うちのダンナはぽっちゃり男子

つづれ しういち

文字の大きさ
上 下
163 / 267

167 聞いてへんもんとはなんぞや

しおりを挟む

 こんにちは。またまたやって参りました。
 このところ、小説がはじめられんもんでずっとエッセイ祭りをかましておりますが、ついてきてくださってる方、果たしてどのぐらいおられるんやろ……(苦笑)。
 ともあれ、いつもありがとうございますっ!
 よかったら今回もお付き合いくださいまし。

 さてさて。
 夏休みなのは私とムスメだけで、ダンナは平日、いつもどおりにリモートワークでお仕事です。

「あ~。そろそろ薬がうなるなあ」
「あ。そやねえ。一緒にいく?」

 てなわけで、土曜日にふたりで出かけることになりました。
 おもな目的は皮膚科へいくこと。
 だいぶ前にお伝えしたとおり、ダンナはずっと前に虫に食われた痕がひどくなって、その後ずっと皮膚科に通っています。とはいえ、お薬をもらうときだけなんで二か月に一回ぐらい。
 対する私もお薬だけで、たぶん昔の日焼けによる顔のシミのための飲み薬を処方してもらっております。これは三か月に一回ぐらい。ちょっとずつちょっとずつよくなってるような気が……するようなしないような(どっちやねん)。
 ダンナは少しずつよくなっている模様。

 夏休みなのをええことに、ムスメはすっかり夜型になってもーて、午前中はどうせぐーすか寝ている。というわけで、その日は夫婦二人だけで出かけました。
 いつもどおりに診察と薬の処方をしてもらって、そのまま近くのデパートに向かいます。

 まずは本屋さん。目的だった「ゴールデン〇ムイ」の最終巻をゲットしたあと、服屋さんにも入って、ちょっとウロウロ。
 すると、えらい可愛いTシャツをみつけました。
 ほら、ご存知のかたもあると思うんですが、アメリカ子供向け番組「セサミ・ストリート」にでてくるパペットのひとつ「カーミット」。その写真入りのシャツ。
 これがえらい可愛い。

「ぜったいダンナに似合う!」と決めつける私(笑)。
 そのまま買って帰りました。
 帰ってシャワーを浴び、さっそく着るダンナ。

「かーみっちょ!(私はカーミットをこう呼ぶ)かわいいかーみっちょを着た〇さん可愛い、可愛さマックス!」
「えへっ」

 さっそく褒め殺したらめっちゃ嬉しそうなダンナ(笑)。
 ところでわたくし、この夏は毎年の検査になっている胃カメラを一泊二日で入院して受けることがだいぶ前から決まっておりまして。
 今日、日曜日はまたもやふたりでぶらぶら近くのスーパーに買い物に出たんですが、いつものようにダンナにきかれた。

「晩ご飯どないしょ~」
「ん~。まぐろ丼」
「あしたの晩御飯と、あさっての晩御飯は?」
「え? あしたはともかく明後日は知らんで。おらんもん、私」
「えっ」

 ダンナ、びっくりする。

「なんでそないびっくりすんの。言うたやん!」
「いや、聞いてへんって」
「いや言うた。去年いうた」
「去年って。そうやった? おぼえてない……」

 いや、まあね。一年に一回の検査やし、いつもは春にやるやつを夏にしたしで、いろいろと変わってるけども。
 ダンナわざとらしく鼻をぐすぐすして泣きまねする。
 いややめて。ここはスーパーの中です。
 いくら人が少ない言うても冗談にならん。
 まあ、鼻をすすりあげてるマネしとるだけやから、だれも気付かんけど(笑)。

「いやや、さびしいもん」
「ハイハイ。って、前に私が骨折したときは一週間そうやったやん。あのときはどうしてん。もうめっちゃめちゃさびしかったんとちゃうん」
「うん。めちゃめちゃさびしかったよ!」
「……ハイハイ」

 もう打つ手なしやな。
 しょーがないので、買ったものをお互い持って、手をつないで帰りましたとさ。
 ちゃんちゃん。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

処理中です...