うちのダンナはぽっちゃり男子

つづれ しういち

文字の大きさ
上 下
234 / 267

240 アブないセクシーポーズとはなんぞや

しおりを挟む

 はいこんにちは。
 ええと、またもや風呂の話ですんません。
 でも今回はちょっと毛色がちゃうから許してくだされ~。
 ちょいとシリアス路線やけど、まあそんな心配はいりませんので!

 このところ、けっこう糖尿病の数値が安定してきていたダンナ。
 とはいえ毎晩、例の「ぷっすり」お注射はやっとります。

 さてさて。
 その日もまた例によって、ダンナがいそいそとお風呂の準備をして先に入っておりました。いつものようにあとを追いかける形で私も入ったところ、なんやダンナがえらいセクシーポーズになっとる。いつも以上のノーサツポーズに!
 ちょっと解説しますと、片足を風呂桶の上にあげて、両肘も縁にあげて、ちょっと全体にS字に見えるフォルムに……。

「おおっ」
 わたくし大喜び。いつものようにツッコミにかかる。
「なに、またそんなノーサツポーズしてえ!」

 ところが、どうもダンナの様子がおかしい。
 返事ができへんし、「いやいや」みたいに手を振るだけで反応が鈍い。

(あっ。こらアカンやつか!)

 一気にマジメモードになるわたくし。

「え? どないしたん? 気分わるい?」

 力なくうなずくダンナ。あまりものが言えんらしい。
 どうやら湯舟に浸かったら急に気分が悪くなり、視界が真っ暗になったとのこと。とはいえそれはあとで聞いた話ですけども。
 ちょっと触ってみたら、胸の鼓動がめちゃくちゃ速くなっとった。
 こらヤバい。

 すぐに手を貸して、ゆっくりとダンナが湯舟から出るのを手伝いました。ダンナ、ふらふらしてはいましたが、なんとか手すりなどをもって風呂場の外へ出ました。
 そのへんに手をついといてもらって体を拭き、ある程度ふいたところでゆっくりパンツなど穿かせてあげて、「ちょっと横になるわ」というのでそこで今度は部屋着のズボンやTシャツなども着せ、水を飲ませるなどして様子見。
 あらためて手首の脈を測ってみたら、やっぱりかなり早い。
 看護のプロやないけど、たぶん1分に150ぐらいにはなっとった。

 しばらくしたら、ようやく「はあ、だいぶ楽になった……」と言うたのでひと安心しました。
 要するに、ものすんごい低血糖になってたらしい。二の腕のとこにいつもつけとる計測器で測った数値が20になっとった。びっくりや。

 ともあれその夜はそのまま様子を見ながら寝て、翌朝になったらもうダンナは平気な顔をしておりました。
 はあ、ほんまびっくりした。
 「わたしのためにまた風呂場でセクシーポーズを!」とか思ってゴメンナサイ。これはだれより本人にちゃんと謝りましたけども。いやもう本能やから許して(いやそういうことではなく!)。
 
 翌朝になって、「主治医のセンセにLI〇Eでご報告しとくように!」と私がウルサク言うので、ダンナしぶしぶL〇NE。
 たまたまやけど、この日は診療所がお休みやったんですよね。
 センセからお返事があり、とりあえず週末に診察を受けることになりましたが、ひとまずいつもの「ぷっすり」のお薬の単位をさげて様子をみることになりました~。
 ようわからんけど、単位を「ドーズ」っていうんですね、あれ、
 それが9から8になった。ようわからんけど。「ふーん」て感じ。

 あ、そうそう。
 翌日になってダンナに手を両手で握られて
「〇ちゃん、ありがとね」
 って言われたことは付け加えておこう。

 やっぱり普段から一緒にお風呂に入っといてよかったやん!
 うはははは。
 まあ、ある程度お年を召したかたは一人で入浴させんほうがええのは確かやけどもね。
 ダンナの場合は単純に寂しがり屋さんかやら一緒に入っとっただけやけどもー。
 いやいや、ほんまそうしといて正解でしたわ。
 みなさんも、どうぞお気をつけてくださいましね。

 ではでは~!
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

運営に【通報】したけどスルーされてしまった件

蒼 飛雲
エッセイ・ノンフィクション
運営に不正を「通報」すれども、しかしそれを取り合ってもらえない底辺作者の悲哀と歯ぎしり。 このままだと、ほんとヤバいんだけど。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...