49 / 54
Secret49. 悪を行う少女
しおりを挟む
●登場人物
・輝・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。秘密結社ダーク・ライトを率いている。戦闘員のモチベ問題も解決し、順風満帆な毎日だが...
・紫野菫(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。バイト時はかわいい女の子になっているが、普段は宝塚系のイケメン女子。女子人気高し!
●前回のお話
私、輝・ダークライトと申します。
セリシール様からお聞きした情報を元に、戦闘員を人工的に作製しようと思ったのですが、どうやら、発展途上の技術のようで使い物になりませんでしたわ。
次の日にセリシール様との戦闘があり、チッカーたちのやる気の無さが、またセリシール様にバレるのではないかと心配していたのですが、杞憂でしたわ。
チッカーがやる気に満ち、倒されても倒されても起き上がって戦うのです!
私、チッカーたちを過小評価していたのかもしれません。やればできる子なのですわ!
「この街には『悪』が足りないの~!」
一人、街に降り立った少女は年の割には幼い口ぶりで独り言ちた。
年の頃は中学生くらい。かなりの可愛らしさだ。
かわいい真っ赤なボブヘアをしている。
白のブラウスに赤のパンプキンパンツ。
服にはあちこちにいちごのアップリケが取り付けられている。
ブラウスの袖はラッパのように大きく広がっている。まるでソフトクリームのコーンのように、途中から色が肌色に変わり、網目模様がついている。
頭には半球状のピンクの帽子。冠るというよりは乗っけると言った感じで、やや左側に傾いている。カチューシャだろうか?
白のブーツの先にも、同じように半球状のピンクの飾りがつけられている。何かのモチーフだろうか?
少女の近くでおばあさんが大きな荷物を持って歩いていた。
向こうから車が走ってくる。おばあさんに気づいていないのか、結構なスピードだ。
それを見た少女の口角が怪しく上がる。
次の瞬間!
...少女はおばあさんと車の間に割り込み、おばあさんを車から守った!
「何してんだ!危ねぇじゃねぇか!!」
運転手が怒鳴る。
「そっちこそ、おばあさんが見えなかったの~?ケガでもさせたらただじゃ置かないの~~!」
車はバツが悪そうに走り去った。
「ありがとう。お嬢ちゃん」
「いいの。ストロベリーは『悪』をしただけなの~~!」
「まあ、変わった子ね」
おばあさんは楽しそうに笑った。
「荷物、重そうなの~!持ってあげるの~!」
そういうとおばあさんから荷物を受け取り、おばあさんについていく。
「あら、悪いわねぇ」
「そう!『悪い』の~!ストロベリーは悪の秘密結社に入っているの~!」
「あの『ダーク・ライト』の?」
「あんなの『悪』じゃないの~!ストロベリーは少し離れた街にある『スイーツ・パラダイス』から来たの~!」
「あら、可愛らしい名前ね」
「可愛くないの~!悪いの~!」
「ほほほ。本当に面白い子ね」
こうしてストロベリーはおばあさんの目的地まで荷物を運んであげるのだった。
その後も、ストロベリーは『悪』をしまくった。
空き缶は空き缶入れに入れ、壁の落書きはきれいに消し、挙句の果ては、どぶさらいのボランティアまで手伝った。
「ふう。ここまで悪いことをしたらきっと魔法少女がやってくるの~!」
しかし、待てどもその気配はない。
「この街はおかしいの~!『ダーク・ライト』も『魔法少女』も間違ってるの~!」
すると、ストロベリーのすぐ側を一人の少女が通り過ぎる。かなり急いでいるようだ。
「いっけない。遅刻しちゃう!」
その瞬間、ストロベリーは雷に打たれたような衝撃を感じた!
「見つけたの~!ストロベリーの王子様なの~~!」
そう言うが早いか、急いで追いかけていく。
少女は繁華街から少し入った路地のかわいいお店に入っていく。
ストロベリーも慌ててその店に飛び込んだ。
「「いらっしゃいませぇぇ~~♡」」
超絶美少女と背の低い紫髪の少女が出迎える。
ストロベリーは一生懸命、店中を探すが、目的の少女はいない。
「何かお探しですか?」
超絶美少女が聞くと、
「背が高くて、スレンダーで、整ったお顔で、清潔感のある格好をした、イケメンボイスの、紫の髪のステキ少女を見かけませんでしたか!!」
ストロベリーは一気にまくし立てた...
