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10. 下着屋さんに相談
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「あの...私...」
流美がそこまでしゃべって言葉を止める。
顔が真っ赤で目をギュッと閉じている。
何とか勇気を出そうとしているようだ。
「あ、あの...無理に話さなくても...」
店員は出来れば聞きたくなかったが、その言葉に誘発されたのか流美は続きを話してしまった。
「私、清華ちゃんの下着のにおいを嗅ぎたいの!!」
「・・・」
(今、なんと?)
店員は話が頭に入ってこない。
意味は分かる。しかし、その意味を普通にとると、とんでもない意味になってしまう。
そんな趣味がこの世に存在するのは知っていた。
しかし、他人に、ましてやまだ良く知らない人に話す内容ではない。
「えっと...」
店員がポカンとした顔をしていると、
「だから!清華ちゃんの下着のにおいを嗅ぎたいの!!出来れば脱ぎたての!!」
結構なボリュームで繰り返されてしまった。
ついでに余計な情報もついている。
「こ、声が大きい!!」
店員が周りを見回すが、幸運にも気づいている人はいないようだった。
ちょうど店内にアナウンスが流れていたからかもしれない。
「!!」
流美はそれを聞いて真っ赤になっていたが、声のトーンを落とすと、店員にだけ聞こえるような音量で続きを話し出す。
「あの...この間、下着を買った時、清華ちゃんの家で見せ合いっこをしたの...」
(ああ!また余計な情報が...本当にしていたなんて...聞きたくなかった...)
そんな店員の心の声をよそに話は続く。
「そして、そのまま服を着て、脱いだ下着を持って帰ったんだけど、間違えて...」
(...聞かなくても続きは分かります...そんな偶然が...変態な上に、持ってるんですね...)
店員はある意味、感心せざるを得なかった。
「清華ちゃんの下着を持って帰って...その時、し、下着のシミに気づいて...き、気が付いたら...に、においを...」
流美の顔が真っ赤に染まる。
(やはり...それに下着にシミですか...そんなことは清華さんの為にも話さない方が良かったのでは?)
店員のそんな思いを無視して、流美は続きを話す。
「そしたら...すごく良くて...その...エッチな気分に...」
(いわゆるフェチに目覚めたんですね...可哀想に...ただでさえ変態だったのに、かなりレベルアップしてしまいましたね...)
店員は初めて流美を不憫に思った。
「そ、それ以来、もっと強いにおいが嗅ぎたいなって...本当は直接、嗅ぎたいけどそんなこと出来ないから脱ぎたての下着で...」
(...ヤバいですよ!最後まで聞いてしまいました...アドバイスを求められているんでしょうか?ここは止めないと!)
「あ、あの...それはやめた方が...」
そう言いかけた店員だったが、流美の声に遮られてしまった。
「ど、どうしたらさりげなく清華ちゃんにお願いできるかな?」
「・・・」
店員の顔が引きつる。
(無理に決まってるだろ~~~~~!!...し、しかし、あちらも同じく変態のご様子。万が一ということも...いやいや...)
店員が頭をフル回転させていると、つい余計なことを言ってしまった。
「まずは流美さんが下着を差し出してあげては...」
(ハッ!!ワタシとしたことがなんてことを!!)
店員は流美の話を聞いているうちに変態の思考回路にはまってしまったようだった。
言った自分がみじめに思えてくる。
「いえ!今のは冗談...」
店員が無かったことにしようとするが、その目には明るい表情に変わった流美の顔が映っていた。
「そっか!その手があったか!!」
「あ、あの...」
店員は止めようとするが、流美はすっかりその気のようだ。
「今日、早速、試してみるね!」
「あの!」
更に止めようとした時、
<シャ~~~~~~!>
試着室のカーテンが開けられた。
「あら?流美、お姉さんと話し込んでたの?すっかり仲良しね!」
清華が二人の様子を見てそう言うと、
「そ、そうなの!決して変な相談をしていたわけではなく...」
「そ、そうです!ワタシは何も聞いてませんし、余計なアドバイスもしてませんのでご心配なく!」
二人は慌ててまくし立てる。そして、
「ふふふ!」
「あはは!」
顔を見合わせて愛想笑いするのだった。
「ふふふ。面白いの!...それでお会計の方は...」
笑ってそう言う清華に、
「はい!少しお待ちを!」
二人が買う予定の下着を手に取ると、店員は急いでカウンターに向かうのだった。
☆彡彡彡
「ありがとうございました~~~~!」
流美と清華を見送った店員は思う。
(ま、まさかこの後...)
店員の頭に思い浮かぶのは、二人の女子高生がお互いの下着のにおいを嗅ぎ合って、微笑んでいる姿。
(へ、変態...)
