14 / 55
Panic 14. おかしなマコリン
しおりを挟む
「はぁ...はぁ...やっと終わった...」
走り終えたマコリンが、地面に倒れ込んでいると、
「遅いよ!ポワン、待ちくたびれちゃった!」
疲れた様子も見せずに、ポワンがやってきて言った。
そんなポワンを首だけを動かして、見上げたマコリンだったが、不思議そうな顔をする。
「あの...どちらさまでしたでしょうか?」
「えっ?!」
意味も分からず、呆然としてしまうポワン。
マコリンもポカンとした顔をして、黙り込んでいる。
「もしかしてマコリン、まだ怒ってるの?ホントに悪かったから!」
ポワンが泣きそうな顔で謝ると、
「お、怒ってなんかいません!!そんな顔しないでください!!」
マコリンは慌てだした。
「どうしたの?そんなのマコリンらしくないよ!」
ポワンはそう言うが、
「ご、ごめんなさい!!気を悪くしたのなら謝ります!だから許してください!」
マコリンは土下座をして、ひたすら謝っている。
「な、何を...」
ポワンが困っていると、
「はぁ...はぁ...さすがお二人ともお速いですわね!わたくしも運動は得意なのですが...」
細雪がやってきて、声をかけてきた。
するとマコリンは真っ青な顔になって、
「ご、ご、ごめんなさい!!私、いい成績をとらないとダメなので必死なんです!別に勝ったとか思ってませんから!!」
細雪に向けて、ペコペコ頭を下げて謝りだした。
「どうしましたの?マコリン...」
「さあ?」
細雪とポワンは、妙に腰の低いマコリンに、首をひねるしかないのだった。
☆彡彡彡
「じゃあ、戻ろっか!」
体育の時間が終わると、そう言ってポワンがマコリンを誘うが、
「な、なんで私なんかと親しくしてくれるんですか?そんなことすると周りのみんなが...」
マコリンは心配そうに辺りを気にしている。
「もう!まだその遊びしてるの?早く行こ!その...早く着替えたいし...」
ポワンは呆れた様子だったが、一転、顔を赤らめて、更に急かすと、
「そ、そうですね!もたもたしてたら、皆さんの邪魔になりますし...」
マコリンも同意し、校舎内へと歩きだした。
「こっちだよ!」
教室へ戻ろうとするマコリンの腕をとると、ポワンは小部屋へと引っ張っていく。
「えっ?でも...」
戸惑いつつも、マコリン専用の小部屋にたどり着くと、
「ここって!!」
マコリンは目も飛び出さんばかりに驚いていた。
「大丈夫!鍵はポワンが持ってるから!」
そう言うと、ポワンは鍵を開け、先に入っていく。
立ち尽くしているマコリンに、ポワンの声がかけられる。
「早く~~~~!」
「は、はい!」
マコリンは急かされるように、部屋に続いた。
「あの...ポワン様は特別待遇で?」
マコリンが及び腰で、ポワンから距離をとると、
「あっ!ポワン、もしかして汗臭い?」
ポワンが恥ずかしそうな顔をする。
「そ、そんなこと!!...とっても...その...素敵なにおいだと思います!!」
マコリンが慌てて答えると、
「良かった!」
笑顔になったポワンが体操服を脱ぎだす。
モワッと汗のにおいが辺りに漂う。
(いけない!イヤな顔をしては!)
マコリンは平静を保ちつつ、自らも体操服を脱ぐ。
<モワッ!>
同じく、汗のにおいが広がった。
「ご、ご、ごめんなさい!!」
マコリンは真っ赤になって謝るが、
「謝ることないよ!マコリンの汗だもん!...もっと嗅がせて!!」
ポワンがマコリンに近づくと、鼻を動かしている。
(やだ!)
真っ赤になるマコリンだったが、
「あれ?」
ポワンが何かに気づく。
「な、な、なんですか?...やはりにおいが...」
マコリンが焦っていると、
「その下着、どうしたの?」
ポワンがマコリンの下着を見て、戸惑っていた。
「ご、ごめんなさい!私、下着を買う余裕もなくて...」
マコリンの下着は白一色の飾りのないもの。
また、あちこち、ほつれていた。
「そうじゃなくて!!...朝と違う!ちょっと脱いでみて!」
ポワンがマコリンの下着に手をかける。
「ま、待ってください!!ポワン様!!」
マコリンが真っ赤になって止めようとするが、
「ちょっとだけだから!...ダメ?」
上目でお願いしてくるポワンに、
(可愛い!!)
そう思ってしまったマコリンは、下着を押さえる手が緩んでしまう。
「隙あり!!」
その瞬間を逃さず、ポワンはマコリンの下着を下ろしきってしまった。
「キャ~~~~!!」
悲鳴を上げ、そこを隠すマコリン。
「今日はそっちは見ないよ!」
そう言ったポワンは、下着を無理やり足から抜く。
そしてしげしげと見つめると、
「こんなに汚れて...シミになってる...」
頬を緩め、つぶやいた。
「キャ~~~~!!見ないでくださ~~い!!」
またしても声を上げるマコリン。その顔は耳まで染まっている。
「においはと...」
しかし、それを無視してポワンは、下着に鼻を近づける。
「ダメ!」
マコリンは止めようとするが、あそこを手で隠しているため、妨害する手段がない。
そのまま下着に顔を突っ込み、大きく息を吸い込んだポワン。
「うっ!すごい!!...マコリンのにおいでいっぱいだ!!それに...少しだけどおしっこのにおいも混じってる...」
少し顔をしかめたが、すぐに恍惚の表情に変わるポワン。
「ご、ごめんなさい!!替える下着もありませんし、洗濯も切り詰めてますから...もう一週間近く替えてなくて...お風呂も入っていませんし...」
マコリンは恥ずかしさの中にも、申し訳なさそうな顔で謝ってくる。しかし、
「はぁ...はぁ...マコリンのにおい!!...こんなすごいの初めて!!」
ポワンは下着のにおいを夢中で嗅いでいた。
「キャッ!」
その様子を見て、あそこを隠すのも忘れ、両手で顔をふさいでしまうマコリン。
しかし、そんなマコリンの耳にポワンの声が届いた。
「あなた、マコリンじゃないでしょ!!」
「えっ?!」
驚いたマコリンがポワンを見ると、下着から顔を離し、睨むような目でマコリンを見つめている。
<チラッ!>
...時々、名残惜しそうに下着の方に目が移るが...
「そ、そんな!...私は星乃宮真子。愛称はマコリンです!」
マコリンは困ったように答える。
「マコリンの下着は、毎朝、ポワンがきれいにしてるの!こんなになるはずない!...それにこんな安い下着、マコリンははかない!」
そんなマコリンに、ポワンは宣告する。
「そ、そんなこと言われましても...私はこの学校にずっと通っているマコリンです!」
マコリンはそう言うしかない。
当たり前のことを証明するのは難しいのだ。
「そう。ある意味それは正解。だけど、この世界ではそうではないの!あなたの正体は...」
ポワンはマコリンに対して指を突きつけると、一呼吸置く。
<ゴクッ!>
緊張のあまり、マコリンののどが鳴る。
その後、ポワンは真実を告げた。
「違う世界のマコリンなの!!」
走り終えたマコリンが、地面に倒れ込んでいると、
「遅いよ!ポワン、待ちくたびれちゃった!」
疲れた様子も見せずに、ポワンがやってきて言った。
そんなポワンを首だけを動かして、見上げたマコリンだったが、不思議そうな顔をする。
「あの...どちらさまでしたでしょうか?」
「えっ?!」
意味も分からず、呆然としてしまうポワン。
マコリンもポカンとした顔をして、黙り込んでいる。
「もしかしてマコリン、まだ怒ってるの?ホントに悪かったから!」
ポワンが泣きそうな顔で謝ると、
「お、怒ってなんかいません!!そんな顔しないでください!!」
マコリンは慌てだした。
「どうしたの?そんなのマコリンらしくないよ!」
ポワンはそう言うが、
「ご、ごめんなさい!!気を悪くしたのなら謝ります!だから許してください!」
マコリンは土下座をして、ひたすら謝っている。
「な、何を...」
ポワンが困っていると、
「はぁ...はぁ...さすがお二人ともお速いですわね!わたくしも運動は得意なのですが...」
細雪がやってきて、声をかけてきた。
するとマコリンは真っ青な顔になって、
「ご、ご、ごめんなさい!!私、いい成績をとらないとダメなので必死なんです!別に勝ったとか思ってませんから!!」
細雪に向けて、ペコペコ頭を下げて謝りだした。
「どうしましたの?マコリン...」
「さあ?」
細雪とポワンは、妙に腰の低いマコリンに、首をひねるしかないのだった。
☆彡彡彡
「じゃあ、戻ろっか!」
体育の時間が終わると、そう言ってポワンがマコリンを誘うが、
「な、なんで私なんかと親しくしてくれるんですか?そんなことすると周りのみんなが...」
マコリンは心配そうに辺りを気にしている。
「もう!まだその遊びしてるの?早く行こ!その...早く着替えたいし...」
ポワンは呆れた様子だったが、一転、顔を赤らめて、更に急かすと、
「そ、そうですね!もたもたしてたら、皆さんの邪魔になりますし...」
マコリンも同意し、校舎内へと歩きだした。
「こっちだよ!」
教室へ戻ろうとするマコリンの腕をとると、ポワンは小部屋へと引っ張っていく。
「えっ?でも...」
戸惑いつつも、マコリン専用の小部屋にたどり着くと、
「ここって!!」
マコリンは目も飛び出さんばかりに驚いていた。
「大丈夫!鍵はポワンが持ってるから!」
そう言うと、ポワンは鍵を開け、先に入っていく。
立ち尽くしているマコリンに、ポワンの声がかけられる。
「早く~~~~!」
「は、はい!」
マコリンは急かされるように、部屋に続いた。
「あの...ポワン様は特別待遇で?」
マコリンが及び腰で、ポワンから距離をとると、
「あっ!ポワン、もしかして汗臭い?」
ポワンが恥ずかしそうな顔をする。
「そ、そんなこと!!...とっても...その...素敵なにおいだと思います!!」
マコリンが慌てて答えると、
「良かった!」
笑顔になったポワンが体操服を脱ぎだす。
モワッと汗のにおいが辺りに漂う。
(いけない!イヤな顔をしては!)
マコリンは平静を保ちつつ、自らも体操服を脱ぐ。
<モワッ!>
同じく、汗のにおいが広がった。
「ご、ご、ごめんなさい!!」
マコリンは真っ赤になって謝るが、
「謝ることないよ!マコリンの汗だもん!...もっと嗅がせて!!」
ポワンがマコリンに近づくと、鼻を動かしている。
(やだ!)
真っ赤になるマコリンだったが、
「あれ?」
ポワンが何かに気づく。
「な、な、なんですか?...やはりにおいが...」
マコリンが焦っていると、
「その下着、どうしたの?」
ポワンがマコリンの下着を見て、戸惑っていた。
「ご、ごめんなさい!私、下着を買う余裕もなくて...」
マコリンの下着は白一色の飾りのないもの。
また、あちこち、ほつれていた。
「そうじゃなくて!!...朝と違う!ちょっと脱いでみて!」
ポワンがマコリンの下着に手をかける。
「ま、待ってください!!ポワン様!!」
マコリンが真っ赤になって止めようとするが、
「ちょっとだけだから!...ダメ?」
上目でお願いしてくるポワンに、
(可愛い!!)
そう思ってしまったマコリンは、下着を押さえる手が緩んでしまう。
「隙あり!!」
その瞬間を逃さず、ポワンはマコリンの下着を下ろしきってしまった。
「キャ~~~~!!」
悲鳴を上げ、そこを隠すマコリン。
「今日はそっちは見ないよ!」
そう言ったポワンは、下着を無理やり足から抜く。
そしてしげしげと見つめると、
「こんなに汚れて...シミになってる...」
頬を緩め、つぶやいた。
「キャ~~~~!!見ないでくださ~~い!!」
またしても声を上げるマコリン。その顔は耳まで染まっている。
「においはと...」
しかし、それを無視してポワンは、下着に鼻を近づける。
「ダメ!」
マコリンは止めようとするが、あそこを手で隠しているため、妨害する手段がない。
そのまま下着に顔を突っ込み、大きく息を吸い込んだポワン。
「うっ!すごい!!...マコリンのにおいでいっぱいだ!!それに...少しだけどおしっこのにおいも混じってる...」
少し顔をしかめたが、すぐに恍惚の表情に変わるポワン。
「ご、ごめんなさい!!替える下着もありませんし、洗濯も切り詰めてますから...もう一週間近く替えてなくて...お風呂も入っていませんし...」
マコリンは恥ずかしさの中にも、申し訳なさそうな顔で謝ってくる。しかし、
「はぁ...はぁ...マコリンのにおい!!...こんなすごいの初めて!!」
ポワンは下着のにおいを夢中で嗅いでいた。
「キャッ!」
その様子を見て、あそこを隠すのも忘れ、両手で顔をふさいでしまうマコリン。
しかし、そんなマコリンの耳にポワンの声が届いた。
「あなた、マコリンじゃないでしょ!!」
「えっ?!」
驚いたマコリンがポワンを見ると、下着から顔を離し、睨むような目でマコリンを見つめている。
<チラッ!>
...時々、名残惜しそうに下着の方に目が移るが...
「そ、そんな!...私は星乃宮真子。愛称はマコリンです!」
マコリンは困ったように答える。
「マコリンの下着は、毎朝、ポワンがきれいにしてるの!こんなになるはずない!...それにこんな安い下着、マコリンははかない!」
そんなマコリンに、ポワンは宣告する。
「そ、そんなこと言われましても...私はこの学校にずっと通っているマコリンです!」
マコリンはそう言うしかない。
当たり前のことを証明するのは難しいのだ。
「そう。ある意味それは正解。だけど、この世界ではそうではないの!あなたの正体は...」
ポワンはマコリンに対して指を突きつけると、一呼吸置く。
<ゴクッ!>
緊張のあまり、マコリンののどが鳴る。
その後、ポワンは真実を告げた。
「違う世界のマコリンなの!!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる