詩篇その1

ニャロック

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夕焼け

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今日も一日ご苦労様てしたと
夕焼けが赤く沈んでゆく

飲み屋のネオンが灯る頃
男も女も子どもに返って

思い出すはあの懐かしい
遊び疲れて帰る我が家

思い出すとあまりに切なくて
そうよ今日もまたお酒を飲むの


大人が帰るところはない
もうどこにも帰れないの

もうどこにも帰れないなら
せめて旅でもしましょうか


あの街この街渡り歩いて
次に行く街はどんな街

色んな街の色んな人たち
色んな人たちの営む色んな生活

色んな生活が幸せを求めて
街にひしめきあっている

僕はひとりたたずんで
やっぱり行くべきところがない


君はどこの街で暮らしてるの
早く僕に教えてよ

君を見失わないうちに
生きることを忘れないうちに


今日も一日ご苦労様でしたと
夕焼けが赤く沈んでゆく


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