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第二章 奪い合う世界

38話 前夜の出来事④

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 空が白み出して来ている。足元を照らす明かりがより強くなってきているのだ。
 リグラは、オレガノとキリンと共に、宿舎に戻る裏庭の道を歩きながらそう感じた。
 朝が来れば、このイバラは一体どうなるのだろう。
 纏わり付く様な不安を感じながらも、リグラの脳裏にはフェンネルが最後に見せた笑みが残り続けた。
 彼女ならば大丈夫。きっと、どんな強敵を前にしても負けるはずがない。そう思わせる自信をみなぎらせていた。だが、そう考えながらも、何故、こうも落ち着かないのだろう。
 リグラは、オレガノやキリアンの顔を窺った。二人とも神妙な表情を浮かべながら無言で歩いて行く。自分と同じように不安を感じているのだろうかと、リグラは思った。
 三人は無言のまま、裏庭を通り抜け中庭へと出た。
 宿舎の窓から明かりが漏れ、中庭の一部を照らしていた。ラヴァーニャ、クレス、ピーター達、そして、タイムとチョークが起きているのだ。
 昼に訪れたパルルの訴える声は、本館を越えこちらにも届いた。そして、事後に宿舎へ戻って来たノエルは、全員にその様子を話して聞かせた。

 「彼らは大袈裟なのさ。慌てふためいた振りをして、自分の仕事を他人に擦り付けようとしている。まともに仕事をしていれば、この程度の事態にだって十分対処できたはずだろ。いい薬さ」

 その様に笑いながら話すノエルには、戸惑う見習い達を落ち着かせようとする意図があったのかもしれない。しかし、そこには地元の人間と外から来た人間との越えられない程の温度差の様なものが出来ていた。
 こうして、ノエルだけがいつも通り眠る中、フォーリアム一門の見習い達は、眠れぬ夜を過ごしていたのだった。
 宿舎へと入ると、オレガノ達の帰りを待ち続けていたラヴァーニャとピーターが主庭の騒ぎについて尋ねた。オレガノ達は、主庭で起きた事を話した。フェンネルがモンスターの襲撃を防ぐために街に赴いた事を。そして、自分達にここを守るよう言い渡した事を話した。

 「そう……、やっぱり、お嬢様は向かわれたんだ」

 オレガノ達より一つ上の見習いであるラヴァーニャ。フェンネルとの付き合いは、オレガノよりも長い。郷土を愛する彼女が行動を起こさないはずが無いと考えていた。それについてはピーターも同様な様子で、オレガノの話を聞き、安堵した様に息を吐いた。

 「心配する事は無いぜ、お前ら。お嬢様は東部一番の魔導士。あの大魔導士クローブの孫娘だ。どんな敵を前にしても負けるはずがないぜ」

 ピーターは、オレガノ達の表情から不安の色を見て取ったのか、励ます様にそう言った。

 「そうよ! 朝飯前だって。ひょっとしたら、日の出前に帰って来ちゃうかもよ」

 ピーターに続くラヴァーニャ。その顔は無理に笑顔を作ろうとした様に少し引き攣って見える。不安を感じてない訳では無いのだ。

 「朝飯? おい不味くないか? サルヴィナも一緒に出てっちまったんだろ。お嬢さんの朝食は誰が用意するんだ?」

 ピーターは不安を感じていないのだろうか。本気で朝食を心配する様に、傍らで話を聞いていたタイム達に話を振った。

 「大丈夫ですにゃ。今日は一晩掛けて朝食を用意してますにゃ。今から三人分追加で用意すれば十分間に合いますにゃ」

 タイムはそう言うと、尻尾を振って厨房へ駆けて行った。

 「ふう、焦ったぜ。朝食は毎日食べなきゃダメだからな。なあ、キリアン!」
 「知らねえよ。一度か二度、朝飯を抜いたくらいで死にやしないだろ」

 キリアンは呆れた様に答える。ピーターは、そう言事じゃない、元気が出るかどうかだと、必死でキリアンに朝食の大切さを説明し始めた。キリアンは適当に相槌を打ちながら、食卓へと逃れて行った。

 「疲れたろ、あんた達」

 タイムと同じく傍らで話を聞いていたチョークがオレガノとリグラに話し掛けた。

 「交代で仮眠を取ったらいい。あたしは起きてるから」
 「ありがとうチョーク。でも、私達は起きてるわ。何が起きるか分からないから」

 チョークは、気を張り続ける友人達を労いたい思いでそう言った。何か起きれば自分がオレガノ達を起こす。少しでも役に立とうと考えていた。

 「そうね。平気よチョーク」

 ラヴァーニャが、オレガノの後に続く様に話しだす。

 「本物の魔導士になれば、二、三日眠らない事くらいざらだもん。それより、あんたもずっと起きてたんだから、少しは寝たら」
 「うん……、いや、あたしも起きてるよ。何て言うか、眠ってなんかいられないし」

 オレガノ達、イバラの魔導士に感じ入った様子でチョークは答えた。ラヴァーニャはそんなチョークの気持ちを理解したのか、深く理由を聞かず、あらそう、と素っ気なく答えた。

 「ところで、クレスはどこ?」

 その場にクレスが居ない事に気が付きオレガノが尋ねた。

 「さあ。さっきまで居たけど、何時の間にかどっかに行っちゃったわ」

 ラヴァーニャは素っ気ない態度のままそう言った。
 ノエルが来てからというもの、彼の腰巾着の様に振る舞うクレスの事が気に入らない。ラヴァーニャはあまり、クレスの話題をしたがらないのだ。

 「グスターヴ捜査官の部屋だよ。クレスは彼の事を起こしに行ったんだ」

 チョークが代わりに説明した。

 「何の為に?」
 「何でって、仕事だろ? 問題があったら知らせる様にって、クレスに頼んでたんじゃないか」
 「問題なら昨日から起きてるのに」

 オレガノは不思議そうに呟く。いまいち、ノエルの仕事が理解できないでいた。

 「まあ、こっちの事何て興味が無いんだろ。自分の仕事とやらにかかりきりでさ。あたし達が慌ててるのも気にせず、ぐっすり眠っちゃってたから」
 「その癖、あたし達には押し付けがましい事ばっかり言って、本当に堪らないわよ」

 チョークの皮肉にラヴァーニャが食いつく。このままノエルが目を覚まさないで居てくれたらどれだけいいか、そんな事を大袈裟に悲観して言い始めた。
 オレガノもリグラも、それは言い過ぎと言いつつケラケラと笑っていた。
 すると、宿舎二階の廊下を乱暴に歩く足音が聞こえた。噂をすれば、ノエルが目を覚ましたらしい。
 ラヴァーニャが口元に指を添えて、その場の談笑を止めた。
 その直ぐ後に、ノエルがクレスを引き連れ食堂に顔を出した。
 クレスに起こされてから、朝の準備に時間を掛けたのだろう。きつめのウェーヴが掛かる巻き毛は、普段通りに整えられ、身だしなみは完璧に近い。しかし、所々に急いで部屋を後にした形跡が残っている。
 ノエルは見習い達の顔を一望しながら、自分の着る国家警察の制服のボタンを留め、不完全な身だしなみを完璧にすると、オレガノ達の方へと近づいて来た。

 「おはよう、君達。朝から勢揃いとは、まさか、本当に一睡もしなかったのかい?」

 小馬鹿にする様な言い方に、誰も答えようとしない。ノエルはそんな見習い達の様子を鼻で笑った。

 「昼にも話しただろ? モンスター達は街に現れる。ここにいる以上、僕や君達の様な見習いが慌てる必要は無いのさ」
 「随分、楽観的な事言うじゃない。ここにモンスターが来ない保障なんて無いわ」

 ラヴァーニャが答えた。

 「ここに来る? 何の為に? 侵略を目的としている者達が、抵抗の意思を示さない僕達を襲う理由があるのかい?」

 ノエルはわざとらしく、分かってないな、という感じで答えた。すると、オレガノがカッとなった様子で口を挟む。

 「私達は、モンスターの侵略を受け入れてなんかいないわ!」
 「ああ、お嬢さん。だから、君達は子供なんだよ。誰だってそんな事望んじゃいないさ。けれど、イバラ領で戦える者は限られている。そういう者達は今街に集結しているだろ。どんな奴だって目に付いた所を先に叩こうとするものさ。つまり、モンスター達の目が街に向いている間、僕達は大人しくしておけばいい。そうすれば、戦いの最中か、あるいは、終わった後にでも、増援が駆けつけて問題は解決さ」
 「一緒にしないで、イバラは私達の街よ! 戦わずにここに居るなんて、情けなく思わない訳、無いじゃない!」

 ノエルはオレガノの言葉を嘲笑った。

 「だったら、今すぐ街に行けばいい。憲兵達と一緒になって戦っておいで。僕は止めやしないよ」

 オレガノは押し黙る。フェンネルにここを守る様に言われた以上、自分から街に赴く事は出来ない。悔しそうにノエルの事を睨んでいた。
 そんなオレガノの様子を見ていたクレスは、堪り兼ねた様にノエルにそっと耳打ちをした。

 「そうなのかい? それはすまない事を言ったね。生まれ故郷なら、君が心配するのはもっともだ。ただ、僕の言ってる事も理解してほしい。君の気持ちを蔑にした訳じゃない。僕や見習いの君達の様に、戦わずにいるべき者も居るって事をね」

 ノエルは申し訳なさそうな表情を作ってそう言った。
 オレガノは悔しさに身体を震わす。
 食卓に頬杖をついていたキリアンが、その様子を見て小さく舌打ちをした。

 「ここには後継者が居るだろ」

 キリアンの言葉に、ノエルは食卓の方に視線を移す。

 「後継者が居るんなら、モンスターの目に着かないってのは当たらないんじゃないか? 人の信奉する新たなルーラーだぜ」

 キリアンの話を聞いてノエルはやれやれと言った表情を浮かべた。

 「キリアン・デイヴィス。君は僕と同じ中央の出だろ? まさかとは思うが、あんないかがわしいトウワ人の言葉を信用しているのか?」
 「俺が信用してるのは別の奴さ。それに、トウワ人だからって否定する理由にはならない。あんただってそれくらい自覚してるんだろ?」

 ノエルは、はいともいいえとも答えない。その質問にどう言う意図があるのか探る様に、キリアンが話続けるのを待った。

 「あんたさ、ここにモンスターが出ても大丈夫って、そんな風に考えてるだろ? なんてたって、ここにはあのフェンネル・フォーリアムがいるから。そんな風に考えてんだろ」

 そう言う事か。ノエルは苦笑を浮かべた。

 「まあ、当てが外れて、はぐれたモンスターが顔を出す事もあるかもしれない。その時は、もちろん僕も戦うさ。だけど、君の言う通り、実力じゃフォーリアムのお嬢様の足下にも及ばないからね。せいぜい邪魔にだけはならない様にしておくよ」

 ノエルのセリフを聞いた途端、キリアンは声を殺した様にクックックと笑い出した。ノエルは怪訝な表情を浮かべる。

 「キリアン、お嬢様は街に行ったんじゃなかったのか?」

 食卓に着くピーターが、対面に座るキリアンに尋ねると、キリアンは肩をすくめて見せた。

 「何? ……誰が街に行ったって? どう言う事だ!?」
 「いや、さっき、街に行ったって聞いたんすよ」
 「だから、誰が!」

 ピーターのとぼけたような返答に、ノエルはイラついて問いただした。

 「お嬢様達よ。さっきまで寝てた癖に、何焦ってんだか。お屋敷に残ってるのはここに居る全員だけよ!」

 ラヴァーニャが代わりに答えた。それを聞いてノエルは、立ち眩みを覚えた様に一歩後ろに足を引いた。

 「君達は……。どうして、止めなかった! それじゃあ、ここには見習いしか居なくなるだろ! 一体、何を悠長にしてるんだ、馬鹿共! クソ!」

 ノエルはそう言うと、急ぎ階段を駆け上がって行った。

 「戦うんじゃなかったのかしら?」

 天井から響く慌ただしい物音が小気味良く聞こえたのか、ラヴァーニャはノエルを皮肉る様にそう言った。

 「何か良く分からんが、大丈夫かあいつ?」
 「ほっときなさいよピーター。急にモンスターが怖くなったから、今から逃げ出そうって腹でしょ。荷物をまとめるのに忙しいのよ」

 ラヴァーニャの言う通り、すぐさまノエルは大きなトランクを一つ抱えながら階下へ降りて来た。

 「僕は領外に避難するぞ。一緒に来たい奴は付いて来い!」

 オレガノが全員を代表する様に前へ進み出た。

 「私達は行かないわ。ここを守る様に、お嬢様から言われているもの」
 「ここを守れ? 見習いだけでか? 弟子が弟子なら、師匠も師匠だ。一門揃って馬鹿ばかり。呆れたよ! もう、好きにしろ! お前達みたいな田舎者が、モンスターに殺されたところで、誰も悲しみやしないさ!」

 ノエルはオレガノの事を睨みつけながらそう言い放った。そして、オレガノの背後で、こちらと目を合わせぬように視線を落としていたクレスの方を見た。

 「クレス! 君は僕と一緒に来い!」

 ノエルはそう言うと、強引にクレスの手を引っ張った。しかし、クレスは動こうとしない。

 「何してるんだ、クレス? 君は僕と一緒だろ!」

 クレスはビクリと体を震わせた。そして、怯えるような眼でノエルの事を見る。

 「ちょっと、止めなよ! 嫌がってるじゃない!」
 「うるさい! 僕らに触るな!」

 ラヴァーニャがノエルにつかみ掛かった。しかし、ノエルはそれを振り払い、無理やりクレスを引きずる様に出入り口に向かおうとした。
 すると、丁度外から入って来た者にぶつかり、ノエルは跳ね飛ばされる様に背後へ尻餅を着いた。

 「何だ。まだ居たのかお前」

 ノエルは床に座ったまま声のする方を見上げた。すると、黒いグローブをはめた左手が、ノエルの襟元を掴み、物も言わさずに引っ張り上げ、ノエルを立たせた。
 ノエルはコウミと対峙した。

 「上への報告は済ませたのか?」
 「え?」

 ノエルの戸惑う返事に、コウミは溜息を着く。

 「用も無く、俺の前に面を出しやがって……」
 「な、何を言ってる? 顔を出したのはそちっちだ――」

 ゴンッ、という鈍い音が食堂に響いた。すると、次の瞬間には、ノエルは言いかけた言葉をそのままに、膝から崩れる様に倒れた。

 「ノエル!?」

 ノエルの事を心配し、クレスがその身を揺さぶる。ピーターも思わず席を立ち、ノエルの様子を窺った。ノエルは完全に気を失い伸びていた。

 「死んじゃいない。そいつを吊るすのは後だ」

 コウミはそう言うと、周りに居る者達の顔を見渡した。見習い達は突然姿を見せ、いきなりの暴力を振るったコウミに唖然としていた。

 「コウミ師匠さん。起きていたんですか?」

 周りが委縮する中で、オレガノだけが恐れも抱かずコウミに話し掛けた。

 「俺は眠らない。暇を潰す時くらいだ」

 しかし、意味の分からない回答に困惑する。

 「それより……。ここには見習いしか居ないと聞こえたが、他の奴らはどこに行った?」
 「お嬢様は街に、モンスターと戦いに行きました」
 「自分から街に? 話しが違うな……。俺は、何をすればいいんだ? うーん……」

 オレガノの答えを聞き、コウミは自問する様に呟くと、思案気に腕を組み黙り込んだ。
 その場に居る者への質問では無いのだろうが、そんな事をわざわざ口する何て、よっぽど迷っている時くらいだろう。
 関りは僅かな期間であったが、コウミは相当変わった人だ。外見もさることながら、その仕草や行動がやけに大げさで、わざとらしい所が目立つ気がする。何と言うか、とても気取った風に見習い達には見えるのだ。
 暫くの間、その場に居る全員がコウミの奇妙な行動を窺う様に、黙って見守っていた。

 「……もう、面倒くせえな」

 やがて、考えを纏めた様にコウミは顔を上げ、話し始める。

 「いいか、お前達。直ぐにここから避難しろ」

 コウミの言葉の意味がを理解できず、思わず言葉にもならないような驚きの声が一斉に上がった。

 「どこでも構わない。街に行くも良し、イバラの領外に向かうも良し。とにかく、この屋敷から離れろ」
 「ちょ、ちょっと待って下さい。一体、どうしてですか? 急に避難って……」

 慌てた様子でリグラが尋ねた。

 「キュプレサスだ。この領域を脅かすよからぬ者。あいつは必ずここに来る」

 既に、よからぬ者の存在を目の当たりにした事のあるオレガノ、リグラ、キリアン、そして、チョークの四人は愕然とした表情を浮かべた。

 「俺が、適当にあしらっといてやる。ただ、ここに残るのなら、命の保証はしない」

 コウミは見習い達の様子も気にせず、淡々と話した。
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