金槐の君へ

つづれ しういち

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終章

あとがきと参考資料

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「あとがきなんて蛇足だ」とおっしゃる向きが少なくないことは重々存じ上げているのですが、今回もまたやってまいりました。つづれしういちです。
 ということでなるべく短く参りたいと思います。よろしかったらお付き合いください。

 いやようやく終わりました……。
 文字数や話数のわりに、今回は思っていた以上に執筆に時間がかかってしまいました。
 思えば某国営放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」からいきなり患った「泰時×実朝さまBL書きたい!」病(いつもの病ですね、すみません・苦笑)。
 「書きたい」と思ってから書き始めるまでに、その時点でほか作品の連載をしていたこともあってかなり日数を要してしまったわけですが、どうにかこうしてこちらで発表することができ、あまつさえ完結までできたことは幸甚でした。

 各話の最後に源左大臣実朝さまによる「金槐和歌集」から一首ずつご紹介する、というスタイルは、書き始めたときに急に思いついたことだったのですが、これが意外に難航しました。ぱっと決まるときもあれば、悩むことも多く。
 なにより困ったのが「季節」。実際の小説の中の季節とは齟齬が生じている部分が多々あるのですが、どうかそこは広いお心でお許しいただきたく……。季節よりも歌の中にこめられた「気持ち」の方を優先した結果でございます。
 手元の「金槐和歌集」の方にはもちろんそれぞれの歌に現代語訳もついているのですが、そこまでご紹介してしまうと著作権的に問題があるかな……と思い、迷ったのですがそちらは出版されている本の方をご覧いただければと思います。

 今回は、いつもなら相当粗雑な(!)私にしては色々な文献にあたってみたり、実際に鎌倉までいきなり強行軍でのひとり取材旅行に出かけてしまったりと、執筆にあたっていろんなファクターが付加された作品となりました。そのぶん、作品が少しでもよいものになっていることを願うばかりです。
 なお鎌倉旅行に関しては、拙作エッセイ「いざ、鎌倉! ~つづれののんびり鎌倉たび日記~」に詳しいです。よろしかったらそちらをご覧くださいませ。

 以下にはおもな参考資料をあげておきますが、当然ながら本作の責任はすべてわたくし、つづれしういちにございます。
 北条泰時さま、源実朝さまが「そういう」関係に……というのは完全に私の妄想によるフィクションですので、そこはどうかお間違いなきようにお願いいたします。

 この物語が、読者のみなさまにとって少しでも人生を楽しく過ごす助けになりましたら幸いです。
 ここまでお読みくださり、また執筆中もSNSや感想欄など様々な形で応援してくださったすべての皆様に心より感謝いたします。
 まことにありがとうございました。

 それでは、いつかまた、どこかで。


                         令和6年2月11日
                         つづれ しういち


【参考資料】※( )内は初版年です。

「新潮日本古典集成 金槐和歌集」樋口芳麻呂・校注 / 新潮社(平成28年)
「コレクション日本歌人選051 源実朝」三木麻子・著 / 和歌文学会・監修 / 笠間書院(2012)
「ビギナーズ・クラシックス日本の古典 吾妻鏡」西田友広・偏 / KADOKAWA(2021)
「右大臣実朝」太宰治・著 / 岩波書店(2022)
「マンガ日本の古典 吾妻鏡」上・中・下巻 竹宮恵子・著 / 中央公論社(1994)
「日本古典文学大系29 山家集 金槐和歌集」風巻景次郎・小島吉雄・校注 / 岩波書店(昭和36年)
「私たちの日本古典文学8 西行・定家・実朝」佐佐木信綱・西尾 実・久松潜一・監修 / さ・え・ら書房(昭和42年)
「私たちの日本古典文学17 古今和歌集・新古今和歌集」佐佐木信綱・西尾 実・久松潜一・監修 / さ・え・ら書房(昭和42年)
「ジュニア版古典文学9 西行・実朝・良寛和歌集」栗山正好・編 / ポプラ社(昭和51年)
「短歌をつくろう」栗木京子・著 / 岩波書店(2010)
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