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私の常識は通じない
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「あら、聞いたわよ王都に行ってたんですってね。おかえりなさい」
「そうそう、ついでに視察も頼まれちゃってねー。ただいま、ようやくラピュレさんの料理が食べられるよ」
ディエドに帰り着いて、寮に向かう前にラピュレさんの食堂に寄った。
ちょっと豪華な食事をリクエストして、私達の帰還祝いパーティー&キースさんの誕生日を祝うのだ!
「まさかアンリちゃんも一緒だったの?」
「はい、王都行ったことなかったんで連れてってもらってきました!これお土産です」
確か、フェニーラって町で買った謎の果物で作られたジャム。
すっぱめでラズベリーっぽいけど、聞きなれない名前過ぎて覚えてない。
気に入ったから2瓶買ってたんだけど、渡すのにちょうどよかったな。
「まぁ嬉しいわ、ありがとね!」
「キースさんも大勢の食事久々だし、豪勢にいきたいんだけどお願いできる?」
「いいわね、任せてちょうだい。ちょうど牛を一頭仕入れた所だから、どーんと厚切りにしましょ」
「やったステーキ!」
異世界レベルの厚切りに期待値半端ない…!
漫画みたいな凄いのくるかな?やばい楽しみ過ぎる!
「じゃあアンリちゃんはケーキ買ってきてくれる?」
「うん!…って、一人で?」
「この街なら、迷子にならないから大丈夫だよね」
旅してる間、ずっと離れずに行動してきた。
お金の単位は一応覚えたけど、一人で買い物したことはない。
この世界、値札がないから不安なんだよねー。
これ欲しいですって言ったら、向こうが後出しで値段言ってくるの。
比較的お金持ちだからいいんだけどさ、日本じゃ値段と性能を秤にかけて悩み抜いて買い物してたからひやひやしちゃう。
「リクエストある?」
「ん?協会へ行く途中で、お菓子屋さんの場所確認してたじゃないか」
「あぁうん、道は分かるよ大丈夫!クロードはどういうケーキがいい?」
時々、言葉が通じない。
前後の話で察したり雰囲気でカバーしてくれてることが多いから、どれが翻訳されてないワードなのかはっきりしないけどね。
リクエストは通じないみたい。線引きがよく分かんないなぁ。
「アンリちゃんが気に入ったやつでいいよ」
「おっけー任された!」
まぁ何があるか分かんないもんね。
確か甘いのが好きらしいから、生クリームたっぷりなのを選んであげよう。
さっき言われた通り、協会へ行った日に気になるお店はチェックしてある。
お菓子屋さんは3軒見たけど、一つはゼリーとかプリン系統ラインナップだった気がするから候補から外す。
とりあえず近い方のお店に行くことにした。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると、甘い香り。
パティシエはお菓子を食べなくても、空気感染で虫歯になるとか聞いたことがあるけど本当かな?
この世界の医療水準謎だけど、協会が病院兼業だし不安だわー。
虫歯には気を付けよう。
「……」
ショーケースのケーキを吟味していると、熱い視線を感じた。
顔を上げると、案の定店員さんと目が合う。
「…決まったら呼びます」
何も買わずに出ていける雰囲気じゃないな。
ケーキは2種類しかでてないけど、どっちもめっちゃ美味しそうなので
ここで決める気だったからいいけど!
2、1で買うか、全部一緒にするか…。悩むわぁ。どっちも味見したいけど、どうしよっかな。
私が選んだのとクロードが選ぶのが別だったらベストなんだけど、キースさんに一口頂戴はいいにくいな。
「………」
艶が魅惑のチョコレートタルトには、ベリーがふんだんに乗ってて美味しそうだし、
ぽってり生クリームなスポンジケーキには、桃とトマトみたいなのが飾られてて美味しそう。(多分トマトじゃないだろうけど)
って視線を動かしまくって吟味中なんだけど、ガラス越しに見えるぞ…まだじっと見つめられてる。
「えーっと、私優柔不断なんで…」
「お姉さん、キース先生が拾った人?」
おっと?
「そう、アンリっていいます。…貴女は私が倒れてるのを見つけてくれた生徒さん?」
「わたしはリルム。行き倒れの人なんて初めて見たから、びっくりしちゃった。この街の人だったのね」
「それは…申し訳ない。ホント困ってたから、見つけてくれてよかったよ」
バイトかな?いや、この世界そういうシステムっぽくないな…
お土産を買うのに立ち寄った場所でも、売り子は若い子が多かった。小・中学生ぐらいね。
「ここリルムちゃんのお家?」
「そうだよ、ディエドでケーキといえば、うち!」
「お家の手伝いしてて、偉いね」
やっぱり当たってた!
ってなると、人を雇うってのはあんまりないのかな?
毒さえ飲んどけば私は自由らしいけど、ニートは肩身が狭いから何か仕事したいんだけどなぁ。
クロードに確認しとかないとね。
「じゃあ、こっち2つとこれ1つください」
結局、チョコ2で生クリーム1にした。
キースさんなら、残ったのでいいっていう気がしてきたからね。
甘いのが好きなクロードに選ばせてあげて、違う方を私が食べて、残りキースさん。完璧!
「えぇっ、2つ?…予約じゃなくて、今?」
「え、っと…んん?」
「材料はあると思うけど、生地を焼くのに時間が…お父さんに聞いてくるね」
何かおかしい!
そして、この違和感の正体を速攻察した私は偉い。
「あーっ間違えたごめんごめん!冗談だよ~これ1つもらえるかな!?」
このケーキ、ピース売りしてないんだな!?
ちょいちょい日本と勝手が違うからなー、まったくこれだから…。
「やだもー、びっくりしちゃった」
「は、はは…。ケーキってホール売りだけなの?3人で食べる予定だからちょっと多いような…切り分けとかは…してないよね」
「ほおる?」
「何でもないでーす。いくら?」
選ばれたのは、チョコレートタルトでした。
「そうそう、ついでに視察も頼まれちゃってねー。ただいま、ようやくラピュレさんの料理が食べられるよ」
ディエドに帰り着いて、寮に向かう前にラピュレさんの食堂に寄った。
ちょっと豪華な食事をリクエストして、私達の帰還祝いパーティー&キースさんの誕生日を祝うのだ!
「まさかアンリちゃんも一緒だったの?」
「はい、王都行ったことなかったんで連れてってもらってきました!これお土産です」
確か、フェニーラって町で買った謎の果物で作られたジャム。
すっぱめでラズベリーっぽいけど、聞きなれない名前過ぎて覚えてない。
気に入ったから2瓶買ってたんだけど、渡すのにちょうどよかったな。
「まぁ嬉しいわ、ありがとね!」
「キースさんも大勢の食事久々だし、豪勢にいきたいんだけどお願いできる?」
「いいわね、任せてちょうだい。ちょうど牛を一頭仕入れた所だから、どーんと厚切りにしましょ」
「やったステーキ!」
異世界レベルの厚切りに期待値半端ない…!
漫画みたいな凄いのくるかな?やばい楽しみ過ぎる!
「じゃあアンリちゃんはケーキ買ってきてくれる?」
「うん!…って、一人で?」
「この街なら、迷子にならないから大丈夫だよね」
旅してる間、ずっと離れずに行動してきた。
お金の単位は一応覚えたけど、一人で買い物したことはない。
この世界、値札がないから不安なんだよねー。
これ欲しいですって言ったら、向こうが後出しで値段言ってくるの。
比較的お金持ちだからいいんだけどさ、日本じゃ値段と性能を秤にかけて悩み抜いて買い物してたからひやひやしちゃう。
「リクエストある?」
「ん?協会へ行く途中で、お菓子屋さんの場所確認してたじゃないか」
「あぁうん、道は分かるよ大丈夫!クロードはどういうケーキがいい?」
時々、言葉が通じない。
前後の話で察したり雰囲気でカバーしてくれてることが多いから、どれが翻訳されてないワードなのかはっきりしないけどね。
リクエストは通じないみたい。線引きがよく分かんないなぁ。
「アンリちゃんが気に入ったやつでいいよ」
「おっけー任された!」
まぁ何があるか分かんないもんね。
確か甘いのが好きらしいから、生クリームたっぷりなのを選んであげよう。
さっき言われた通り、協会へ行った日に気になるお店はチェックしてある。
お菓子屋さんは3軒見たけど、一つはゼリーとかプリン系統ラインナップだった気がするから候補から外す。
とりあえず近い方のお店に行くことにした。
「いらっしゃいませ」
店内に入ると、甘い香り。
パティシエはお菓子を食べなくても、空気感染で虫歯になるとか聞いたことがあるけど本当かな?
この世界の医療水準謎だけど、協会が病院兼業だし不安だわー。
虫歯には気を付けよう。
「……」
ショーケースのケーキを吟味していると、熱い視線を感じた。
顔を上げると、案の定店員さんと目が合う。
「…決まったら呼びます」
何も買わずに出ていける雰囲気じゃないな。
ケーキは2種類しかでてないけど、どっちもめっちゃ美味しそうなので
ここで決める気だったからいいけど!
2、1で買うか、全部一緒にするか…。悩むわぁ。どっちも味見したいけど、どうしよっかな。
私が選んだのとクロードが選ぶのが別だったらベストなんだけど、キースさんに一口頂戴はいいにくいな。
「………」
艶が魅惑のチョコレートタルトには、ベリーがふんだんに乗ってて美味しそうだし、
ぽってり生クリームなスポンジケーキには、桃とトマトみたいなのが飾られてて美味しそう。(多分トマトじゃないだろうけど)
って視線を動かしまくって吟味中なんだけど、ガラス越しに見えるぞ…まだじっと見つめられてる。
「えーっと、私優柔不断なんで…」
「お姉さん、キース先生が拾った人?」
おっと?
「そう、アンリっていいます。…貴女は私が倒れてるのを見つけてくれた生徒さん?」
「わたしはリルム。行き倒れの人なんて初めて見たから、びっくりしちゃった。この街の人だったのね」
「それは…申し訳ない。ホント困ってたから、見つけてくれてよかったよ」
バイトかな?いや、この世界そういうシステムっぽくないな…
お土産を買うのに立ち寄った場所でも、売り子は若い子が多かった。小・中学生ぐらいね。
「ここリルムちゃんのお家?」
「そうだよ、ディエドでケーキといえば、うち!」
「お家の手伝いしてて、偉いね」
やっぱり当たってた!
ってなると、人を雇うってのはあんまりないのかな?
毒さえ飲んどけば私は自由らしいけど、ニートは肩身が狭いから何か仕事したいんだけどなぁ。
クロードに確認しとかないとね。
「じゃあ、こっち2つとこれ1つください」
結局、チョコ2で生クリーム1にした。
キースさんなら、残ったのでいいっていう気がしてきたからね。
甘いのが好きなクロードに選ばせてあげて、違う方を私が食べて、残りキースさん。完璧!
「えぇっ、2つ?…予約じゃなくて、今?」
「え、っと…んん?」
「材料はあると思うけど、生地を焼くのに時間が…お父さんに聞いてくるね」
何かおかしい!
そして、この違和感の正体を速攻察した私は偉い。
「あーっ間違えたごめんごめん!冗談だよ~これ1つもらえるかな!?」
このケーキ、ピース売りしてないんだな!?
ちょいちょい日本と勝手が違うからなー、まったくこれだから…。
「やだもー、びっくりしちゃった」
「は、はは…。ケーキってホール売りだけなの?3人で食べる予定だからちょっと多いような…切り分けとかは…してないよね」
「ほおる?」
「何でもないでーす。いくら?」
選ばれたのは、チョコレートタルトでした。
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