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Burst17. 砂漠越えの旅
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「ふ~~、暑いねぇ...」
オトメたちが砂漠に作られた街道を進んでいる。
砂漠といってもところどころに木が立っており、灌木なども育っている。
道も砂に覆われるということは滅多になく、歩きにくいわけでもない。
しかし、降り注ぐ日光は強く、真昼は道の駅で休むようにしていた。
「そうですね。歩いて渡るのは初めてですが、思った以上にきついです。でも40キロくらいしかないはずですから、二日だけの我慢です」
「二日かぁ...長いなぁ...」
オトメが愚痴を言う。グレースも、
「あ~、このマント、邪魔だなぁ。せっかくの戦闘服が...」
オトメたちはフード付きのマントに身を包んでいた。
こうしないと肌が焼けてしまうのだ。
「そうですね。私の可愛い姿をオトメさんに見てもらいたいのに...」
「大丈夫!マリアちゃんが可愛いのは知ってるから!」
「オトメさん...」
マリアの頬が赤くなる。
その時、突然、目の前に魔物が現れた。
砂の色に擬態し、こっそりと近づいてくる中級の魔物、『サバクモドキ』だ。
「キャッ!」
マリアが襲われそうになるが、
「はっ!」
グレースが一刀のもとに消し去った。
「ありがとうございます。グレースさん」
「師匠の身を守るのは私の仕事だ。それに魔物を倒さないと体がなまる。ちょうどいい」
「さっきからグレースちゃんばっかり倒してるね。私も強くなったのに...」
「そうなのか?じゃあ、次はオトメが倒してくれ。見てみたい」
「私だって倒したいよ!だけど、この辺りの魔物、不意打ちばっかりだよね。なかなか、遠くから見つけられない...」
実際、砂漠に住む魔物は特殊なものが多い。
灌木に隠れ、急に襲い掛かる『サバクシノビ』。
砂の中を移動し、急に現れる『サバクモグラ』などで、体の色も砂に溶け込むような色をしており見つけにくい。
「オトメもまだまだだな」
グレースが言うと、オトメはふくれっ面になる。
「今度こそ私が倒すんだから!」
するとマリアが不思議そうに聞いてきた。
「二人ともやる気みたいですね。何かあったのですか?」
「それは...」
「いやぁ、どっちがマリア師匠を守れるか勝負してるんだ。特に私は加入したばかりだから、強い所を見せないと!」
グレースは言葉に詰まるオトメに代わって、何とか誤魔化した。
「お二人ともお強いのは知っています。私ったら守られてばかりで...村でもいつの間にかお二人が倒されたようですし...私、恥ずかしいです...」
「そんなことないよ!マリアちゃん、最強!」
「そうだ!なんだかんだ言って私たち、結構助けられているのだから、気にすることはない!」
「そう言っていただけるとありがたいのですが...」
マリアは少し、役に立てない後ろめたさを感じているようだった。
「そういえば、オトメはどうやって強くなったんだ?」
グレースが空気を変えようと話を振る。
「そ、それは...」
「まあ、私も聞きたいです!」
マリアも興味津々のようだった。
「絶対、秘密!」
オトメはマリアの胸を一瞬見ると赤くなって、ムキになって横を向いてしまった。すると、
「見つけた!」
オトメは遠くから近づいてくる砂の山を見つけた。
おそらく『サバクモグラ』だろう。
「いっくよ~~~!!」
オトメが目を閉じる。そして、
一、で手を前に出す。何かをつかむ感じだ。その頬はうれしそうに緩んでいる。
二、で手を組む。胸を隠す感じだろうか。ちょっと恥ずかしそうな表情に変わる。
三、で手が広がる。胸が大きく押し出される感じがする。顔が明るい色に変わる。
四、で再び手を前に広げる。何かを迎え入れる感じだ。その表情は前にも増してうれしそうだ。少し恥ずかしそうでもある。
五、で「あぁぁ~~~~~~ん!!!マリ...」以前よりも遥かに官能的な叫び声をあげる。何か言おうとしたようだが、そこで声が止まる。
ちょうどテンポ72。ここまで四秒ちょいだ。
手にはバースト・ボールが。その大きさは前より一回り大きい。
オトメがバースト・ボールを投げつけると『サバクモグラ』は消えた。
ついでにバースト・パワーに引き寄せられた『サバクシノビ』も消した。
「すごいじゃないか!前より作り出すスピードも大きさもワンランクアップしている!」
「何かアクションをされていましたね!何を想像していらしたのですか?それに誰かの名前を呼んだような...」
「な、なんでもない!単なるポーズだから!こっちの方がかっこいいでしょ!気にしないで!」
オトメは真っ赤になりながら目をそらせた。
「お、オトメが照れてる」
「可愛いです!」
二人はそんなオトメを見て笑っていた。
しかし、オトメは心の中でひたすら謝っていた。
(ゴメンね!マリアちゃん!ホントにバースト・ボールを出すのだけが目的だから!それ以外の意味はないから!)
そこでふと、グレースが何かに気づいたようだ。
「オトメ、ちょっとくさくないか?ちゃんとデオドラントしてるか?」
「ちょっと、グレースさん!そんなこと、本人の前で言っては...」
「えっ!...」
オトメはショックを受けたようだ。
「だって、こんな暑い中、歩いてたら...グレースちゃんだって...」
そう言って、グレースの近くによる。
しかし、それほど汗くさくはない。
「なんで!!」
「なんでって、デオドラントは必須だろう。出かける前に、日焼け止めとあわせてしっかりしてきた」
「グレースちゃんがそんな女の子みたいなこと...」
「ふふん。私だって師匠にいろいろ教えてもらってるんだ。もうオトメを超えたかもな!」
「そんな!マリアちゃん!なんで言ってくれなかったの?」
「オトメさんはそのくらい常識だと思いまして...言えばむしろ失礼になるかと思いましたが、まさかしていなかったとは...」
オトメは自分のわきのにおいを嗅ぐ。
「うっ!...え~~~ん。私、女の子失格だ~~~!胸もないし、きっと男の子だったんだ~~~!」
オトメは泣き出してしまった。
「いいじゃないか。男ならマリア師匠との間に子供...ぐっ!」
グレースのみぞおちにマリアの肘が決まる。
「そ、そんなことありませんよ!とってもいい香りです。ずっと嗅いでいたいくらい...」
しかし、マリアの笑い顔はどこか嘘っぽい。
「わ~~~~~ん!!」
オトメはもっと泣き出してしまった。
「まあ、どうしましょう...でも泣いているオトメさんも可愛らしい...や、やっぱり抱きしめてあげるべきでしょうか?!」
マリアはオトメの前で手を広げたが、そのまま躊躇している。
「やっぱり、いやなんだ~~!汗くさい私なんか抱きしめられないんだ~~!」
その様子を見たオトメが更に泣き出す。
「そ、そんなことありません!私、オトメさんだったら!」
マリアが抱きしめようとすると、今度はオトメが逃げる。
「ダメ!マリアちゃんのいい香りが台無しになっちゃう!」
「私...どうすれば...」
マリアが困惑していると、グレースが遠くに何かを見つけたようだ。
「あっ、あれ、オアシスじゃないか?!あそこで水浴びしたらどうだ?その間に服も洗っといてやる。なぁに、この暑さだ、すぐに乾くだろう!」
「そ、そうですね。それはいい考えです!急ぎましょう!」
こうして二人は泣きじゃくるオトメを引きずってオアシスへと向かうのだった。
オトメたちが砂漠に作られた街道を進んでいる。
砂漠といってもところどころに木が立っており、灌木なども育っている。
道も砂に覆われるということは滅多になく、歩きにくいわけでもない。
しかし、降り注ぐ日光は強く、真昼は道の駅で休むようにしていた。
「そうですね。歩いて渡るのは初めてですが、思った以上にきついです。でも40キロくらいしかないはずですから、二日だけの我慢です」
「二日かぁ...長いなぁ...」
オトメが愚痴を言う。グレースも、
「あ~、このマント、邪魔だなぁ。せっかくの戦闘服が...」
オトメたちはフード付きのマントに身を包んでいた。
こうしないと肌が焼けてしまうのだ。
「そうですね。私の可愛い姿をオトメさんに見てもらいたいのに...」
「大丈夫!マリアちゃんが可愛いのは知ってるから!」
「オトメさん...」
マリアの頬が赤くなる。
その時、突然、目の前に魔物が現れた。
砂の色に擬態し、こっそりと近づいてくる中級の魔物、『サバクモドキ』だ。
「キャッ!」
マリアが襲われそうになるが、
「はっ!」
グレースが一刀のもとに消し去った。
「ありがとうございます。グレースさん」
「師匠の身を守るのは私の仕事だ。それに魔物を倒さないと体がなまる。ちょうどいい」
「さっきからグレースちゃんばっかり倒してるね。私も強くなったのに...」
「そうなのか?じゃあ、次はオトメが倒してくれ。見てみたい」
「私だって倒したいよ!だけど、この辺りの魔物、不意打ちばっかりだよね。なかなか、遠くから見つけられない...」
実際、砂漠に住む魔物は特殊なものが多い。
灌木に隠れ、急に襲い掛かる『サバクシノビ』。
砂の中を移動し、急に現れる『サバクモグラ』などで、体の色も砂に溶け込むような色をしており見つけにくい。
「オトメもまだまだだな」
グレースが言うと、オトメはふくれっ面になる。
「今度こそ私が倒すんだから!」
するとマリアが不思議そうに聞いてきた。
「二人ともやる気みたいですね。何かあったのですか?」
「それは...」
「いやぁ、どっちがマリア師匠を守れるか勝負してるんだ。特に私は加入したばかりだから、強い所を見せないと!」
グレースは言葉に詰まるオトメに代わって、何とか誤魔化した。
「お二人ともお強いのは知っています。私ったら守られてばかりで...村でもいつの間にかお二人が倒されたようですし...私、恥ずかしいです...」