「えぇっと、あの方かしら...」
見ると、ストロベリーの探していた少女が店を出ていく。
「待ってなの~~!」
ストロベリーは慌てて追いかけていった。
「ひかる、あんた何したのよ?」
紫髪の少女が聞くと、
「幻影ですわ。ドアは魔法で開けましたの」
と言った。続けて、
「すみれの知り合いですの?なにやら探していたみたいですけど...」
「知らない子ね。大体、知ってたら名前言うでしょ!」
「それもそうですわね。でも『ステキ少女』だなんて、すみれも隅に置けませんわね♡」
「また、このパターンか...」
「すみれは女の子にモテますものね!」
「うれしくない~~~!!」
そんな会話をしていると、あの少女が戻ってきた。
「さっきの方のことを教えてほしいの~!」
随分、幼い話し方だ。
ひかるは、
「さあ、初めて見た方ですので分かりませんわ」
と答えた。
「まあ、いいの!自分で探すの!...それとこの街の魔法少女に会う方法を教えて欲しいの~!」
と、とんでもないことを言い出す。
「そんなの私が教えて欲しいわよ」
すみれが言うが、ひかるが優しく言い直す。
「そうですわね。時々、公園でダーク・ライトと戦っているようですけど、詳しくは存じませんわ」
「情報、ありがとなの~!時々、行ってみるの~!」
少女はそう言うと、お店を去っていくのだった。
「変な子ね。セリシール様に会ってどうするのかしら?」
「...あの子。魔力持ちですわ。どうも、嫌な予感がしますの...」
ひかるが不穏なことを言い出した。
「『魔力持ち』ってことは魔法少女かダーク・ライトの?」
「いえ、魔法少女なら居場所を知っているはずですし、ダーク・ライトにあのような子はいません」
「ということは...」
「別の悪の組織の構成員ですわ!しかも、相当な使い手ですわよ!!」
平和な街に騒動が起ころうとしていた...
・輝・ダークライト(ひかる):魔法少女専門グッズ店の店長。秘密結社ダーク・ライトを率いている。戦闘員のモチベ問題も解決し、順風満帆な毎日だが...
・紫野菫(すみれ):ひかるのお店でバイトをしている。バイト時はかわいい女の子になっているが、普段は宝塚系のイケメン女子。女子人気高し!
●前回のお話
私、輝・ダークライトと申します。
セリシール様からお聞きした情報を元に、戦闘員を人工的に作製しようと思ったのですが、どうやら、発展途上の技術のようで使い物になりませんでしたわ。
次の日にセリシール様との戦闘があり、チッカーたちのやる気の無さが、またセリシール様にバレるのではないかと心配していたのですが、杞憂でしたわ。
チッカーがやる気に満ち、倒されても倒されても起き上がって戦うのです!
私、チッカーたちを過小評価していたのかもしれません。やればできる子なのですわ!
「この街には『悪』が足りないの~!」
一人、街に降り立った少女は年の割には幼い口ぶりで独り言ちた。
年の頃は中学生くらい。かなりの可愛らしさだ。
かわいい真っ赤なボブヘアをしている。
白のブラウスに赤のパンプキンパンツ。
服にはあちこちにいちごのアップリケが取り付けられている。
ブラウスの袖はラッパのように大きく広がっている。まるでソフトクリームのコーンのように、途中から色が肌色に変わり、網目模様がついている。
頭には半球状のピンクの帽子。冠るというよりは乗っけると言った感じで、やや左側に傾いている。カチューシャだろうか?
白のブーツの先にも、同じように半球状のピンクの飾りがつけられている。何かのモチーフだろうか?
少女の近くでおばあさんが大きな荷物を持って歩いていた。
向こうから車が走ってくる。おばあさんに気づいていないのか、結構なスピードだ。
それを見た少女の口角が怪しく上がる。
次の瞬間!
...少女はおばあさんと車の間に割り込み、おばあさんを車から守った!
「何してんだ!危ねぇじゃねぇか!!」
運転手が怒鳴る。
「そっちこそ、おばあさんが見えなかったの~?ケガでもさせたらただじゃ置かないの~~!」
車はバツが悪そうに走り去った。
「ありがとう。お嬢ちゃん」
「いいの。ストロベリーは『悪』をしただけなの~~!」
「まあ、変わった子ね」
おばあさんは楽しそうに笑った。
「荷物、重そうなの~!持ってあげるの~!」
そういうとおばあさんから荷物を受け取り、おばあさんについていく。
「あら、悪いわねぇ」
「そう!『悪い』の~!ストロベリーは悪の秘密結社に入っているの~!」
「あの『ダーク・ライト』の?」
「あんなの『悪』じゃないの~!ストロベリーは少し離れた街にある『スイーツ・パラダイス』から来たの~!」
「あら、可愛らしい名前ね」
「可愛くないの~!悪いの~!」
「ほほほ。本当に面白い子ね」
こうしてストロベリーはおばあさんの目的地まで荷物を運んであげるのだった。
その後も、ストロベリーは『悪』をしまくった。
空き缶は空き缶入れに入れ、壁の落書きはきれいに消し、挙句の果ては、どぶさらいのボランティアまで手伝った。
「ふう。ここまで悪いことをしたらきっと魔法少女がやってくるの~!」
しかし、待てどもその気配はない。
「この街はおかしいの~!『ダーク・ライト』も『魔法少女』も間違ってるの~!」
すると、ストロベリーのすぐ側を一人の少女が通り過ぎる。かなり急いでいるようだ。
「いっけない。遅刻しちゃう!」
その瞬間、ストロベリーは雷に打たれたような衝撃を感じた!
