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Secret21. さくらの悩み
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●登場人物
・輝・ダークライト(ひかる):魔法少女専門店の店長。レフェドフルールの管理者、フラムとの闘いを終え、帰ってきたが...
= マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。
・紫野菫(すみれ):ひかるのお店のバイト。一人だけ帰ってこないひかるを心配している。
= ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。
・小松春桜子(さくら):元気が取り柄の14才!マテラスの最後の言葉が気になっているようだが...
= ラフェド・セリシール:魔法少女レフェドフルールの一員。
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。セリシールをサポートする。
・志頭蟹芭羅美:さくらの同級生。魔法少女とダーク・ライトの闘いの最中、失神する。
●前回のお話
あたし、志頭蟹芭羅美(しずかにばらみ 14才)。さくらちゃんと同じ学校に通ってる。
今まであたしは自分の生きている意味が分からず、虚しい人生を送って来た。
でも、この間、フラム様とマテラス様の愛を見て(through 芭羅美 eyes)悟った。
この世にはこんなにも美しいものがあるのだと!
あたし、決めた!二人の愛を見届けて、それを後世に残す!!
「ひかる!大丈夫だった?」
マテラスがお店に転移してくると、すみれが駆け寄る。
ひかるはすぐに変身を解いたが、恥ずかしそうに両手で顔を隠している。
「どうしたの?」
「...私、どうしてあんなこと言っちゃったの~~~~!!」
ひかるの顔は耳まで真っ赤だ。
「何があったの?言っちゃったって何を?」
「お願い、忘れさせて~~!そうじゃないと、もうセリシール様と顔を合わせられない!」
「そうね、そんなこともあるわよね...」
すみれは「チッカー語講座」のことを思い出していた。
「分かった。聞かない。でもそれ以外のことは話してくれる?あの後、何があったの?」
「ありがとう」
ひかるはそう言うと、フラムとの闘いのあらましを話すのだった。
「あいつ、そんなこと言ったの!せいぜい懲らしめてやったんでしょうね」
「もちろんですわ。最後にはセリシール様に謝ってもらいました!」
「よくやったわ!いい気味よ」
「はぁ、最後のセリフがなければ完璧でしたのに...」
「何言ったか知らないけど、意外と向こうは気にしてないものよ。忘れちゃいなさい」
「そうだといいのですけど...」
・・・
一方、その頃、
「どういう意味だったのかしら...」
さくらはずっとマテラスの最後の言葉を気にしていた。
「何がだい?」
レオポンが問いただす。
「何でもない!」
さくらはレオポンに話すのには抵抗があった。
(明日、友達に聞いてみよう...芭羅美ちゃんも元気だといいけど)
こうしてさくらは悶々とした夜を過ごすのだった。
・・・
翌日、さくらが学校に来てみると、芭羅美は休みだった。
先生に聞いてみると、体調は良いそうだが、念のため一日休むとのことだった。
明日は来る予定だと聞き、さくらは少し安心した。
そして休み時間、さくらは友達に気になっていることを聞いてみることにした。
「あのね、私の...その...友達の話なんだけど...」
さくらは話を濁しながら、魔法や闘いという情報を出さないように注意しながら話し始めた。
「その子には、その...喧嘩友達の男の子がいて、いつものように公園で会う約束をしていたのね」
「へぇ、中学生だよね?男の子の喧嘩友達なんてめずらしいよね」
「そう!そうなんだけど、公園にその子が別の男の子を連れて行ったのね」
「えっ!二人も男の友達がいるの?モテモテだね!」
「そう…でもないんだけど、そしたら喧嘩友達...えっと仮に『マー君』にしとくね。が急に不機嫌になったの」
「そりゃそうだよ。その子もなんで連れて行ったんだろうね?」
「そうなの?そしてひと悶着あった後、私の友達...えっと仮に『セーちゃん』にしとくね。がマー君といつも通り喧嘩したの」
「えっ!他の男の子の前で仲良く喧嘩しだしたの?!」
「仲良く…はないんだけど、いつも通り、喧嘩して帰ろうとしたら、別の男の子...えっと仮に『フー君』にしとくね。が、マー君を引き留めたの」
「そりゃそうだよ。フー君、面白くなかっただろうね」
「そうなの?そして、フー君がいきなりセーちゃんに向かって、何て言うか...『もうマー君とは喧嘩させない』みたいなことを言ったのね」
「わぁ、泥沼だね...それでどうなったの?」
「フー君がいきなりマー君に襲い掛かって、大喧嘩になったの」
「あっちゃあ、修羅場だね。セーちゃんってもしかして悪女?!」
「そんなことないよ。優しい子だよ。それで、結局マー君が勝って、これからも二人で喧嘩していいことになったんだけど...」
「えっ!フー君、それで納得したの?!」
「うん。分かってくれたみたい。それで丸く収まったかのように見えたんだけど...」
「全然、丸くないよ!むしろこの後が恐ろしいんですけど...」
「あのね、ここからが大事なんだけど、マー君が別れ際にね、セーちゃんに『お前は私の太陽だからな』って言ったの」
「キャ~~~!!ステキ~~~!!それでセーちゃんは何て答えたの?」
「マー君がすぐに帰っちゃったから何も言えなかったの」
「そうかぁ~。そりゃ、照れるよね。でも次に会ったときに気まずいんじゃないの?」
「そうなの。それでどうしたらいいんだろうって思って...あっ、セーちゃんの話ね!」
「そりゃ、セーちゃんがマー君のことをどう思っているかよ」
「どうって?」
「セーちゃんはマー君のこと好きなの?」
「ええぇぇぇ~~~~~!!!そんなの分かんないよ~~~!」
「じゃあ、そこからね。セーちゃんはマー君が好きなのか、このまま友達でいたいのか...それによって取るべき態度は変わってくるわね」
「好き...ってどういうことなのかな?」
「そりゃ、『その人のことをいつも考えてしまう』とか『その人のことを考えるとドキドキする』とか『一緒にいると楽しい』とか...」
「マテラ...じゃなかったマー君を...分かった!考えて...じゃなくて聞いて見るね。ありがとう!相談して良かった!」
「聞いたら結果、聞かせてね!絶対よ!キャ~~~、中学生でこんなステキな恋愛なんて、マンガみた~い!」
盛り上がっている友人たちを尻目に、さくらはマテラスについて考えてみるのだった...