「そんなことないよ!マリアちゃん、最強!」
「そうだ!なんだかんだ言って私たち、結構助けられているのだから、気にすることはない!」
「そう言っていただけるとありがたいのですが...」
マリアは少し、役に立てない後ろめたさを感じているようだった。
「そういえば、オトメはどうやって強くなったんだ?」
グレースが空気を変えようと話を振る。
「そ、それは...」
「まあ、私も聞きたいです!」
マリアも興味津々のようだった。
「絶対、秘密!」
オトメはマリアの胸を一瞬見ると赤くなって、ムキになって横を向いてしまった。すると、
「見つけた!」
オトメは遠くから近づいてくる砂の山を見つけた。
おそらく『サバクモグラ』だろう。
「いっくよ~~~!!」
オトメが目を閉じる。そして、
一、で手を前に出す。何かをつかむ感じだ。その頬はうれしそうに緩んでいる。
二、で手を組む。胸を隠す感じだろうか。ちょっと恥ずかしそうな表情に変わる。
三、で手が広がる。胸が大きく押し出される感じがする。顔が明るい色に変わる。
四、で再び手を前に広げる。何かを迎え入れる感じだ。その表情は前にも増してうれしそうだ。少し恥ずかしそうでもある。
五、で「あぁぁ~~~~~~ん!!!マリ...」以前よりも遥かに官能的な叫び声をあげる。何か言おうとしたようだが、そこで声が止まる。
ちょうどテンポ72。ここまで四秒ちょいだ。
手にはバースト・ボールが。その大きさは前より一回り大きい。
オトメがバースト・ボールを投げつけると『サバクモグラ』は消えた。
ついでにバースト・パワーに引き寄せられた『サバクシノビ』も消した。
「すごいじゃないか!前より作り出すスピードも大きさもワンランクアップしている!」
「何かアクションをされていましたね!何を想像していらしたのですか?それに誰かの名前を呼んだような...」
「な、なんでもない!単なるポーズだから!こっちの方がかっこいいでしょ!気にしないで!」
オトメは真っ赤になりながら目をそらせた。
「お、オトメが照れてる」
「可愛いです!」
二人はそんなオトメを見て笑っていた。
しかし、オトメは心の中でひたすら謝っていた。
(ゴメンね!マリアちゃん!ホントにバースト・ボールを出すのだけが目的だから!それ以外の意味はないから!)
そこでふと、グレースが何かに気づいたようだ。
「オトメ、ちょっとくさくないか?ちゃんとデオドラントしてるか?」
「ちょっと、グレースさん!そんなこと、本人の前で言っては...」
「えっ!...」
オトメはショックを受けたようだ。
「だって、こんな暑い中、歩いてたら...グレースちゃんだって...」
そう言って、グレースの近くによる。
しかし、それほど汗くさくはない。
「なんで!!」
「なんでって、デオドラントは必須だろう。出かける前に、日焼け止めとあわせてしっかりしてきた」
「グレースちゃんがそんな女の子みたいなこと...」
「ふふん。私だって師匠にいろいろ教えてもらってるんだ。もうオトメを超えたかもな!」
「そんな!マリアちゃん!なんで言ってくれなかったの?」
「オトメさんはそのくらい常識だと思いまして...言えばむしろ失礼になるかと思いましたが、まさかしていなかったとは...」
オトメは自分のわきのにおいを嗅ぐ。
「うっ!...え~~~ん。私、女の子失格だ~~~!胸もないし、きっと男の子だったんだ~~~!」
オトメは泣き出してしまった。
「いいじゃないか。男ならマリア師匠との間に子供...ぐっ!」
グレースのみぞおちにマリアの肘が決まる。
「そ、そんなことありませんよ!とってもいい香りです。ずっと嗅いでいたいくらい...」
しかし、マリアの笑い顔はどこか嘘っぽい。
「わ~~~~~ん!!」
オトメはもっと泣き出してしまった。
「まあ、どうしましょう...でも泣いているオトメさんも可愛らしい...や、やっぱり抱きしめてあげるべきでしょうか?!」
マリアはオトメの前で手を広げたが、そのまま躊躇している。
「やっぱり、いやなんだ~~!汗くさい私なんか抱きしめられないんだ~~!」
その様子を見たオトメが更に泣き出す。
「そ、そんなことありません!私、オトメさんだったら!」
マリアが抱きしめようとすると、今度はオトメが逃げる。
「ダメ!マリアちゃんのいい香りが台無しになっちゃう!」
「私...どうすれば...」
マリアが困惑していると、グレースが遠くに何かを見つけたようだ。
「あっ、あれ、オアシスじゃないか?!あそこで水浴びしたらどうだ?その間に服も洗っといてやる。なぁに、この暑さだ、すぐに乾くだろう!」
「そ、そうですね。それはいい考えです!急ぎましょう!」
こうして二人は泣きじゃくるオトメを引きずってオアシスへと向かうのだった。
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