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24「あなたがいてこそ」
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はいこんにちはー。
今回はまたもやS・S・ラージャマウリ監督の過去作品「あなたがいてこそ」のご紹介です。
2010年、インド、テルグ語作品。アクション・マサラムービー。
JYAIHOの解説によれば、こちらはバスター・キートン監督による「荒武者キートン」という作品の大胆なリメイク作品なのだそうです。
主役のお二人、スニールさんとサローニさんは、後の「マガディーラ 勇者転生」にもご出演。
ではネタバレ注意しつつストーリーをちらっと。
冒頭は、すでにご紹介した「アラヴィンダとヴィーラ」と同じく、インドはアーンドラ・プラデーシュ州の部族間抗争から始まります。
長年血で血を洗う殺戮とその復讐により泥沼と化していたラーヤラシーマ地方の村で、とある殺戮劇がおこります。
残された両家の家族は相手に対する子々孫々までの復讐を誓う! ですがただひとり、その時赤ん坊だったラームの母親は終わりのない復讐劇にすっかり嫌気がさして、ラームを連れて都会のハイダラバードへ引っ越してしまいます。
それから28年。
ラームは母を亡くし、天涯孤独の身になりながらも、ものすんごいポンコツ自転車に乗って配送の仕事をする貧乏青年になっていました。
このポンコツ自転車がなぜか人格を持っていて、めっちゃおしゃべりで明るい性格。
ある日、職を失って色々な支払いが滞り、困ってしまったラームのところに、田舎の土地を相続できるという報せが届きます。親戚が亡くなって、その第一相続人に指定されていたらしく。
「この土地をもらって売れば15万ルピーにはなるぞ!」
お金に困っているラームはそう考え、すぐにこれに飛びつく。
遠いラーヤラシーマに帰るにあたり、例のポンコツ自転車をやむなく業者に引き渡し、ひとり長距離列車に乗ることに。
そこで出会ったのが、絵を描くことが大好きな美しい女性アルパナでした。
ところがこの女性が実は、あの父を殺した一族の長、ラミニドゥの娘だった……!
ふたりはそんなこととはつゆ知らずに互いに淡い好意を抱きつつも別れることに。ところがそのときアルパナがうっかりスケッチブックを落として行ったことから、ラームがそれを届けようと彼女の村に行くことになって……。
その過程で、彼女の怖い兄たちのひとりと仲良くなって道案内までしてもらい、遂に彼女の家に招待されることになるのでした。
お互い相手の正体を知らずにラームを歓待する父ラミニドゥでしたが、やがて正体がばれるに及んで、ラームは必死に自分の命を守ろうと奮闘することに……。
じつはラミニドゥは伝統的に我が家に招いた客は無下に扱わない(殺すなんてもっての他)という信条の持ち主。ゆえにあの手この手でラームを家のそとに誘導しようとします。
象徴的なのがインド式家屋の入り口にある敷居。これをまたいだ客がその瞬間に惨殺されるというシーンが、やはり冒頭にあるのでした(こわっっ!)。
ラームはなんだかんだ理由をつけて家から出まいと奮闘し、ラミニドゥとその息子たち、子分たちは必死でラームを家から出そう、そして殺そうと手ぐすねひいて待っている。
この辺り、殺伐としているのにどこかユーモラスでコメディ調でもあって、前半特に楽しく観られます。
ちなみにこの関係をかなり長いことお嬢さんは知らされないまま、不審な動きをするラームを疑うてもーたり困惑したり。
実は今回、すでにご紹介したタラクさんの「ヤマドンガ」ももう一度見直したりしていたわたくし。あの作品でも感じたことですが、マウリ監督の作品を観ていると、往年の香港映画全盛期を彷彿とさせられます。
どこかユーモラスで楽しくてテンポよく、みんな早口であることないこと言いまくったりという攻(口?)撃が応酬されつつ、怒涛のように話が進んでいく。そして全体にエネルギッシュ。歌と躍りはもちろんお約束です! 特に恋愛模様は歌と躍りで表現されることが多い気がするー。
こんな感じで、「あなたがいてこそ」は特に監督の若きエネルギーが爆発しているなあと感じました。
ラストはやっぱりうるっと来ますよ!
機会がありましたら、こちらもぜひご覧になってみて下さいませ。
ドスティ!