「見つけたの~!ストロベリーの王子様なの~~!」
そう言うが早いか、急いで追いかけていく。
少女は繁華街から少し入った路地のかわいいお店に入っていく。
ストロベリーも慌ててその店に飛び込んだ。
「「いらっしゃいませぇぇ~~♡」」
超絶美少女と背の低い紫髪の少女が出迎える。
ストロベリーは一生懸命、店中を探すが、目的の少女はいない。
「何かお探しですか?」
超絶美少女が聞くと、
「背が高くて、スレンダーで、整ったお顔で、清潔感のある格好をした、イケメンボイスの、紫の髪のステキ少女を見かけませんでしたか!!」
ストロベリーは一気にまくし立てた...
「えぇっと、あの方かしら...」
見ると、ストロベリーの探していた少女が店を出ていく。
「待ってなの~~!」
ストロベリーは慌てて追いかけていった。
「ひかる、あんた何したのよ?」
紫髪の少女が聞くと、
「幻影ですわ。ドアは魔法で開けましたの」
と言った。続けて、
「すみれの知り合いですの?なにやら探していたみたいですけど...」
「知らない子ね。大体、知ってたら名前言うでしょ!」
「それもそうですわね。でも『ステキ少女』だなんて、すみれも隅に置けませんわね♡」
「また、このパターンか...」
「すみれは女の子にモテますものね!」
「うれしくない~~~!!」
そんな会話をしていると、あの少女が戻ってきた。
「さっきの方のことを教えてほしいの~!」
随分、幼い話し方だ。
ひかるは、
「さあ、初めて見た方ですので分かりませんわ」
と答えた。
「まあ、いいの!自分で探すの!...それとこの街の魔法少女に会う方法を教えて欲しいの~!」
と、とんでもないことを言い出す。
「そんなの私が教えて欲しいわよ」
すみれが言うが、ひかるが優しく言い直す。
「そうですわね。時々、公園でダーク・ライトと戦っているようですけど、詳しくは存じませんわ」
「情報、ありがとなの~!時々、行ってみるの~!」
少女はそう言うと、お店を去っていくのだった。
「変な子ね。セリシール様に会ってどうするのかしら?」
「...あの子。魔力持ちですわ。どうも、嫌な予感がしますの...」
ひかるが不穏なことを言い出した。
「『魔力持ち』ってことは魔法少女かダーク・ライトの?」
「いえ、魔法少女なら居場所を知っているはずですし、ダーク・ライトにあのような子はいません」
「ということは...」
「別の悪の組織の構成員ですわ!しかも、相当な使い手ですわよ!!」
平和な街に騒動が起ころうとしていた...
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
魔法少女☆優希♡レジイナ♪
蓮實長治
キャラ文芸
九州は阿蘇に住む田中優希は魔法少女である!!
彼女に魔法の力を与えたスーちゃんは中生代から来た獣脚類の妖怪である!!(妖精かも知れないが似たようなモノだ)
田中優希は肉食恐竜「ガジくん」に変身し、人類との共存を目論む悪のレプタリアンと、父親が育てている褐牛(あかうし)を頭からガジガジと貪り食うのだ!!
←えっ??
刮目せよ!! 暴君(T-REX)をも超えし女王(レジイナ)が築く屍山血河に!!
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」Novel Days」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。(GALLERIAは掲載が後になります)
つくもむすめは公務員-法律違反は見逃して-
halsan
キャラ文芸
超限界集落の村役場に一人務める木野虚(キノコ)玄墨(ゲンボク)は、ある夏の日に、宇宙から飛来した地球外生命体を股間に受けてしまった。
その結果、彼は地球外生命体が惑星を支配するための「胞子力エネルギー」を「三つ目のきんたま」として宿してしまう。
その能力は「無から有」。
最初に付喪としてゲンボクの前に現れたのは、彼愛用の大人のお人形さんから生まれた「アリス」
その後も次々と(主にアリスの)欲望によって、付喪を生み出していくゲンボク。
さあ、爺さん婆さんばかりの限界集落から、ちょっとおかしい日常を発信だ!
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる