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弐話、「真実は時に残酷なものである」
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あれから4日が経っても美琴は一度もあの場所に来ることもなかった。
その次の日。
俺と美琴はプレゼンの最終確認をした。
「じゃあ、後は私がやっておくから発表はカイリに任せるわよ」
「....わかりました。」
プレゼンが終われば美琴との今の関係も終わり、元の生活に戻る。
あれだけ1人が好きだったのにこの関係が終わることについて何処か引っ掛かりを覚えていた。
結果的にプレゼンは順調に終わった。
「美琴さん今までありがとうございました。」
「うん。お疲れ様、それじゃあ」
と言って教室を出ようとした。
美琴さんが出ていくのを見送る。
終わってしまう...まだ終わらせたくない...俺は言った。
「あの...ま、またいつでもあの場所来てもいいですよ。」すると、
「考えとく」と言って僅かだがニッと笑った。
美琴の笑顔をその時初めて見て、俺は惜しいなぁと思った。
笑えばあんなに可愛い顔をしているのに何でいつもあの笑顔を使って皆んなの輪に入ろうとしないのか。
土日を開け月曜日に俺は1人「庭園」に向かった。
すると、石組の上に立ち、池の鯉を眺めている美琴がいた。
俺がベンチに腰を下ろすと美琴が気づいたみたいだった。
そして、池に視線を向けたまま、「やっと来た。遅い」と言った。
「来てたのか、知りませんでした。」
「白々しいわよ。2つパン買ってるくせに」
俺はすっと顔を上げこう言った。
「いや、二つとも俺のです。」
たが、美琴は「うるさい、1つは私の」と言いながら袋をあさりチョコパンを取り出した。袋から取り出すと、パンに掛かったチョコをポロポロと溢しながら、やはり幸せそうに「アムアム」食べていた。
「あの...」
「ん?」
「.......いや、パン好きなんですか?」
「好き。」
「そうですか」
「うん。」
「あの、さ、以前私に会ったことがあるかもって話をしてきたのってどういう意味?」
「いや、どう言う意味も何も美琴さんと以前にあったことあるかもって思っただけです。ないならないで別に構わないんですけどね...」
美琴は突然パンを食べるの手を止めた。
「それで、なんか思い出したわけ?」
「いや、やっぱり俺の勘違いだったみたいです。」
「そう、期待外れ、あの頃は...き...たのにな」
ボソッと言ったので俺は聞き取ることができなかった。
「今なんて言ったんですか?」
「なんでもない。」
明らかに数分前と比べて美琴の表情が暗くなったのがわかった。
それから特に話すこともなく昼食を終えた。
「それじゃあ....私帰る」
「はい、気をつけて」
美琴はスタスタと歩いて行った。
「こんなんじゃきっと次は美琴さん来ないだろうな。」と考えていた。
次の日。
俺は相変わらずパンを2つ買い庭園に向かった。
俺は美琴さんに会えることを心のどこかで楽しみにしていたが、案の定そこには誰もいなかった。
暫く待ってみたが美琴さんは来る事はなかったので、俺は仕方なくパンを開け1人モソモソと食べ始めた。
「俺は何か気に触れる事でもしたのだろうか」俺は考えていた。
やはり彼女には会ったことはないと言われたが、俺の心の中の蟠りは綺麗に抜けきれていなかった。
なぜ、俺の名前を知っているのか、それに授業中だけの関係だけならまだしも、何故授業外でも、俺に話しかけてきたのか....
