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Burst27. オテンバ姫の冒険(後編)
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「ちっ!結局、あの街では慰謝料まで取られちまった!赤字だ!赤字!」
ユメミルたちがパーティを結成してから一年が経とうとしていた。三人はいろいろな街を訪れていた。
今回、寄った街では、金持ちの子供を誘拐して、身代金を取ろうとしたが、その子が虐待されていたことを知り、親権を争って裁判をしてきたのだ。
結局、裁判では予想通り負けたが、この裁判で虐待が明らかとなり、子供は公的施設に保護された。
「でも、あの子がちゃんと保護されてホッとしました。もしかしてダーリンはこれを目的に誘拐を?」
「も、もちろん!あたいは弱い者の味方だからな!」
ユメミルはそう言うが、冷や汗が出ている。
「ふ~~~ん...」
白い目で見るオテンバに対し、サユリは、
「素敵です!さすが私の将来の旦那様...ご褒美です!」
「チュッ!」
サユリがユメミルの頬にキスをする。
「や、やめろ!オテンバが見てるじゃねぇか!」
「もう...照れちゃって...可愛い...」
サユリがにっこりと微笑むとユメミルは照れてそっぽを向いてしまった。
「あなたたちも変わったわねぇ...最初は嫌がってたのに...」
「えっ?私たちは最初からこうですが...」
不思議そうな顔のサユリ。
「気づかないまま落としちゃったのね...その度胸には感心するわ...」
「おめぇは黙ってろ!」
結局、人に好かれることに慣れていなかったユメミルはサユリの猛アタックの前にあえなく落ちたのだった。
それから数日後、次の街へと向かっていると、
「なんか霧が出てきたな...」
三人の周りを濃い霧が包みだす。
「迷わないように手を握って!」
オテンバが言う。
「キャッ!そこ手じゃありません!」
「あっ、悪ぃ」
「ダーリンだったのですか!なら...もっと強く握っても...」
「ちょっと!私のいないとこでやりなさいよ!」
「そうはいっても、どこでもいいから掴まってないとバラバラになるだろうが!」
「どこでもっっ!!そ、そこは結婚するまで...」
「だからその話は後でしなさい!」
・・・
大混乱の後、気づけば霧は晴れていた。目の前には街が。
「あっ、いつの間にかキンリンの街に着いてたみたいよ!」
「待て!ここはキンリンじゃねぇ!」
「ダーリンはこの街を知っているのですか?」
「あたいが知ってるのはキンリンだ。ここはキンリンじゃねぇ!見たことねぇ街だ!」
三人の目の前に広がる街は、大きな神殿がそびえる、厳かな街だった。
三人が街に入ると、人はまばらだった。
みんな若い女性で胸の形がはっきり見えるピッタリのTシャツを着ている。
サイズはそれぞれだが、皆、美乳だった。
「もしかして、ここ、オーパイ?みんな神殿で胸を自分の好きなサイズにしてもらったとか?」
オテンバが推測する。
「だったら、神殿に行ってみようぜ!」
「はい!ダーリンについていきます!」
三人は街の奥にある神殿へと向かっていった。
神殿の入口には一人の女性が。街の女性に比べると幾分、年上に見える。
「あなた方も胸のサイズの変えにいらしたのですか?」
女性はにっこり笑って話しかけてきた。
「あの...ここはオーパイなの?」
オテンバが聞くと、
「そうです。皆さんにはその資格があると判断され、招待させていただきました」
女性が答えた。
「資格?」
オテンバは何かその言い方が気になったので聞き直してみたが、
「どうぞ中へお進みください。胸をできるだけですが、希望のサイズに変えて差し上げましょう」
女性はそう言って、その問いには答えなかった。
「よし!行くぞ!」
「はい!ダーリン!」
ユメミルとサユリが神殿の中へと入っていく。
「気をつけてね!」
オテンバが言うが、
「あぁ、大きくなったあたいの美乳を見て驚くなよ!」
「私もダーリンの理想の胸に...もっと喜んでいただけますね!」
二人は大きく手を振ると中へと消えていった。
「あなたは胸のサイズを変えないのですか?」
オテンバが入口の女性に聞かれる。
「私は今ので気に入ってるから変えないわ」
そう言うと、
「残念です...ではお先に帰っていただきますね!」
オテンバの体が光る。
次に気がついた時にはキンリンの街の中にいた。
「どういうこと?ユメミル!サユリ!」
オテンバは自分の身に起こったことを理解するのに少しの時間を要した。
どうやら転移させられたらしい。
「もしかして...魔法?」
オテンバは魔法の存在を知っていた。
しかし、魔法は滅びたはず。
でも、それ以外にこの現象を説明できる方法はなかった。
しばらく待っていると、ユメミルが転移してきた。
オテンバは駆け寄り、声を掛ける。
「どうだった?その胸!大きくしてもらえたのね!良かったじゃない!サユリは?」
しかし、ユメミルはオテンバの存在に気づかないかのようにブツブツ言いながらどこかに歩いていった。
「やった...Cカップ...自慢...虚しい?...何故...何故...何故...」
「ちょっとユメミル!勝手に動いたらはぐれちゃうわよ!サユリを待たないと!」
しかし、気がついた時にはユメミルは見えなくなっていた。
「ユメミル...」
ちょうどその時、サユリが転移してくる。
「ダーリン!」
サユリは錯乱しているようだ。オテンバを見つけると、
「ダーリンはどこ?!胸はどうだった?!記憶は?!」
次々と質問してくる。
「ちょっと、落ち着きなさい!ユメミルの胸は大きくなってたわよ。Cカップくらいかしら...でもブツブツ言いながらどこか行っちゃって...あら、あなた胸を小さくしてもらったんじゃないの?」
サユリの胸はEカップのままだった。
「そんな...ダーリ~~~ン!!」
サユリはそう言うと、オテンバの指さしている方向に走っていった。
「ちょっと!ユメミル連れてここに戻ってくるのよ~~!!」
しかし、いくら待てども二人が戻ってくることはなかった...
・・・
「これがおばあ様から聞いた昔話じゃ...」
「「「・・・」」」
「それからおばあ様はあちこち探したらしいのじゃが、あきらめて国に帰ってきた。その後もおばあ様のおてんばは相変わらずじゃったが、妾はおばあ様が心から笑った顔を見たことがない」
「「「・・・」」」
「それと、おばあ様は寝るときに寝室の窓の鍵を決して閉めなかったそうじゃ。きっとユメミルがまた来た時、困らないようにとの配慮だったのじゃろうな...」
「「「・・・」」」
「そして、ちょうど、おばあ様が帰ってきてから40年目の朝。おばあ様は寝室の椅子に座ったまま亡くなっておった。春先じゃが寒い夜じゃったのに部屋の窓は開け放たれ、一晩、寝ずに座っておったようじゃ...その顔は涙でいっぱいじゃった...」
「「「・・・」」」
「医者は寒さによる衰弱死じゃと言っておったが、妾はそうは思っておらぬ。おばあ様は最後の希望を捨てたのじゃ。ユメミルたちとの冒険がおばあ様の全て。それが叶わぬと悟ったとき、生きる意味も失ったんじゃろう...」
「そんな...悲しすぎるよ...」
オトメが涙を流す。
この世界の平均寿命は60才くらい。必ずしも早死にとはいえないが、それでもその話はオトメたちの心を深く抉った。
「グスッ...グスッ...」
三人の泣く声が部屋にこだまする。
「どうじゃ?それでもオーパイを目指すか?」
アネノ姫がオトメたちに聞く。
「私、確かめたい!ユメミルさんたちに何があったのか!それともし、ユメミルさんとサユリさんが生きているのなら会わせてあげたい!...オーパイに行くかどうか決めるのはそれからでも遅くないと思う!...どうかな?マリアちゃん...」
「そうですね。まずは真実を知らなくては!その為にはサユリさんに会う必要があります!行きましょう!ニホンノ帝国に!」
「ああ。私もこんな話を聞いては放ってはおけない!ニホンノ帝国は私が剣道を習った場所だ!案内しよう!」
三人の意見は同じだった。
「本気か?ニホンノ帝国といっても広いぞ。それにサユリがまだ生きているかどうか...」
「それでも行かねばなりません!ねっ!オトメさん!」
「うん!!」
「もちろん!!」
二人が笑顔で返事をする。
「ふむ。困った奴らじゃのう。何か必要なものがあれば言ってくれ。なんなりと用意させよう」
そう言うアネノ姫の顔も笑っていた。
ユメミルたちがパーティを結成してから一年が経とうとしていた。三人はいろいろな街を訪れていた。
今回、寄った街では、金持ちの子供を誘拐して、身代金を取ろうとしたが、その子が虐待されていたことを知り、親権を争って裁判をしてきたのだ。
結局、裁判では予想通り負けたが、この裁判で虐待が明らかとなり、子供は公的施設に保護された。
「でも、あの子がちゃんと保護されてホッとしました。もしかしてダーリンはこれを目的に誘拐を?」
「も、もちろん!あたいは弱い者の味方だからな!」
ユメミルはそう言うが、冷や汗が出ている。
「ふ~~~ん...」
白い目で見るオテンバに対し、サユリは、
「素敵です!さすが私の将来の旦那様...ご褒美です!」
「チュッ!」
サユリがユメミルの頬にキスをする。
「や、やめろ!オテンバが見てるじゃねぇか!」
「もう...照れちゃって...可愛い...」
サユリがにっこりと微笑むとユメミルは照れてそっぽを向いてしまった。
「あなたたちも変わったわねぇ...最初は嫌がってたのに...」
「えっ?私たちは最初からこうですが...」
不思議そうな顔のサユリ。
「気づかないまま落としちゃったのね...その度胸には感心するわ...」
「おめぇは黙ってろ!」
結局、人に好かれることに慣れていなかったユメミルはサユリの猛アタックの前にあえなく落ちたのだった。
それから数日後、次の街へと向かっていると、
「なんか霧が出てきたな...」
三人の周りを濃い霧が包みだす。
「迷わないように手を握って!」
オテンバが言う。
「キャッ!そこ手じゃありません!」
「あっ、悪ぃ」
「ダーリンだったのですか!なら...もっと強く握っても...」
「ちょっと!私のいないとこでやりなさいよ!」
「そうはいっても、どこでもいいから掴まってないとバラバラになるだろうが!」
「どこでもっっ!!そ、そこは結婚するまで...」
「だからその話は後でしなさい!」
・・・
大混乱の後、気づけば霧は晴れていた。目の前には街が。
「あっ、いつの間にかキンリンの街に着いてたみたいよ!」
「待て!ここはキンリンじゃねぇ!」
「ダーリンはこの街を知っているのですか?」
「あたいが知ってるのはキンリンだ。ここはキンリンじゃねぇ!見たことねぇ街だ!」
三人の目の前に広がる街は、大きな神殿がそびえる、厳かな街だった。
三人が街に入ると、人はまばらだった。
みんな若い女性で胸の形がはっきり見えるピッタリのTシャツを着ている。
サイズはそれぞれだが、皆、美乳だった。
「もしかして、ここ、オーパイ?みんな神殿で胸を自分の好きなサイズにしてもらったとか?」
オテンバが推測する。
「だったら、神殿に行ってみようぜ!」
「はい!ダーリンについていきます!」
三人は街の奥にある神殿へと向かっていった。
神殿の入口には一人の女性が。街の女性に比べると幾分、年上に見える。
「あなた方も胸のサイズの変えにいらしたのですか?」
女性はにっこり笑って話しかけてきた。
「あの...ここはオーパイなの?」
オテンバが聞くと、
「そうです。皆さんにはその資格があると判断され、招待させていただきました」
女性が答えた。
「資格?」
オテンバは何かその言い方が気になったので聞き直してみたが、
「どうぞ中へお進みください。胸をできるだけですが、希望のサイズに変えて差し上げましょう」
女性はそう言って、その問いには答えなかった。
「よし!行くぞ!」
「はい!ダーリン!」
ユメミルとサユリが神殿の中へと入っていく。
「気をつけてね!」
オテンバが言うが、
「あぁ、大きくなったあたいの美乳を見て驚くなよ!」
「私もダーリンの理想の胸に...もっと喜んでいただけますね!」
二人は大きく手を振ると中へと消えていった。
「あなたは胸のサイズを変えないのですか?」
オテンバが入口の女性に聞かれる。
「私は今ので気に入ってるから変えないわ」
そう言うと、
「残念です...ではお先に帰っていただきますね!」
オテンバの体が光る。
次に気がついた時にはキンリンの街の中にいた。
「どういうこと?ユメミル!サユリ!」
オテンバは自分の身に起こったことを理解するのに少しの時間を要した。
どうやら転移させられたらしい。
「もしかして...魔法?」
オテンバは魔法の存在を知っていた。
しかし、魔法は滅びたはず。
でも、それ以外にこの現象を説明できる方法はなかった。
しばらく待っていると、ユメミルが転移してきた。
オテンバは駆け寄り、声を掛ける。
「どうだった?その胸!大きくしてもらえたのね!良かったじゃない!サユリは?」
しかし、ユメミルはオテンバの存在に気づかないかのようにブツブツ言いながらどこかに歩いていった。
「やった...Cカップ...自慢...虚しい?...何故...何故...何故...」
「ちょっとユメミル!勝手に動いたらはぐれちゃうわよ!サユリを待たないと!」
しかし、気がついた時にはユメミルは見えなくなっていた。
「ユメミル...」
ちょうどその時、サユリが転移してくる。
「ダーリン!」
サユリは錯乱しているようだ。オテンバを見つけると、
「ダーリンはどこ?!胸はどうだった?!記憶は?!」
次々と質問してくる。
「ちょっと、落ち着きなさい!ユメミルの胸は大きくなってたわよ。Cカップくらいかしら...でもブツブツ言いながらどこか行っちゃって...あら、あなた胸を小さくしてもらったんじゃないの?」
サユリの胸はEカップのままだった。
「そんな...ダーリ~~~ン!!」
サユリはそう言うと、オテンバの指さしている方向に走っていった。
「ちょっと!ユメミル連れてここに戻ってくるのよ~~!!」
しかし、いくら待てども二人が戻ってくることはなかった...
・・・
「これがおばあ様から聞いた昔話じゃ...」
「「「・・・」」」
「それからおばあ様はあちこち探したらしいのじゃが、あきらめて国に帰ってきた。その後もおばあ様のおてんばは相変わらずじゃったが、妾はおばあ様が心から笑った顔を見たことがない」
「「「・・・」」」
「それと、おばあ様は寝るときに寝室の窓の鍵を決して閉めなかったそうじゃ。きっとユメミルがまた来た時、困らないようにとの配慮だったのじゃろうな...」
「「「・・・」」」
「そして、ちょうど、おばあ様が帰ってきてから40年目の朝。おばあ様は寝室の椅子に座ったまま亡くなっておった。春先じゃが寒い夜じゃったのに部屋の窓は開け放たれ、一晩、寝ずに座っておったようじゃ...その顔は涙でいっぱいじゃった...」
「「「・・・」」」
「医者は寒さによる衰弱死じゃと言っておったが、妾はそうは思っておらぬ。おばあ様は最後の希望を捨てたのじゃ。ユメミルたちとの冒険がおばあ様の全て。それが叶わぬと悟ったとき、生きる意味も失ったんじゃろう...」
「そんな...悲しすぎるよ...」
オトメが涙を流す。
この世界の平均寿命は60才くらい。必ずしも早死にとはいえないが、それでもその話はオトメたちの心を深く抉った。
「グスッ...グスッ...」
三人の泣く声が部屋にこだまする。
「どうじゃ?それでもオーパイを目指すか?」
アネノ姫がオトメたちに聞く。
「私、確かめたい!ユメミルさんたちに何があったのか!それともし、ユメミルさんとサユリさんが生きているのなら会わせてあげたい!...オーパイに行くかどうか決めるのはそれからでも遅くないと思う!...どうかな?マリアちゃん...」
「そうですね。まずは真実を知らなくては!その為にはサユリさんに会う必要があります!行きましょう!ニホンノ帝国に!」
「ああ。私もこんな話を聞いては放ってはおけない!ニホンノ帝国は私が剣道を習った場所だ!案内しよう!」
三人の意見は同じだった。
「本気か?ニホンノ帝国といっても広いぞ。それにサユリがまだ生きているかどうか...」
「それでも行かねばなりません!ねっ!オトメさん!」
「うん!!」
「もちろん!!」
二人が笑顔で返事をする。
「ふむ。困った奴らじゃのう。何か必要なものがあれば言ってくれ。なんなりと用意させよう」
そう言うアネノ姫の顔も笑っていた。
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