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十一章 笛吹き
219. 爆弾投下
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エステラに新たな従魔が増えた。
マンドラゴラから改造された、マンドラゴンである。
何処からどう見ても、竜には見えず、マグダリーナも初見で言葉に詰まった。
名はプラと名づけられた。
ぷーと鳴くかららしい。
元はマンドラゴラだったくせに、触るとふにっとマシュマロのように柔らかく、短く細かい毛が天鵞絨のように生えている。枕にしたい触感だった。
緑がかった透明感のある葉の方も、多肉植物のようにぷっくりとした厚みがあり、アロエのように水分をたっぷり含んでいるようだ。プラは挨拶代わりに一枚切り落としてくれた。切り落とされた所からは、新しい葉があっという間に生えてきたので、マグダリーナはほっとした。
早速エステラがプラの額に女神の精石を付けると、蕪ら以外の野菜も育てるし、マンドラゴラも育てはじめた。エステラの薬草園で。
他のマンドラゴン達が、いつの間にか空いてる農耕地で蕪らや野菜を作っていることに、農夫達も大慌てしない。「エステラ師匠んとこの子か?」『ぷ!』で通常業務に戻る。
今日もショウネシーは、平和でなによりだった。
夕食までの間に、ショウネシー邸のサロンに集まって、いつものようにお茶と団欒を楽しむ。
「お父さま、お母さまは王様の恋人だったのですか? お父さまは、どうやってお母さまと結婚できたんですか?」
不意に、アンソニーが爆弾を投下した。
見事に被爆して、ダーモットはお茶を吹き出した。
ケーレブとマゴーが、なかったことにしていく。
運動がてら、イラナとショウネシー邸に来ていたシャロンが、ほほほと笑う。
「まあ、どこからそんな昔話を伺って? ……ああ、きっとオーズリー公爵ね」
流石シャロン伯母様、鋭くていらっしゃる。
固まっているダーモットの代わりに、シャロンが昔話をしてくれた。
チラリとイラナを見て。
「クレメンティーンはこの美貌でしょう? それにとても優しく気立が良かったから、セドリック様も恋してしまったのよ。でも清いお付き合いよ。二人ともまだ若かったし、クレメンティーンは慎重な子だったから、いつもセドリック様とお会いする時にはケーレブを控えさせて、二人っきりになることはなかったわ」
マグダリーナとアンソニーは、ケーレブを見た。
ケーレブは粛々と頷く。
「シャロン様のおっしゃる通りです。そしてセドリック王に……当時は王太子殿下でしたが……是非妃にと請われた時、喜びと共に強い恐れを抱かれました。ご自身のような者が、妃になってはいけないと」
シャロンはため息をついた。
「私とブロッサム様はクレメンティーンの味方でしたし、出来ればなんとかしてあげたいと浅知恵を巡らしてましたのよ。たとえばクレメンティーンをブリュー公爵家の養子にしてから王家に嫁入りさせるとか……もし実行してましたら、オーブリー家に我が家は潰されて、クレメンティーンも暗殺されましたでしょうけど」
「あー……あの人ならありうるな」
ヴェリタスの言葉に、ちゃっかりニレルと一緒にいるドミニクが何度も頷く。
「それにセドリック様はこうと決めたら実行なさる行動力がおありだし、私達はなり行きを見守るしか出来なかったわ……ところが、そこへ颯爽と伯爵が現れた」
ケーレブはダーモットの前に、新しいお茶を用意する。
「ええ、旦那様はセドリック王に、クレメンティーン様の事を諦めるよう直談判し、最終的に領地戦で勝利した方がクレメンティーン様を娶るということになりまして……」
子供達の視線がダーモットに集まり、ダーモットは居心地悪そうに咳払いした。
「え? え? お母さまがお母さまだってことは、勝ってしまったの? あの領地戦で?!」
シャロンとケーレブが、揃って頷く。
ダーモットは慌てた。
「もちろん、私一人の手柄ではないよ。ジョゼフが手伝ってくれたからね」
「伯爵、その話もっと詳しく」
ヴェリタスが身を乗り出した。
「あ……いや……」
ダーモットが困っているのを察して、大きな息子に、お茶を飲む際の優雅な立ち居振る舞いを教えていたセレンが、話の向きを変える。