「わかんねぇなぁ....」
考えれば考えるほど、頭の中がごちゃごちゃになるので諦めて、本を読みはじめた。
そのときたまたま俺が読んでいた本は「虐め」について書かれた本だった。
本を読んでいて、俺はまるで過去を振り返っているような気分がして、正直胸糞悪かった。
きっと俺の中でトラウマになっているんだろう、顔がうざい、生意気だ、など理不尽な難癖をつけられ殴る蹴るを繰り返される。
金銭を要求してくる事だって頻繁にあった。
でも......どこか過去を振り返っても、いじめに関しては死ぬほど辛かった、と言うわけではないようにと思えてくる。
確かに辛かったと言えば辛かったが、誰かが俺の隣にいつもいてくれたおかげで俺の精神はギリギリ平静を保つことができていた。
確かその人は.....初恋の相手だった。
小学生の時、虐められて泣いている俺をいつも彼女は慰めてくれた。
虐めっ子達に、かなうはずもないのに、いつも俺の味方をしてくれていた。彼女は、とても頼りになって、カッコ良くって俺は大好きだった。
俺の中で本当に辛かったのは彼女が親の仕事の都合で中学校に上がる前に転校してしまったことだ。
いや、違う。
彼女が転向する事自体は俺としても辛いことではあったが、俺が何よりも辛かったのはその事を俺に最後まで黙っていた事だ。
人間最後に見せる姿が本性だと言う。
そう考えると、俺の事を人一倍考えていてくれていた彼女だったが、結局は彼女の中で俺はその程度の人間だったのだろうか...
そんな彼女とも結局は特に最後、お別れの挨拶をすることもなく離れ離れになっましまった。
俺は一瞬まさか....と思ったが、彼女の名前は確か.....美琴ではなく...美麗(ミレイ)だった。それに、俺より学年が一つ上であったはずだ、いや、それに関しては一年浪人した可能性も考えられるか.....取り敢えず、俺は直接確認してみることにした。
次の日。
授業はなかったが俺は彼女に会うべく1限目の時間帯からキャンパスをうろうろしていると、間もなく1人外のベンチで本を読んでる美琴を見つけた。
俺は走って彼女のところへ行き、
「俺は!!美琴さん!....あの....」
上がる息を必死に押さえながら言った。
「あの、「てにおは」って知ってる?私まで馬鹿だと思われるからそんな話し方で話しかけてこないでくれるかしら?」
彼女は突然登場した俺に少し驚いた顔をしていたがまたいつもの無愛想な顔つきになっていた。
「すみません....あの、聞きたいことがいくつかあって....」
「なに、手短にね」
「違ったら悪いんですけど、もしかして美麗ですか?」と言うと彼女は下唇をギュッと噛んだ
「......違う」
「ですよね....勘違い...」
「もう、違う。」
と言う声は少し震えていた。
「どういう事ですか?」
「貴方のせい、全部貴方のせいよ。あの時、貴方は苦慮している私の事を気にも止めてくれなかった。」
「...え?どうしたんですか?...」
「あの時、私が本当に親の仕事関係で転校したと思ってるの?」
「え.....」
「いいわよ、この際本当のことを話してあげるわ。
貴方、私の親のことよく風格や気品があるって言ってたわよね?そんなのは面ズラだけ。私の父親は賭け事ばかりしていて、ずっと借金に埋れていたのよ、最終的には闇金にまで手を出すようになったわ。
貴方は知らなかったと思うけど私の父と母が事故で亡くなっているのよ。
それからは私に全部父の借金が降りかかって来たの、それで私は体を売るしか選択肢がなくて....清身の頃の私の名前を捨ててまで、ずっと一人ぼっちで貴方が来てくれるのを待っていたのに.....」彼女は泣いていた。
