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Episode 33. ローズの言い訳
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「えっ!!」
スカーレットの頭が真っ白になる。
今、目の前ではマリーがローブの裾を捲っていた。
そして、その中身を見ようとローズがそこに顔をくっつきそうなほど近づけていた。
「な、な、な、何をしているんですの?!」
スカーレットは真っ赤になり目を逸らす。
「スカーレットちゃん!!」
マリーは赤くなりながら、慌ててローブを直す。
ローズは、後ろを振り向くと、
「こ、こ、こ、これは大事な確認で...マ、マリーが間違った道に進まないように...」
どもりながら言い訳をするが、
「それで自ら下着を見せるような真似をさせてるんですの?!間違っているのはあなたの方ではありませんこと?!」
「いや、確認したかったのは下着じゃなくて...」
スカーレットの言葉にローズは咄嗟に余計なことを口走ってしまう。
「ローズちゃん!!」
その言葉を遮るマリー。その顔は蒸気が出そうなほど真っ赤になっていた。
「下着じゃなくて?」
スカーレットが不思議そうに問い返すが、
「そ、そ、その...」
ローズはしどろもどろで言葉が出てこない。
すると、スカーレットの後ろから落ち着いた声が聞こえてきた。
「お嬢様!他人のことをあれこれ詮索するのは野暮というものですよ!」
それはスカーレットに続いて、屋敷の中に入ってきたワカクサだった。
「で、でも、こんな所であんなことをしているなんて!!」
スカーレットが叫ぶが、
「激しい戦闘の後で気分が昂っていたんでしょう。お嬢様も...」
「ワカクサ!!」
何か言おうとしたワカクサを真っ赤になってスカーレットが止める。
「問題は、二人の同意があったかどうかです。お二人は同意の上でされてたんですよね?」
ワカクサがそんなスカーレットを横目に、マリーとローズに聞いてきた。
「もちろん!!マリーもそうよね?!」
大真面目な顔で聞いてくるローズに、
「う、うん...」
マリーは恥ずかしそうな顔で答えたのだった。
「それなら問題はありません。むしろ二人きりの所に声もかけずに乗り込んだお嬢様にも問題があるといえばあったのでは...」
「そ、それは...」
状況的に見て、どう見てもマリーたちの方に非がありそうだが、そう言われるとスカーレットも悪い気がしてくる。
「...わ、わたくしも確かに配慮が足りませんでしたわ!!ただ、中で大変なことが起こっていたようですので、急を要していましたの!それは分かっていただけて?」
そう言って謝ってきた。
「そ、そうよね!あたしたちもスカーレットたちのことを忘れていたわ!ドラゴスケルトンと戦ってる時はあれほど待っていたのに...自分勝手よね!ごめんなさい...」
その様子を見て、ローズも謝る。
「やっぱり、ドラゴスケルトンでしたのね!!それで...というかその様子ではお二人で倒してしまったようですわね!さすがですわ!!」
『ドラゴスケルトン』という言葉を聞いて、スカーレットが二人を褒めてくる。
「マリーのおかげで何とか...でも二人とも遅かったじゃない!崩れた入口で手間取ってたの?」
ローズがスカーレットたちに聞く。
「それが、入口の前にリッチがおりまして...倒すのに時間がかかってしまいましたの!『すぐに向かう』と言っておきながら...」
スカーレットが申し訳なさそうに言った。
「リッチが?!それじゃ仕方ないよね!!でもスカーレットちゃんたちは二人でリッチを倒したんだ!!すごいね!!」
それを聞いたマリーが褒める。しかし、
「ドラゴスケルトンを倒した方たちに言われましても...それに浄化魔法のレベルも違いますのに...」
かえってスカーレットのプライドを傷つけてしまったようだ。
「ゴ、ゴメン!!そんなつもりじゃ...」
マリーが慌てるが、
「リッチも強敵じゃない!謙遜することないわ!!あたしたちも強力な範囲魔法は辛いかも...」
ローズがそう言ってフォローする。
実際、範囲魔法はローズといえども避けるのは難しい。それに、マリーの身も守らなければならない。
今回はお互い、組み合わせとしては良かったと言えるだろう。
実際、斬撃に耐性のある強敵に打ち勝った二組は称賛されてしかるべき働きだと言えた。
「そうですわね。わたくしたちもリッチに勝てたことを誇りに思っていますの!いつか、ドラゴスケルトンも倒せるようになってみせますわ!!」
ローズの言葉を聞いたスカーレットは元気が出たようだ。そう言って、いつも通りの不敵な顔をする。
「それでこそ、スカーレットちゃんだよ!!」
マリーがうれしそうに微笑むが、
「ただ、今回の反省点としましては、二手に分かれてしまったことですね!まさか、2匹も強敵がいるとは思わなかったというのは事実ですが...」
そこまでの話を黙って聞いていたワカクサが口にする。
「そうね!それにあたしたちも撤退の判断が遅すぎたわ!!不審な骨の塊を見つけた時点で退散するべきだった...そうすれば入口を破壊される前に逃げれたのに...」
ローズも自分なりの反省点を口にした。
「そうですわね!わたくしも去年、冒険者になったばかりですし、お二人はまだひと月くらいでしょう?これを経験として成長していかなくてはなりませんわね!」
スカーレットがそう言って話をまとめた。
「では、帰りましょうか?」
スカーレットが言うと、
「その前に...あの...スカーレットは...マリーの...どこまで見たの?」
ローズが心配そうに聞いてきた。
「なっ!何も見ていませんわ!!ローブを捲っていたのは分かりましたけど、ローズの陰に隠れていましたし...」
スカーレットが赤くなりながら答える。すると、
「そ、そう...良かった...マリーの純潔は守られたのね!」
ローズが心底、ホッとしながら呟く。
ローズからは見えなかったが、角度によっては見えたかもしれないし、マリーの膝から上もできれば他の人には見せたくなかった。
「ロ、ローズちゃん!!」
その言葉に、真っ赤になるマリー。
「そう...まだ二人は...本当にお邪魔だったようですわね!」
何やら意味ありげなことを言うスカーレット。
「まあ!そんなことを!!...お嬢様も今度どうですか?」
そして、興味深げに耳を傾けるワカクサがいた。
☆彡彡彡
<ゴォォォォ~~~~~!!>
トロルロードの集落が燃えていく。
「これで安心ね!!」
ローズがその様子を見ながら言う。
「ええ!今回は大変でしたけど、収穫も多かったですわ!!ローズたちに感謝といったところですわね!!」
スカーレットがそれに答える。
「ゴメン...あたしの不注意のせいで...今回の依頼は共同でやったということに...」
ローズが申し訳なさそうに提案するが、
「いいと言っておりますでしょう!!わたくしは冒険者ですが、同時に貴族です!シェナリー近辺の危険を排除する義務があります!!それに本当にリッチとの戦いで得た収穫は大きかったですわ!!ねぇ!ワカクサ?」
スカーレットがワカクサに同意を求める。
「...お嬢様が強くなられたのは良かったのですが、無茶はなさいませんように...お嬢様のお怪我を見ているのは辛かったです...」
感情を表に出さないワカクサにしては珍しく、悲しそうな顔でそう言う。
「もう!ワカクサは過保護ですわね!!」
そう言うスカーレットも恥ずかしいのか頬が赤らんでいた。
「...二人ってなんていうか...仲がいいね!!」
マリーがその様子に何か感じ取ったのか、口にすると、
「あら?私たちの仲の良さを見たいのですか?お嬢様、どうします??私はここでしても...」
「ワカクサ!!」
何か言おうとしたワカクサをスカーレットが真っ赤になって叱った。
「「???」」
