うちのダンナはぽっちゃり男子

つづれ しういち

文字の大きさ
上 下
178 / 267

182 緑の○○星人とはなんぞや

しおりを挟む

 こんにちは。
 いやあ、なんや急に寒うなりましたね。もうあとちょっとで今年も終わりっちゅうタイミングになって参りましたし。いろいろ焦るわあ。
 そうや、年賀状や! まだなんもやっとらへーん!

 さてさて。
 これまで我が家では、あんまりお風呂に入浴剤を入れるっちゅうことがなかったんですが。あ、たま~に柚子とか、柑橘類の皮を入れることはあったんですけどね。あったまってええですよね、あれ。
 ほんで。
 先日ダンナがいつものように先にお風呂に入っていたところ、遅れて入っていくと、なんやお湯が緑色になっとった。

「ん? なに? 入浴剤いれたん?」
「うん」
「へ~珍しい」

 うれしそうに緑のお湯に沈んでいるダンナ。
 白いお肌が緑のお湯でほんわか緑色に染まって見える。
 私もそろそろ~っと隣に入ります。なるほど、いつもよりもお湯が熱い気がするな。
 実はわたくし、実家ではこういうものをお湯に入れるんがキライな人間がおったもんで、あんまり入れた経験がないのです。

「どうしたん」ときかれて、「いやべつに」と答える私。
 なんや熱いので、湯舟にじわじわ~っとしか入られへんのです、実は。
 入浴剤どうこう関係なくても、冬場はこういうことが多いんですわな。
 いつものことなんでダンナ、面白がって私の両肩をがしっと上からつかんで湯舟に押しこもうとする。

「ふぎゃあ! やめんかーい!」
 ぐぐぐ、と手に力がこもる。
「入りなさい。肩までつかりなさい」
「つかる、つかるやーん! 自分のタイミングでじわじわやっとんねんからほっといてー!」

 これもいつもの私の叫び。
 あんまりいつもいつもやるもんで、最近は押し込もうとすると同時にダンナのち○びをきゅっと両手でつまんで、押さえてくるのに合わせてぎゅーっとひっぱるようにしています。

「はううっ」

 と、自分の胸をバッテンで抱きしめて湯舟に沈んでしまうダンナ。
 そうなることがわかっとんのに、なぜやめんのか。まったくもう。

「なーんや、そうやってると緑色の人みたいやな~。ほらおったやん、ドラゴン○ールの緑の人。ピッコ○さんとか」
「ああ、うんうん」
「あ、でもアナタはピッ○ロさんやないな。ほら、もっと小さくてぽっちゃりした人がおったやん」
「あー、あー。おったねえ」
「ちっさい少年の人やなくて、もうちょっと大きい……」
「うんうん。名前なんやっけ」

 まああのマンガに出てくるナメック星人はみんな緑色やけどね。
 お風呂からあがって調べてみたら、うっすら記憶してたんと違うてダンナよりずっと目つきの鋭いキャラクターやったみたい。

「ああ、ちょっと違うかな~これは。ダンナはもっと可愛い系やし」
「うふふ」

 隣にいたダンナがによによしている。まあいつものことや。
 そしてもちろんというかなんというか、緑色であろうがなんであろうが、お風呂に入ったとたんに私がダンナをモミモミしてたのはいつものことでした~。
 ちゃんちゃん。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

運営に【通報】したけどスルーされてしまった件

蒼 飛雲
エッセイ・ノンフィクション
運営に不正を「通報」すれども、しかしそれを取り合ってもらえない底辺作者の悲哀と歯ぎしり。 このままだと、ほんとヤバいんだけど。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

処理中です...