俺は絶句した。そうだ、確かに当時の彼女はやたら俺に好意を見せて来ていた。
きっと不器用な彼女なりの助けて欲しい合図だったんだろう。
「....美麗...でも美麗なら...」
「やめて!そんなのはいらない!貴方言ったわよね!いつでも俺が助けになるって!なんで...なんで来てくれなかったの...私はずっと助けて欲しかったのに!貴方ならきっと分かってくれている思っていたのに....」
そうだった、本当に辛いときにはそんな下らない励ましの言葉はいらない。欲しいのは共感し、相手を受け止め認める言葉だ。
実際、昔俺が美麗にされて本当に救われた。
「本当に助けにいけなくてごめんなさい、辛かったですね美麗......」
「やめて....もう良いよ……」
と言って下を向いた。
俺は続けた。
「大変でしたね...でも、もう俺が居るから大丈夫です。これからは2度と美麗を1人にさせません。」
と言い泣いている彼女を抱き寄せ頭を撫でた。
「遅いのよ...いつも貴方は..馬鹿。」
「ずっと俺を待っててくれてありがとうございます。」
「カイリ.....」
暫くし、落ち着いて来たところで彼女は口を開いた。
「きっと....私たちの間の消味期限は3年じゃないわよね」
「はい、きっとそんなに短い訳ありません。」
「小6の時の夏祭りの帰りに交わした約束覚えている?」
「もちろんです」
「私たちがこうやって出会えて惹かれあったのは必然。」
「だから、次にあった時に余り物だったら........余り物同士一緒になりませんか?」
「実は私、余り物。」
「それは俺もです。」
と言うと美麗は少し笑った。
しばらく俺たちの間に沈黙が流れた。
「あの……さ、よ、良かったら、こうやってお互いまた出会えた事だし、これからも……いや…つまりは…」
緊張しすぎて支離滅裂だった。
「つまりは?」と心配そうにこちらを見た。
俺は一度深く深呼吸し、美麗の目を真直ぐ見据えて言った。
「俺と一緒になってくれませんか?」
と言うと俺は直ぐに美麗から目を逸らした。俺は人生初の告白に緊張しとてもじゃ無いけど告白した相手に目を合わせているなんてできなかった。
「ちゃんと言ってくれたわね、うれしい、ありがとう、でも今ここで答えを出すのは早計だと思うの」
「え……」
「もう一度あの頃みたいに私を振り向かせてみてよ。きっと貴方なら出来るから」
多分、いろんなことがあったからか美麗は直ぐに答えを出したくなかったのだろうと俺はこの言葉を解釈した。
俺は顔を上げ言った。
「望むところです」
「期待しているよ」と言って美麗はにっこりとした。
その次の日。
俺と美琴はプレゼンの最終確認をした。
「じゃあ、後は私がやっておくから発表はカイリに任せるわよ」
「....わかりました。」
プレゼンが終われば美琴との今の関係も終わり、元の生活に戻る。
あれだけ1人が好きだったのにこの関係が終わることについて何処か引っ掛かりを覚えていた。
結果的にプレゼンは順調に終わった。
「美琴さん今までありがとうございました。」
「うん。お疲れ様、それじゃあ」
と言って教室を出ようとした。
美琴さんが出ていくのを見送る。
終わってしまう...まだ終わらせたくない...俺は言った。
「あの...ま、またいつでもあの場所来てもいいですよ。」すると、
「考えとく」と言って僅かだがニッと笑った。
美琴の笑顔をその時初めて見て、俺は惜しいなぁと思った。
笑えばあんなに可愛い顔をしているのに何でいつもあの笑顔を使って皆んなの輪に入ろうとしないのか。
土日を開け月曜日に俺は1人「庭園」に向かった。
すると、石組の上に立ち、池の鯉を眺めている美琴がいた。
俺がベンチに腰を下ろすと美琴が気づいたみたいだった。
そして、池に視線を向けたまま、「やっと来た。遅い」と言った。
「来てたのか、知りませんでした。」
「白々しいわよ。2つパン買ってるくせに」
俺はすっと顔を上げこう言った。
「いや、二つとも俺のです。」
たが、美琴は「うるさい、1つは私の」と言いながら袋をあさりチョコパンを取り出した。袋から取り出すと、パンに掛かったチョコをポロポロと溢しながら、やはり幸せそうに「アムアム」食べていた。
「あの...」
「ん?」
「.......いや、パン好きなんですか?」
「好き。」
「そうですか」
「うん。」
「あの、さ、以前私に会ったことがあるかもって話をしてきたのってどういう意味?」
「いや、どう言う意味も何も美琴さんと以前にあったことあるかもって思っただけです。ないならないで別に構わないんですけどね...」
美琴は突然パンを食べるの手を止めた。
「それで、なんか思い出したわけ?」
「いや、やっぱり俺の勘違いだったみたいです。」
「そう、期待外れ、あの頃は...き...たのにな」
ボソッと言ったので俺は聞き取ることができなかった。
「今なんて言ったんですか?」
「なんでもない。」
明らかに数分前と比べて美琴の表情が暗くなったのがわかった。
それから特に話すこともなく昼食を終えた。
「それじゃあ....私帰る」
「はい、気をつけて」
美琴はスタスタと歩いて行った。
「こんなんじゃきっと次は美琴さん来ないだろうな。」と考えていた。
次の日。
俺は相変わらずパンを2つ買い庭園に向かった。
俺は美琴さんに会えることを心のどこかで楽しみにしていたが、案の定そこには誰もいなかった。
暫く待ってみたが美琴さんは来る事はなかったので、俺は仕方なくパンを開け1人モソモソと食べ始めた。
「俺は何か気に触れる事でもしたのだろうか」俺は考えていた。
やはり彼女には会ったことはないと言われたが、俺の心の中の蟠りは綺麗に抜けきれていなかった。
なぜ、俺の名前を知っているのか、それに授業中だけの関係だけならまだしも、何故授業外でも、俺に話しかけてきたのか....
「わかんねぇなぁ....」
考えれば考えるほど、頭の中がごちゃごちゃになるので諦めて、本を読みはじめた。
そのときたまたま俺が読んでいた本は「虐め」について書かれた本だった。
本を読んでいて、俺はまるで過去を振り返っているような気分がして、正直胸糞悪かった。
きっと俺の中でトラウマになっているんだろう、顔がうざい、生意気だ、など理不尽な難癖をつけられ殴る蹴るを繰り返される。
金銭を要求してくる事だって頻繁にあった。
でも......どこか過去を振り返っても、いじめに関しては死ぬほど辛かった、と言うわけではないようにと思えてくる。
確かに辛かったと言えば辛かったが、誰かが俺の隣にいつもいてくれたおかげで俺の精神はギリギリ平静を保つことができていた。
確かその人は.....初恋の相手だった。
小学生の時、虐められて泣いている俺をいつも彼女は慰めてくれた。
虐めっ子達に、かなうはずもないのに、いつも俺の味方をしてくれていた。彼女は、とても頼りになって、カッコ良くって俺は大好きだった。
俺の中で本当に辛かったのは彼女が親の仕事の都合で中学校に上がる前に転校してしまったことだ。
いや、違う。
彼女が転向する事自体は俺としても辛いことではあったが、俺が何よりも辛かったのはその事を俺に最後まで黙っていた事だ。
人間最後に見せる姿が本性だと言う。
そう考えると、俺の事を人一倍考えていてくれていた彼女だったが、結局は彼女の中で俺はその程度の人間だったのだろうか...