マリーたちは、スカーレットたちの様子を不思議に思いながらも、トロルロードの集落が焼け落ちていくのを見守っていたのだった。
スカーレットの頭が真っ白になる。
今、目の前ではマリーがローブの裾を捲っていた。
そして、その中身を見ようとローズがそこに顔をくっつきそうなほど近づけていた。
「な、な、な、何をしているんですの?!」
スカーレットは真っ赤になり目を逸らす。
「スカーレットちゃん!!」
マリーは赤くなりながら、慌ててローブを直す。
ローズは、後ろを振り向くと、
「こ、こ、こ、これは大事な確認で...マ、マリーが間違った道に進まないように...」
どもりながら言い訳をするが、
「それで自ら下着を見せるような真似をさせてるんですの?!間違っているのはあなたの方ではありませんこと?!」
「いや、確認したかったのは下着じゃなくて...」
スカーレットの言葉にローズは咄嗟に余計なことを口走ってしまう。
「ローズちゃん!!」
その言葉を遮るマリー。その顔は蒸気が出そうなほど真っ赤になっていた。
「下着じゃなくて?」
スカーレットが不思議そうに問い返すが、
「そ、そ、その...」
ローズはしどろもどろで言葉が出てこない。
すると、スカーレットの後ろから落ち着いた声が聞こえてきた。
「お嬢様!他人のことをあれこれ詮索するのは野暮というものですよ!」
それはスカーレットに続いて、屋敷の中に入ってきたワカクサだった。
「で、でも、こんな所であんなことをしているなんて!!」
スカーレットが叫ぶが、
「激しい戦闘の後で気分が昂っていたんでしょう。お嬢様も...」
「ワカクサ!!」
何か言おうとしたワカクサを真っ赤になってスカーレットが止める。
「問題は、二人の同意があったかどうかです。お二人は同意の上でされてたんですよね?」
ワカクサがそんなスカーレットを横目に、マリーとローズに聞いてきた。
「もちろん!!マリーもそうよね?!」
大真面目な顔で聞いてくるローズに、
「う、うん...」
マリーは恥ずかしそうな顔で答えたのだった。
「それなら問題はありません。むしろ二人きりの所に声もかけずに乗り込んだお嬢様にも問題があるといえばあったのでは...」
「そ、それは...」
状況的に見て、どう見てもマリーたちの方に非がありそうだが、そう言われるとスカーレットも悪い気がしてくる。
「...わ、わたくしも確かに配慮が足りませんでしたわ!!ただ、中で大変なことが起こっていたようですので、急を要していましたの!それは分かっていただけて?」
そう言って謝ってきた。
「そ、そうよね!あたしたちもスカーレットたちのことを忘れていたわ!ドラゴスケルトンと戦ってる時はあれほど待っていたのに...自分勝手よね!ごめんなさい...」
その様子を見て、ローズも謝る。
「やっぱり、ドラゴスケルトンでしたのね!!それで...というかその様子ではお二人で倒してしまったようですわね!さすがですわ!!」
『ドラゴスケルトン』という言葉を聞いて、スカーレットが二人を褒めてくる。
「マリーのおかげで何とか...でも二人とも遅かったじゃない!崩れた入口で手間取ってたの?」
ローズがスカーレットたちに聞く。
「それが、入口の前にリッチがおりまして...倒すのに時間がかかってしまいましたの!『すぐに向かう』と言っておきながら...」
スカーレットが申し訳なさそうに言った。
「リッチが?!それじゃ仕方ないよね!!でもスカーレットちゃんたちは二人でリッチを倒したんだ!!すごいね!!」
それを聞いたマリーが褒める。しかし、
「ドラゴスケルトンを倒した方たちに言われましても...それに浄化魔法のレベルも違いますのに...」
かえってスカーレットのプライドを傷つけてしまったようだ。
「ゴ、ゴメン!!そんなつもりじゃ...」
マリーが慌てるが、
「リッチも強敵じゃない!謙遜することないわ!!あたしたちも強力な範囲魔法は辛いかも...」
ローズがそう言ってフォローする。
実際、範囲魔法はローズといえども避けるのは難しい。それに、マリーの身も守らなければならない。
今回はお互い、組み合わせとしては良かったと言えるだろう。
実際、斬撃に耐性のある強敵に打ち勝った二組は称賛されてしかるべき働きだと言えた。
「そうですわね。わたくしたちもリッチに勝てたことを誇りに思っていますの!いつか、ドラゴスケルトンも倒せるようになってみせますわ!!」
ローズの言葉を聞いたスカーレットは元気が出たようだ。そう言って、いつも通りの不敵な顔をする。
「それでこそ、スカーレットちゃんだよ!!」
マリーがうれしそうに微笑むが、
「ただ、今回の反省点としましては、二手に分かれてしまったことですね!まさか、2匹も強敵がいるとは思わなかったというのは事実ですが...」
そこまでの話を黙って聞いていたワカクサが口にする。
「そうね!それにあたしたちも撤退の判断が遅すぎたわ!!不審な骨の塊を見つけた時点で退散するべきだった...そうすれば入口を破壊される前に逃げれたのに...」
ローズも自分なりの反省点を口にした。
「そうですわね!わたくしも去年、冒険者になったばかりですし、お二人はまだひと月くらいでしょう?これを経験として成長していかなくてはなりませんわね!」
スカーレットがそう言って話をまとめた。
「では、帰りましょうか?」
スカーレットが言うと、
「その前に...あの...スカーレットは...マリーの...どこまで見たの?」
ローズが心配そうに聞いてきた。
「なっ!何も見ていませんわ!!ローブを捲っていたのは分かりましたけど、ローズの陰に隠れていましたし...」
スカーレットが赤くなりながら答える。すると、
「そ、そう...良かった...マリーの純潔は守られたのね!」
ローズが心底、ホッとしながら呟く。
ローズからは見えなかったが、角度によっては見えたかもしれないし、マリーの膝から上もできれば他の人には見せたくなかった。
「ロ、ローズちゃん!!」
その言葉に、真っ赤になるマリー。
「そう...まだ二人は...本当にお邪魔だったようですわね!」
何やら意味ありげなことを言うスカーレット。
「まあ!そんなことを!!...お嬢様も今度どうですか?」
そして、興味深げに耳を傾けるワカクサがいた。
☆彡彡彡
<ゴォォォォ~~~~~!!>
トロルロードの集落が燃えていく。
「これで安心ね!!」
ローズがその様子を見ながら言う。
「ええ!今回は大変でしたけど、収穫も多かったですわ!!ローズたちに感謝といったところですわね!!」
スカーレットがそれに答える。
「ゴメン...あたしの不注意のせいで...今回の依頼は共同でやったということに...」
ローズが申し訳なさそうに提案するが、
「いいと言っておりますでしょう!!わたくしは冒険者ですが、同時に貴族です!シェナリー近辺の危険を排除する義務があります!!それに本当にリッチとの戦いで得た収穫は大きかったですわ!!ねぇ!ワカクサ?」
スカーレットがワカクサに同意を求める。
「...お嬢様が強くなられたのは良かったのですが、無茶はなさいませんように...お嬢様のお怪我を見ているのは辛かったです...」
感情を表に出さないワカクサにしては珍しく、悲しそうな顔でそう言う。
「もう!ワカクサは過保護ですわね!!」
そう言うスカーレットも恥ずかしいのか頬が赤らんでいた。
「...二人ってなんていうか...仲がいいね!!」
マリーがその様子に何か感じ取ったのか、口にすると、
「あら?私たちの仲の良さを見たいのですか?お嬢様、どうします??私はここでしても...」
「ワカクサ!!」
何か言おうとしたワカクサをスカーレットが真っ赤になって叱った。
「「???」」
マリーたちは、スカーレットたちの様子を不思議に思いながらも、トロルロードの集落が焼け落ちていくのを見守っていたのだった。
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