今回はまたもやS・S・ラージャマウリ監督の過去作品「あなたがいてこそ」のご紹介です。
2010年、インド、テルグ語作品。アクション・マサラムービー。
JYAIHOの解説によれば、こちらはバスター・キートン監督による「荒武者キートン」という作品の大胆なリメイク作品なのだそうです。
主役のお二人、スニールさんとサローニさんは、後の「マガディーラ 勇者転生」にもご出演。
ではネタバレ注意しつつストーリーをちらっと。
冒頭は、すでにご紹介した「アラヴィンダとヴィーラ」と同じく、インドはアーンドラ・プラデーシュ州の部族間抗争から始まります。
長年血で血を洗う殺戮とその復讐により泥沼と化していたラーヤラシーマ地方の村で、とある殺戮劇がおこります。
残された両家の家族は相手に対する子々孫々までの復讐を誓う! ですがただひとり、その時赤ん坊だったラームの母親は終わりのない復讐劇にすっかり嫌気がさして、ラームを連れて都会のハイダラバードへ引っ越してしまいます。
それから28年。
ラームは母を亡くし、天涯孤独の身になりながらも、ものすんごいポンコツ自転車に乗って配送の仕事をする貧乏青年になっていました。
このポンコツ自転車がなぜか人格を持っていて、めっちゃおしゃべりで明るい性格。
ある日、職を失って色々な支払いが滞り、困ってしまったラームのところに、田舎の土地を相続できるという報せが届きます。親戚が亡くなって、その第一相続人に指定されていたらしく。
「この土地をもらって売れば15万ルピーにはなるぞ!」
お金に困っているラームはそう考え、すぐにこれに飛びつく。
遠いラーヤラシーマに帰るにあたり、例のポンコツ自転車をやむなく業者に引き渡し、ひとり長距離列車に乗ることに。
そこで出会ったのが、絵を描くことが大好きな美しい女性アルパナでした。
ところがこの女性が実は、あの父を殺した一族の長、ラミニドゥの娘だった……!
ふたりはそんなこととはつゆ知らずに互いに淡い好意を抱きつつも別れることに。ところがそのときアルパナがうっかりスケッチブックを落として行ったことから、ラームがそれを届けようと彼女の村に行くことになって……。
その過程で、彼女の怖い兄たちのひとりと仲良くなって道案内までしてもらい、遂に彼女の家に招待されることになるのでした。
お互い相手の正体を知らずにラームを歓待する父ラミニドゥでしたが、やがて正体がばれるに及んで、ラームは必死に自分の命を守ろうと奮闘することに……。
じつはラミニドゥは伝統的に我が家に招いた客は無下に扱わない(殺すなんてもっての他)という信条の持ち主。ゆえにあの手この手でラームを家のそとに誘導しようとします。
象徴的なのがインド式家屋の入り口にある敷居。これをまたいだ客がその瞬間に惨殺されるというシーンが、やはり冒頭にあるのでした(こわっっ!)。
ラームはなんだかんだ理由をつけて家から出まいと奮闘し、ラミニドゥとその息子たち、子分たちは必死でラームを家から出そう、そして殺そうと手ぐすねひいて待っている。
この辺り、殺伐としているのにどこかユーモラスでコメディ調でもあって、前半特に楽しく観られます。
ちなみにこの関係をかなり長いことお嬢さんは知らされないまま、不審な動きをするラームを疑うてもーたり困惑したり。
実は今回、すでにご紹介したタラクさんの「ヤマドンガ」ももう一度見直したりしていたわたくし。あの作品でも感じたことですが、マウリ監督の作品を観ていると、往年の香港映画全盛期を彷彿とさせられます。
どこかユーモラスで楽しくてテンポよく、みんな早口であることないこと言いまくったりという攻(口?)撃が応酬されつつ、怒涛のように話が進んでいく。そして全体にエネルギッシュ。歌と躍りはもちろんお約束です! 特に恋愛模様は歌と躍りで表現されることが多い気がするー。
こんな感じで、「あなたがいてこそ」は特に監督の若きエネルギーが爆発しているなあと感じました。
ラストはやっぱりうるっと来ますよ!
機会がありましたら、こちらもぜひご覧になってみて下さいませ。
ドスティ!
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