そんな彼女とも結局は特に最後、お別れの挨拶をすることもなく離れ離れになっましまった。
俺は一瞬まさか....と思ったが、彼女の名前は確か.....美琴ではなく...美麗(ミレイ)だった。それに、俺より学年が一つ上であったはずだ、いや、それに関しては一年浪人した可能性も考えられるか.....取り敢えず、俺は直接確認してみることにした。
次の日。
授業はなかったが俺は彼女に会うべく1限目の時間帯からキャンパスをうろうろしていると、間もなく1人外のベンチで本を読んでる美琴を見つけた。
俺は走って彼女のところへ行き、
「俺は!!美琴さん!....あの....」
上がる息を必死に押さえながら言った。
「あの、「てにおは」って知ってる?私まで馬鹿だと思われるからそんな話し方で話しかけてこないでくれるかしら?」
彼女は突然登場した俺に少し驚いた顔をしていたがまたいつもの無愛想な顔つきになっていた。
「すみません....あの、聞きたいことがいくつかあって....」
「なに、手短にね」
「違ったら悪いんですけど、もしかして美麗ですか?」と言うと彼女は下唇をギュッと噛んだ
「......違う」
「ですよね....勘違い...」
「もう、違う。」
と言う声は少し震えていた。
「どういう事ですか?」
「貴方のせい、全部貴方のせいよ。あの時、貴方は苦慮している私の事を気にも止めてくれなかった。」
「...え?どうしたんですか?...」
「あの時、私が本当に親の仕事関係で転校したと思ってるの?」
「え.....」
「いいわよ、この際本当のことを話してあげるわ。
貴方、私の親のことよく風格や気品があるって言ってたわよね?そんなのは面ズラだけ。私の父親は賭け事ばかりしていて、ずっと借金に埋れていたのよ、最終的には闇金にまで手を出すようになったわ。
貴方は知らなかったと思うけど私の父と母が事故で亡くなっているのよ。
それからは私に全部父の借金が降りかかって来たの、それで私は体を売るしか選択肢がなくて....清身の頃の私の名前を捨ててまで、ずっと一人ぼっちで貴方が来てくれるのを待っていたのに.....」彼女は泣いていた。
俺は絶句した。そうだ、確かに当時の彼女はやたら俺に好意を見せて来ていた。
きっと不器用な彼女なりの助けて欲しい合図だったんだろう。
「....美麗...でも美麗なら...」
「やめて!そんなのはいらない!貴方言ったわよね!いつでも俺が助けになるって!なんで...なんで来てくれなかったの...私はずっと助けて欲しかったのに!貴方ならきっと分かってくれている思っていたのに....」
そうだった、本当に辛いときにはそんな下らない励ましの言葉はいらない。欲しいのは共感し、相手を受け止め認める言葉だ。
実際、昔俺が美麗にされて本当に救われた。
「本当に助けにいけなくてごめんなさい、辛かったですね美麗......」
「やめて....もう良いよ……」
と言って下を向いた。
俺は続けた。
「大変でしたね...でも、もう俺が居るから大丈夫です。これからは2度と美麗を1人にさせません。」
と言い泣いている彼女を抱き寄せ頭を撫でた。
「遅いのよ...いつも貴方は..馬鹿。」
「ずっと俺を待っててくれてありがとうございます。」
「カイリ.....」
暫くし、落ち着いて来たところで彼女は口を開いた。
「きっと....私たちの間の消味期限は3年じゃないわよね」
「はい、きっとそんなに短い訳ありません。」
「小6の時の夏祭りの帰りに交わした約束覚えている?」
「もちろんです」
「私たちがこうやって出会えて惹かれあったのは必然。」
「だから、次にあった時に余り物だったら........余り物同士一緒になりませんか?」
「実は私、余り物。」
「それは俺もです。」
と言うと美麗は少し笑った。
しばらく俺たちの間に沈黙が流れた。
「あの……さ、よ、良かったら、こうやってお互いまた出会えた事だし、これからも……いや…つまりは…」
緊張しすぎて支離滅裂だった。
「つまりは?」と心配そうにこちらを見た。
俺は一度深く深呼吸し、美麗の目を真直ぐ見据えて言った。
「俺と一緒になってくれませんか?」
と言うと俺は直ぐに美麗から目を逸らした。俺は人生初の告白に緊張しとてもじゃ無いけど告白した相手に目を合わせているなんてできなかった。
「ちゃんと言ってくれたわね、うれしい、ありがとう、でも今ここで答えを出すのは早計だと思うの」
「え……」
「もう一度あの頃みたいに私を振り向かせてみてよ。きっと貴方なら出来るから」
多分、いろんなことがあったからか美麗は直ぐに答えを出したくなかったのだろうと俺はこの言葉を解釈した。
俺は顔を上げ言った。
「望むところです」
「期待しているよ」と言って美麗はにっこりとした。
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