・・・
その夜、さくらは友達の言葉を思い返していた。
(セーちゃんはマー君のこと好きなの?)
(『その人のことをいつも考えてしまう』とか『その人のことを考えるとドキドキする』とか『一緒にいると楽しい』とか)
「マテラスの事か...考えたこともなかった...」
「『その人のことをいつも考えてしまう』…か、確かにマテラスとの闘いのことはいつも考えちゃうなぁ~」
・・・そういう意味ではないのでは...
「『その人のことを考えるとドキドキする』…か、確かにマテラスとの闘いを考えるとエキサイティングしてドキドキする」
・・・いや、そういうドキドキとは違うんですけど...
「『一緒にいると楽しい』…か、確かにマテラスとの闘いは楽しい。魔法を放つ爽快感は最高だよぉ~」
・・・だから、好きなのは闘いであって、マテラスではないのでは...
「これって、『マテラスを好き』ってことでいいのかなぁ...」
・・・違います。お願い、誰か否定してあげて!
......ツッコミのいない夜はさくらの勘違いをさらに加速させていくのであった...
・輝・ダークライト(ひかる):魔法少女専門店の店長。レフェドフルールの管理者、フラムとの闘いを終え、帰ってきたが...
= マテラス・ダークライト:秘密結社ダーク・ライトの首領。
・紫野菫(すみれ):ひかるのお店のバイト。一人だけ帰ってこないひかるを心配している。
= ヴィオレ:秘密結社ダーク・ライトの一員。
・小松春桜子(さくら):元気が取り柄の14才!マテラスの最後の言葉が気になっているようだが...
= ラフェド・セリシール:魔法少女レフェドフルールの一員。
・レオポン:ライオンを模したマスコットキャラ。セリシールをサポートする。
・志頭蟹芭羅美:さくらの同級生。魔法少女とダーク・ライトの闘いの最中、失神する。
●前回のお話
あたし、志頭蟹芭羅美(しずかにばらみ 14才)。さくらちゃんと同じ学校に通ってる。
今まであたしは自分の生きている意味が分からず、虚しい人生を送って来た。
でも、この間、フラム様とマテラス様の愛を見て(through 芭羅美 eyes)悟った。
この世にはこんなにも美しいものがあるのだと!
あたし、決めた!二人の愛を見届けて、それを後世に残す!!
