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物語が動き始める章
第十二話 「ごめんなさい、君の名前を呼びます」
しおりを挟む1人と2匹は王兄殿下にキレていたが、まあこのくらいじゃどうということはない、と矛先を納めてもらった。その代わりといってはなんだが、王都に家を所望した。詫びなんちゃら、とかいうやつだ。前世の部下がスマホでゲームをしていて、メンテナンスが長引くたびに「詫び石よこせ!」と叫んでいた。何が詫びなんだと問うと、メンテナンスのせいでゲームの出来ない『詫び』だと…。無料ゲームで何言ってやがると小突いた記憶があるが、まさにそれ。
詫び家。
こう書くとなんかすごい感があるけど、将来まだまだ稼ぐであろう子供の賠償金だ。ティグレと犬猫2匹はむすっとしてるけど、まあ妥当だと思う。貴族街の端っこにでもある小さな家、もしくは平民街でも良い。できればポチとタマを放せる庭付きで。
「ふむ……大公邸から近い方と遠い方、どちらが良いかな?」
「あっ、出来るだけ遠い方で」
「……………」
王兄殿下よ。俺は怒ってないだけで、許してはないんだからな?はいはい、ちょっと拗ねて見せたって、それが演技だとわかってるから。別室に用意されていた新しい服に着替えて、なんだか銀ピカの馬車に揺られてついた先は ーーー 森っ!?えー…ええー……?
森の……洋館…!?何この豪邸!ちょっと!?ちょ、ちょ……ちょおおおお!!??
「先王の所有していた屋敷だけど、手入れはしてあるよ。中心街からは遠いけれど、食材は城から届けさせよう」
「………あー…えー……あの?殿下?森の奥の…あそこにちょっととぉーくに見えるのは、お城…ですかね?」
「そうだよ。ああ、この森は好きに使っていいよ。フェンリルやケットシーを放してもいい。弟には許可をとっているし、何よりこの森は王族でも限られた者しか入れないからね」
やっぱり王家の森かよ!チクショウ!!
いいか、王兄殿下!これは家じゃねえ!屋敷だ!豪邸だ!!家っ言ったよなあ、俺はァ!!
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