「あはは、ばれちゃった。助けてくれようとして、ありがとうね」

「うわー! うわー! 憧れの舞歌さまとおはなししちゃったー!」

「こっちの彼女もかわいいねぇ。ろりぷに?」

「ががーん!」

 そりゃあ、ねえ。身長150cmで体重50kgじゃあ、ちょい多いかなとは自分でも薄々感じてはいましたとも。

「で、でも、体脂肪率は20弱位だし、ギリOKだもん!」

「おおっ! 以外や鍛えてる?」

「まあ、うちのばあちゃんに鍛えられたらみるみるブルワーカーで鍛えたように」

「筋肉でもないもん!」

「ところで、あいつ大丈夫かよ?」

「大丈夫じゃないかな? 手加減したし、警察も、もう来る頃でしょ」

 確かに、いまだきゅー、って伸びてます。

 ぐきゅー!

 おなかも、伸びてます。

「おおっ! 素敵な音色だねぇ」

 うわーん! お顔が真っ赤になるのが自分でもわかるよー

「おなかすいてるんなら、うちで何か食べて行きなよ」

「いや、金が無いんだよ。銀行が下ろせなくなってるせいで」

「880円しかないの。二人で」

「だーいじょうぶ! まーかせて!」

 と、いうわけで、なんと、なんと! 舞歌さまにごちそうになることになりました。

「あ、ちょっと待ってね。うっかりキャストオフしちゃったから」

 そういいながらかいじゅうさんを拾いはじめました。私もおてつだい。

「あんた、あの技、八極拳か? 凄いカンフーだったが」

「お目が高いねぇ。確かに八極拳の一種だよ。詳細は秘密だけど、わたしたち【ウィッチバンカー】特有の武術とだけ言っておこうかねー。それよりも、お金もってないのは、やっぱ地震の影響かな?」

「そーなんですよ。大みずほ銀行様がお亡くなりになって、今日引き出すはずが、どうにもならなくて」

「実は、わたしが着ぐるみ着てチラシ配りしてたのも、そう言う難民状態の人のお役にたちたいからなんだよ。いつまでもは無理だけど、とりあえずの緊急避難程度なら面倒みるよ。さっきのあいつも、本来なら保護対象だったけど、あそこまで狼藉を働いちゃうとねぇ」

 そう言って惨状を見やる。最初のけが人の人が救急車で運ばれる所だ。犯人は、警官が捕えてようやく手錠をはめられた。おまわりさんが、こっちくる。

「石廊崎さん、いつも、お世話になっております。今回の事件について詳細をお聞きしたいのですが。む? こちらの二人は?」

「危うく被害に会いそうだった方たちです。犯人の捕縛にも協力いただいております」

「ずいぶんと大荷物だが、家出とかじゃないだろうな?」

 こちらをにらんでます。

「この春から東京の学校に入学するので寮に入る予定だったんですけど、逗留する宿が、地震で営業できなくなった、って言われて」

 このへんは、あらかじめ相談済です。

「ふむ、宿の名前は?」

「上野の鴎外荘です。なんでも、建物の検査をするのと、料理人や仲居さんが揃わないとか」

「ねえ、それって、宿泊費返還してもらった?」

「「あ!」」

「たしか、ばあちゃんが先に払ってる筈だ」

「っていうか、わたし、ショックで払ってもらえないものだと勘違いしてた」

「そーだ、お前が泣きながら戻ってきて荷物持って出て行ったから慌てておっかけたんじゃねーか!」

「わたしのせいでふかぁぁぁぁっ!」

 かみました。




「そういうことなら、事件については了解しました。ご協力感謝いたします」

「詳細について何かあれば、また本社にきてください。いつでも歓迎しますから」

「御社に伺うといつも、うまいお菓子にありつけますからな。楽しみにしてます」

 そういうと、おまわりさんはお仲間さんのほうへ去って行った。

「じゃあ、君らは、わたしが送っていってあげるから、先ずお金を取り戻そう。それから、うちに招待するから、なんか食べていきなよ。奢るからさ」

 そう言いながらスマホを操り誰かと連絡しはじめました。

「もしもーし、わたし、駅前にいるから、車回してくれる? うん、二人程乗せるんで、コブラはやめといてねー」

「いま、不穏当な単語が聞こえたが?」

「すぐ来るよー。コブラ知ってるの? 通だねぇ。ま、違う車で来るけど」

 かくして、本当に五分程で来た車に乗って、上野まで連れてってもらいました。
 すっごい歩いた気になってたけど、車だとほんの十分ほどで泊まったお宿です。

「まさか、パナメーラとはなぁ」
「そして、運転手さんが【神速のハーピィ、神明あかね】さんだったとは」
 二人して半笑い状態で舞歌さまのお金持ちっぷりに圧倒されておりました。

 そうして、半分夢見心地のまま、お宿につくと、
「ああっ! お客様。宿泊料を清算しに伺ったらもういらっしゃらなかったので、心配してたんですよ」

 と、言って、お金も用意してくれてたので、

「ごめんなさい、余りのショックで、完全にお金の事わすれてましたー」

「でも、良かった。ご自宅に連絡しても繋がらないし、心配ですよねぇ」

 お腹すいて忘れてました。

「テレビも、何か恐ろしい映像ばかり映ってるし、福島じゃ、原発が壊れたとか、街が流されたとか、こんなことになるなんてねぇ」

 優しそうな仲居さんが本当に心配しています。

「とりあえず、今日は、私共でこの二人は預かれますのでご心配なく」

「あら、石廊崎さま、いつも、ご贔屓に。それは、良かったですねぇ」

 そう言って、漸く笑顔を見せてくれた仲居さんにもう一度ごめんなさいして、お宿を出ました。ロビーのテレビからは
「プァプァプァプァプァー♪」
 なんて歌が流れていました。うるさいやい! ぷあーは脱出したもん!
 二人分の宿泊料は四万八千円程でした。




「ここが、スイートペリル本店でーす」

 神明あかねさんが、お店の前で下ろしてくれました。

「うわぁお。おおきいですねぇ」

「うちの本館と別館足した位あるかなぁ」

 なんでも、元はJRの敷地だった所らしいです。それを700億程で、買収して建てたのが、このお店だというのですから、すっごいですねぇ。

「舞歌さまはお店のおーなーさんなんですよね?」

「お店というか、ビル全体? 毎月テナント料が七億程入ってきて、十年で完済する予定だから、そうしたら、本当に私のモノだけどね」

「完済した時にまだ24だもの。いいなあ、お金持ち。憧れですよー」

「そんなことより、おなか、大丈夫? すぐ何か用意するねー」

 ありがたく、ごちそうになります。

 サンドイッチと、ビーフシチュー。薫くんは、おおもりのカレーライス。
 デザートのパフェと紅茶までごちそうになり、大変おいしゅうございました。

 人心地ついたところで、舞歌さまからとても素敵なお話をいただきました。

「ねえ、二人とも、【ウイッチバンカー】になってみない?」

「俺はお・と・こ だぁーっ!」

 薫くんがキレました。


 
 
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