「そういえば、イラナ殿はエヴァの孫のように見受けられるが、ご両親の事は覚えていらっしゃるか?」
突然話を振られて……しかもその内容に、イラナは驚く。
「私が……エヴァ様の血筋?!」
「アンタ何処でも子供作ってるんだな」
ルシンがボソリと言う。
「わ……私とエヴァはそれが使命だったのだから……」
ルシンの冷たい視線に、狼狽えたセレンだったが、ふいに悲しげな顔をする。
「私は幾たびも転生を繰り返し、エヴァと子を成した……皆ハイエルフだった。それなのに殆どの者が精霊化してしまった……」
イラナはチラリとマグダリーナを見て微笑んだ。
「気持ちはよくわかります。リーナとトニーに会った時、私は心から喜びに震えました。過去の自分の選択が間違いではなかったと。私は両親の記憶がありません。恐らく幼いうちに離れ離れになってしまったのでしょう。そういうことが、珍しくない戦乱の時代だったのです」
「ああ……」
その時代に心当たりがあるのか、セレンは目を瞑って頷く。
皆の注意は、もうイラナとセレンに向かっていた。
「私は自分が何者か知らぬまま、気づけば娼館にいて、そこで育ち、そこで生きる糧を得ていました」
イラナは自らを卑下することもなく、ごく自然にそう言った。
今のこの国では、娼館で働く事は卑賎な職業ではなく、教育も与えられる。しかし、はるか昔の戦乱の世のそこは、きっと今ほど良心的な環境ではなかったはずだ……
「私は珍しいエルフの娼士だったのです。そしてそこで短い生を生き、死んでゆく人々を見て、人の身体の仕組みに興味を持ち、お客に様々な薬を試しながら暮らしていました。不思議と怪我を負った兵士や冒険者が多く来るようになりました……あの時代の客の殆どが男性でしたね……しかしある時、珍しく女性から指名が入りました」
イラナは懐かしむような視線を、窓の外の空に向ける。
「私の子種が欲しいと言われたのです。エルフの子なら、きっと遠く未来まで届く強い子になるだろうと。その女性は、髪は短く男装をしていましたが、服に隠して身につけた首飾りに、当時滅ぼされたと噂が流れてきた王国の、王族の印章が彫られていました。それがこの子達に繋がったのでしょう……それからしばらく後に、客で来た素晴らしく見目の良い冒険者に、己がハイエルフだと知らされ、私は彼と共に娼館という狭い世界を出たのです」
「左様か……マグダリーナ殿とアンソニー殿もエヴァの子孫……ああ、スーリヤもそうだった……エステラも……そうして今、新たに産まれる御子も。ハイエルフではなくとも、エヴァの血は受け継がれている……彼女の使命は決して徒労ではなかったのだな……」
セレンが感極まって、涙を堪える。
なんかいい話で終わりそうなところを、エステラが遮った。
「ところで、客で来た素晴らしく見目の良い冒険者って?」
エステラが、隣に座るニレルを見る。
「エステラが生まれる、ずっとずっと昔のことだよ」
「男が良かったの?」
「違うよ。噂で聞いて、ハイエルフかどうか会って確かめる為に彼を買っただけだよ。ただの手段だ」
ニレルは声を荒げる事もなく、エステラの手を取って説明する。
エステラはイラナを見た。
イラナは頷いて、ニレルの言を肯定する。
「ええ、ニレル様はただ私を迎えに来ただけです。私は長く居すぎたせいで、その頃は娼館でも特別な存在となっていましたから、顔を見るだけでも複雑な作法が必要だったのです。私の患者も、客から娼士、娼館主へと変化して行きましたし」
もちろん娼館主は、イラナが出ていく事を良しとしなかった。
そのご時世に、ありえない程碌な防具も付けていない、怪しい冒険者がイラナに会う事が出来たのは、ニレルが相当の大金を積んだことと、他の冒険者とは違う立ち居振る舞いから滲む品と威厳、なによりその美貌のせいだろう。娼館主はニレルの存在そのものに圧倒されていた。
ニレルが開け放した窓から風がたなびき、白金の長い髪を揺らす。曇った闇空の隙間から月光が差し込んで彼を照らした時、イラナも娼館主も全身痺れたように動けなくなった。
月の化身がそこに居たのだ。
イラナは己がこの世で一番美しいと思っていたが、それは世界を知らぬ無知故だったのだと思い知った。
そして気がついたら、娼館を出て、ニレルの後を歩いていた。
「その後しばらくは、ディオンヌ様の元でハイエルフとしての知識を身につけさせていただきました。私もそれからは娼士として働いたことはありません」
穏やかなイラナの表情を見て、エステラはようやく納得した顔をした。
マンドラゴラから改造された、マンドラゴンである。
何処からどう見ても、竜には見えず、マグダリーナも初見で言葉に詰まった。
名はプラと名づけられた。
ぷーと鳴くかららしい。
元はマンドラゴラだったくせに、触るとふにっとマシュマロのように柔らかく、短く細かい毛が天鵞絨のように生えている。枕にしたい触感だった。
緑がかった透明感のある葉の方も、多肉植物のようにぷっくりとした厚みがあり、アロエのように水分をたっぷり含んでいるようだ。プラは挨拶代わりに一枚切り落としてくれた。切り落とされた所からは、新しい葉があっという間に生えてきたので、マグダリーナはほっとした。
早速エステラがプラの額に女神の精石を付けると、蕪ら以外の野菜も育てるし、マンドラゴラも育てはじめた。エステラの薬草園で。
他のマンドラゴン達が、いつの間にか空いてる農耕地で蕪らや野菜を作っていることに、農夫達も大慌てしない。「エステラ師匠んとこの子か?」『ぷ!』で通常業務に戻る。
今日もショウネシーは、平和でなによりだった。
夕食までの間に、ショウネシー邸のサロンに集まって、いつものようにお茶と団欒を楽しむ。
「お父さま、お母さまは王様の恋人だったのですか? お父さまは、どうやってお母さまと結婚できたんですか?」
不意に、アンソニーが爆弾を投下した。
見事に被爆して、ダーモットはお茶を吹き出した。
ケーレブとマゴーが、なかったことにしていく。
運動がてら、イラナとショウネシー邸に来ていたシャロンが、ほほほと笑う。
「まあ、どこからそんな昔話を伺って? ……ああ、きっとオーズリー公爵ね」
流石シャロン伯母様、鋭くていらっしゃる。
固まっているダーモットの代わりに、シャロンが昔話をしてくれた。
チラリとイラナを見て。
「クレメンティーンはこの美貌でしょう? それにとても優しく気立が良かったから、セドリック様も恋してしまったのよ。でも清いお付き合いよ。二人ともまだ若かったし、クレメンティーンは慎重な子だったから、いつもセドリック様とお会いする時にはケーレブを控えさせて、二人っきりになることはなかったわ」
マグダリーナとアンソニーは、ケーレブを見た。
ケーレブは粛々と頷く。
「シャロン様のおっしゃる通りです。そしてセドリック王に……当時は王太子殿下でしたが……是非妃にと請われた時、喜びと共に強い恐れを抱かれました。ご自身のような者が、妃になってはいけないと」
シャロンはため息をついた。
「私とブロッサム様はクレメンティーンの味方でしたし、出来ればなんとかしてあげたいと浅知恵を巡らしてましたのよ。たとえばクレメンティーンをブリュー公爵家の養子にしてから王家に嫁入りさせるとか……もし実行してましたら、オーブリー家に我が家は潰されて、クレメンティーンも暗殺されましたでしょうけど」
「あー……あの人ならありうるな」
ヴェリタスの言葉に、ちゃっかりニレルと一緒にいるドミニクが何度も頷く。
「それにセドリック様はこうと決めたら実行なさる行動力がおありだし、私達はなり行きを見守るしか出来なかったわ……ところが、そこへ颯爽と伯爵が現れた」
ケーレブはダーモットの前に、新しいお茶を用意する。
「ええ、旦那様はセドリック王に、クレメンティーン様の事を諦めるよう直談判し、最終的に領地戦で勝利した方がクレメンティーン様を娶るということになりまして……」
子供達の視線がダーモットに集まり、ダーモットは居心地悪そうに咳払いした。
「え? え? お母さまがお母さまだってことは、勝ってしまったの? あの領地戦で?!」
シャロンとケーレブが、揃って頷く。
ダーモットは慌てた。
「もちろん、私一人の手柄ではないよ。ジョゼフが手伝ってくれたからね」
「伯爵、その話もっと詳しく」
ヴェリタスが身を乗り出した。
「あ……いや……」
ダーモットが困っているのを察して、大きな息子に、お茶を飲む際の優雅な立ち居振る舞いを教えていたセレンが、話の向きを変える。
「そういえば、イラナ殿はエヴァの孫のように見受けられるが、ご両親の事は覚えていらっしゃるか?」
突然話を振られて……しかもその内容に、イラナは驚く。
「私が……エヴァ様の血筋?!」
「アンタ何処でも子供作ってるんだな」
ルシンがボソリと言う。