「ひかる!大丈夫だった?」
マテラスがお店に転移してくると、すみれが駆け寄る。
ひかるはすぐに変身を解いたが、恥ずかしそうに両手で顔を隠している。
「どうしたの?」
「...私、どうしてあんなこと言っちゃったの~~~~!!」
ひかるの顔は耳まで真っ赤だ。
「何があったの?言っちゃったって何を?」
「お願い、忘れさせて~~!そうじゃないと、もうセリシール様と顔を合わせられない!」
「そうね、そんなこともあるわよね...」
すみれは「チッカー語講座」のことを思い出していた。
「分かった。聞かない。でもそれ以外のことは話してくれる?あの後、何があったの?」
「ありがとう」
ひかるはそう言うと、フラムとの闘いのあらましを話すのだった。
「あいつ、そんなこと言ったの!せいぜい懲らしめてやったんでしょうね」
「もちろんですわ。最後にはセリシール様に謝ってもらいました!」
「よくやったわ!いい気味よ」
「はぁ、最後のセリフがなければ完璧でしたのに...」
「何言ったか知らないけど、意外と向こうは気にしてないものよ。忘れちゃいなさい」
「そうだといいのですけど...」
・・・
一方、その頃、
「どういう意味だったのかしら...」
さくらはずっとマテラスの最後の言葉を気にしていた。
「何がだい?」
レオポンが問いただす。
「何でもない!」
さくらはレオポンに話すのには抵抗があった。
(明日、友達に聞いてみよう...芭羅美ちゃんも元気だといいけど)
こうしてさくらは悶々とした夜を過ごすのだった。
・・・
翌日、さくらが学校に来てみると、芭羅美は休みだった。
先生に聞いてみると、体調は良いそうだが、念のため一日休むとのことだった。
明日は来る予定だと聞き、さくらは少し安心した。
そして休み時間、さくらは友達に気になっていることを聞いてみることにした。
「あのね、私の...その...友達の話なんだけど...」
さくらは話を濁しながら、魔法や闘いという情報を出さないように注意しながら話し始めた。
「その子には、その...喧嘩友達の男の子がいて、いつものように公園で会う約束をしていたのね」
「へぇ、中学生だよね?男の子の喧嘩友達なんてめずらしいよね」
「そう!そうなんだけど、公園にその子が別の男の子を連れて行ったのね」
「えっ!二人も男の友達がいるの?モテモテだね!」
「そう…でもないんだけど、そしたら喧嘩友達...えっと仮に『マー君』にしとくね。が急に不機嫌になったの」
「そりゃそうだよ。その子もなんで連れて行ったんだろうね?」
「そうなの?そしてひと悶着あった後、私の友達...えっと仮に『セーちゃん』にしとくね。がマー君といつも通り喧嘩したの」
「えっ!他の男の子の前で仲良く喧嘩しだしたの?!」
「仲良く…はないんだけど、いつも通り、喧嘩して帰ろうとしたら、別の男の子...えっと仮に『フー君』にしとくね。が、マー君を引き留めたの」
「そりゃそうだよ。フー君、面白くなかっただろうね」
「そうなの?そして、フー君がいきなりセーちゃんに向かって、何て言うか...『もうマー君とは喧嘩させない』みたいなことを言ったのね」
「わぁ、泥沼だね...それでどうなったの?」
「フー君がいきなりマー君に襲い掛かって、大喧嘩になったの」
「あっちゃあ、修羅場だね。セーちゃんってもしかして悪女?!」
「そんなことないよ。優しい子だよ。それで、結局マー君が勝って、これからも二人で喧嘩していいことになったんだけど...」
「えっ!フー君、それで納得したの?!」
「うん。分かってくれたみたい。それで丸く収まったかのように見えたんだけど...」
「全然、丸くないよ!むしろこの後が恐ろしいんですけど...」
「あのね、ここからが大事なんだけど、マー君が別れ際にね、セーちゃんに『お前は私の太陽だからな』って言ったの」
「キャ~~~!!ステキ~~~!!それでセーちゃんは何て答えたの?」
「マー君がすぐに帰っちゃったから何も言えなかったの」
「そうかぁ~。そりゃ、照れるよね。でも次に会ったときに気まずいんじゃないの?」
「そうなの。それでどうしたらいいんだろうって思って...あっ、セーちゃんの話ね!」
「そりゃ、セーちゃんがマー君のことをどう思っているかよ」
「どうって?」
「セーちゃんはマー君のこと好きなの?」
「ええぇぇぇ~~~~~!!!そんなの分かんないよ~~~!」
「じゃあ、そこからね。セーちゃんはマー君が好きなのか、このまま友達でいたいのか...それによって取るべき態度は変わってくるわね」
「好き...ってどういうことなのかな?」
「そりゃ、『その人のことをいつも考えてしまう』とか『その人のことを考えるとドキドキする』とか『一緒にいると楽しい』とか...」
「マテラ...じゃなかったマー君を...分かった!考えて...じゃなくて聞いて見るね。ありがとう!相談して良かった!」
「聞いたら結果、聞かせてね!絶対よ!キャ~~~、中学生でこんなステキな恋愛なんて、マンガみた~い!」
盛り上がっている友人たちを尻目に、さくらはマテラスについて考えてみるのだった...
・・・
その夜、さくらは友達の言葉を思い返していた。
(セーちゃんはマー君のこと好きなの?)
(『その人のことをいつも考えてしまう』とか『その人のことを考えるとドキドキする』とか『一緒にいると楽しい』とか)
「マテラスの事か...考えたこともなかった...」
「『その人のことをいつも考えてしまう』…か、確かにマテラスとの闘いのことはいつも考えちゃうなぁ~」
・・・そういう意味ではないのでは...
「『その人のことを考えるとドキドキする』…か、確かにマテラスとの闘いを考えるとエキサイティングしてドキドキする」
・・・いや、そういうドキドキとは違うんですけど...
「『一緒にいると楽しい』…か、確かにマテラスとの闘いは楽しい。魔法を放つ爽快感は最高だよぉ~」
・・・だから、好きなのは闘いであって、マテラスではないのでは...
「これって、『マテラスを好き』ってことでいいのかなぁ...」
・・・違います。お願い、誰か否定してあげて!
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