うちのダンナはぽっちゃり男子

つづれ しういち

文字の大きさ
上 下
19 / 267

19 ガラスのハートとはなんぞや

しおりを挟む


 ええい、喉が痛い。
 せっかくの休日だというのに、体調が悪いとめっちゃ損してる気になりませんか? みなさん。
 いや、そんでも小説は書くけどもね。
 おもに、いけないやつを中心に。

 今回は、子供がまず風邪をひき、それをダンナがよりグレードアップして引き継いで、さらにこちらへ飛び火したような感じですねえ。
 子供も私もさほどの症状ではないのですが、ダンナだけはえらい鼻水と咳でもう、夜中もごほごほ、大変でした。呼吸困難になりかかるレベル。
 んで、昨日は土曜で仕事もなかったので、早速「病院へけ!」てシベリア送りするみたいにしてダンナを玄関からたたき出したヨメでございます。
 だって、うつされたらかなわんですやん。こっちももう、仕事あるし。

 でも、例によって寂しがりやのダンナ。
 体調を崩すと、人間心細くなりやすいのは分かりますが、まあそれに輪をかけて「寂しがりやレベル」が上がる。
 わたしたちは夫婦でひとつの大きめのベッドに寝ていますが、夜中そんなんでこちらも眠れず、寝不足なもんで昼寝しようとベッドに入ったら、もうイソイソと100パーセント隣にもぐりこんで来よる。
 いや、だからキミが隣に来たら意味ないねんて。
 これでうつされんようにするんは至難の業ですやん!
 なにすんねんなもう!

 もうあんまりプチンと来たので、とにかく子供みたいに医者ぎらいなダンナに「医者に行きなさい!」と、もはやお母ちゃんかのようにしていい含め、朝からかかりつけのお医者さんへ行かせたのですが。
 いやもう、玄関から出てゆく背中が、しょぼ~んとして、まるっきり「叱られ坊主」のよう。なで肩の肩をさらに落として、めっちゃとぼとぼ歩いて行くし。
 私にはリアルに、しおたれたウサギの耳が見えましたね。
 なんやねんそれ。
 私がなんや、悪いことしたみたいやん! まったくもう!

 アナタが嫌いなんやのうて、私は風邪がキライなの!

 案の定、今朝から喉が痛くていらついておる私。
 それでもさっき、「○さん、大好きだよ!」と言ったら、ほんまマンガみたいに「ぱああ!」と顔が明るくなった。
 ダンナのほうは、昨日医者でもらった薬を飲んで一日のんびりしてたらだいぶ回復したのです。
 それでもすかさず、「でも風邪はキライ!」と叫んでそっぽを向いてやったら、床に倒れ伏してうずくまってしまいました(笑)。
 「ガラスのハート」も大概にせえ。

 「ガラスのハート」で思い出しましたが、そんなこんなで時々私がきっつい言葉を言い放つと、ダンナはわが胸を交差させた手でおさえて、ちょっと小首をかしげ、「フランシスコ・ザビエル」になりはります。

 ほら、ありますでしょ? 歴史の教科書とかに。
 こう、胸の前で手を交差して首をかしげたザビエルさんの絵が。
 あれをぽっちゃりに描き直してしょぼくれさせると、うちのダンナの「ハートを打ち砕かれました」描写は完成です。

 いやほんま、時に「ぱりーん」て音が聞こえるようなときがあります。
 いや、そうしてんのは私やけども!

「もう、●さん! いま、ぱりーんて言うたから! がぱりーんて」

 わが胸をおさえ、ふるふる震えて訴えるダンナを後目しりめに、「ええい、やかましいわ!」と拳を振り回す、凶暴なヨメなのでした。
 特に、小説書いてるときは危険物。近づくの禁止。さらに体調不良まで重なったらもうアカン。
 いや~、今日はより、凶暴になる予感。
 喉いたはいやですねえ。

 みなさんもどうぞ、ご体調にはお気をつけてお過ごしください。




しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

楽に生きてる

シュ
エッセイ・ノンフィクション
日記

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

処理中です...