「わ……私とエヴァはそれが使命だったのだから……」
ルシンの冷たい視線に、狼狽えたセレンだったが、ふいに悲しげな顔をする。
「私は幾たびも転生を繰り返し、エヴァと子を成した……皆ハイエルフだった。それなのに殆どの者が精霊化してしまった……」
イラナはチラリとマグダリーナを見て微笑んだ。
「気持ちはよくわかります。リーナとトニーに会った時、私は心から喜びに震えました。過去の自分の選択が間違いではなかったと。私は両親の記憶がありません。恐らく幼いうちに離れ離れになってしまったのでしょう。そういうことが、珍しくない戦乱の時代だったのです」
「ああ……」
その時代に心当たりがあるのか、セレンは目を瞑って頷く。
皆の注意は、もうイラナとセレンに向かっていた。
「私は自分が何者か知らぬまま、気づけば娼館にいて、そこで育ち、そこで生きる糧を得ていました」
イラナは自らを卑下することもなく、ごく自然にそう言った。
今のこの国では、娼館で働く事は卑賎な職業ではなく、教育も与えられる。しかし、はるか昔の戦乱の世のそこは、きっと今ほど良心的な環境ではなかったはずだ……
「私は珍しいエルフの娼士だったのです。そしてそこで短い生を生き、死んでゆく人々を見て、人の身体の仕組みに興味を持ち、お客に様々な薬を試しながら暮らしていました。不思議と怪我を負った兵士や冒険者が多く来るようになりました……あの時代の客の殆どが男性でしたね……しかしある時、珍しく女性から指名が入りました」
イラナは懐かしむような視線を、窓の外の空に向ける。
「私の子種が欲しいと言われたのです。エルフの子なら、きっと遠く未来まで届く強い子になるだろうと。その女性は、髪は短く男装をしていましたが、服に隠して身につけた首飾りに、当時滅ぼされたと噂が流れてきた王国の、王族の印章が彫られていました。それがこの子達に繋がったのでしょう……それからしばらく後に、客で来た素晴らしく見目の良い冒険者に、己がハイエルフだと知らされ、私は彼と共に娼館という狭い世界を出たのです」
「左様か……マグダリーナ殿とアンソニー殿もエヴァの子孫……ああ、スーリヤもそうだった……エステラも……そうして今、新たに産まれる御子も。ハイエルフではなくとも、エヴァの血は受け継がれている……彼女の使命は決して徒労ではなかったのだな……」
セレンが感極まって、涙を堪える。
なんかいい話で終わりそうなところを、エステラが遮った。
「ところで、客で来た素晴らしく見目の良い冒険者って?」
エステラが、隣に座るニレルを見る。
「エステラが生まれる、ずっとずっと昔のことだよ」
「男が良かったの?」
「違うよ。噂で聞いて、ハイエルフかどうか会って確かめる為に彼を買っただけだよ。ただの手段だ」
ニレルは声を荒げる事もなく、エステラの手を取って説明する。
エステラはイラナを見た。
イラナは頷いて、ニレルの言を肯定する。
「ええ、ニレル様はただ私を迎えに来ただけです。私は長く居すぎたせいで、その頃は娼館でも特別な存在となっていましたから、顔を見るだけでも複雑な作法が必要だったのです。私の患者も、客から娼士、娼館主へと変化して行きましたし」
もちろん娼館主は、イラナが出ていく事を良しとしなかった。
そのご時世に、ありえない程碌な防具も付けていない、怪しい冒険者がイラナに会う事が出来たのは、ニレルが相当の大金を積んだことと、他の冒険者とは違う立ち居振る舞いから滲む品と威厳、なによりその美貌のせいだろう。娼館主はニレルの存在そのものに圧倒されていた。
ニレルが開け放した窓から風がたなびき、白金の長い髪を揺らす。曇った闇空の隙間から月光が差し込んで彼を照らした時、イラナも娼館主も全身痺れたように動けなくなった。
月の化身がそこに居たのだ。
イラナは己がこの世で一番美しいと思っていたが、それは世界を知らぬ無知故だったのだと思い知った。
そして気がついたら、娼館を出て、ニレルの後を歩いていた。
「その後しばらくは、ディオンヌ様の元でハイエルフとしての知識を身につけさせていただきました。私もそれからは娼士として働いたことはありません」
穏やかなイラナの表情を見て、エステラはようやく納得した顔をした。
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