唖然となる店員。しかし、頭を大きく左右に振ると、
「ワ、ワタシは下着を売っただけです!!少し余計なことを言ってしまいましたが、後は二人の問題!知~~~らないっと!!」
何かを確認するようにそう口にして、ついさっきの出来事を忘れようと何かやることを考える。
「そ、そうだ!社員価格で頼んだ新作のバストアップブラが届いているはず!!早速、チェックせねば!」
そして、カウンターの奥にある従業員スペースへと足を向けるのだった。
☆彡彡彡
(いよいよこの後...清華ちゃんの...)
モールからの帰り道、流美は緊張した顔をしていた。
「・・・」
チラリと清華の顔を見る。
清華はにっこりと微笑み返してきた。
「!!」
思わず目を逸らす流美。
また、しばらく無言で歩いていく。
(でもまずは私のを嗅いでもらうんだよね...よ、喜んでくれるかな...それとも...)
悪い方の想像をすると、くじけそうになる。
(やっぱりやめようかな...)
そんなことを思った流美だったが、
(ダメ!そんなわけにはいかないの!!...二人の仲を進展させるには...)
思いを新たにする。
そうこうしているうちに清華の家に着いた。
「ただいま~~~~!」
ドアを開け、入っていく清華。
(き、来た!)
流美はその瞬間に向けて気を引き締めていた。
流美がそこまでしゃべって言葉を止める。
顔が真っ赤で目をギュッと閉じている。
何とか勇気を出そうとしているようだ。
「あ、あの...無理に話さなくても...」
店員は出来れば聞きたくなかったが、その言葉に誘発されたのか流美は続きを話してしまった。
「私、清華ちゃんの下着のにおいを嗅ぎたいの!!」
「・・・」
(今、なんと?)
店員は話が頭に入ってこない。
意味は分かる。しかし、その意味を普通にとると、とんでもない意味になってしまう。
そんな趣味がこの世に存在するのは知っていた。
しかし、他人に、ましてやまだ良く知らない人に話す内容ではない。
「えっと...」
店員がポカンとした顔をしていると、
「だから!清華ちゃんの下着のにおいを嗅ぎたいの!!出来れば脱ぎたての!!」
結構なボリュームで繰り返されてしまった。
ついでに余計な情報もついている。
「こ、声が大きい!!」
店員が周りを見回すが、幸運にも気づいている人はいないようだった。
ちょうど店内にアナウンスが流れていたからかもしれない。
「!!」
流美はそれを聞いて真っ赤になっていたが、声のトーンを落とすと、店員にだけ聞こえるような音量で続きを話し出す。
「あの...この間、下着を買った時、清華ちゃんの家で見せ合いっこをしたの...」
(ああ!また余計な情報が...本当にしていたなんて...聞きたくなかった...)
そんな店員の心の声をよそに話は続く。
「そして、そのまま服を着て、脱いだ下着を持って帰ったんだけど、間違えて...」
(...聞かなくても続きは分かります...そんな偶然が...変態な上に、持ってるんですね...)
店員はある意味、感心せざるを得なかった。
「清華ちゃんの下着を持って帰って...その時、し、下着のシミに気づいて...き、気が付いたら...に、においを...」
流美の顔が真っ赤に染まる。
(やはり...それに下着にシミですか...そんなことは清華さんの為にも話さない方が良かったのでは?)
店員のそんな思いを無視して、流美は続きを話す。
「そしたら...すごく良くて...その...エッチな気分に...」
(いわゆるフェチに目覚めたんですね...可哀想に...ただでさえ変態だったのに、かなりレベルアップしてしまいましたね...)
店員は初めて流美を不憫に思った。
「そ、それ以来、もっと強いにおいが嗅ぎたいなって...本当は直接、嗅ぎたいけどそんなこと出来ないから脱ぎたての下着で...」
(...ヤバいですよ!最後まで聞いてしまいました...アドバイスを求められているんでしょうか?ここは止めないと!)
「あ、あの...それはやめた方が...」
そう言いかけた店員だったが、流美の声に遮られてしまった。
「ど、どうしたらさりげなく清華ちゃんにお願いできるかな?」
「・・・」
店員の顔が引きつる。
(無理に決まってるだろ~~~~~!!...し、しかし、あちらも同じく変態のご様子。万が一ということも...いやいや...)
店員が頭をフル回転させていると、つい余計なことを言ってしまった。
「まずは流美さんが下着を差し出してあげては...」
(ハッ!!ワタシとしたことがなんてことを!!)
店員は流美の話を聞いているうちに変態の思考回路にはまってしまったようだった。
言った自分がみじめに思えてくる。
「いえ!今のは冗談...」
店員が無かったことにしようとするが、その目には明るい表情に変わった流美の顔が映っていた。
「そっか!その手があったか!!」
「あ、あの...」
店員は止めようとするが、流美はすっかりその気のようだ。
「今日、早速、試してみるね!」
「あの!」
更に止めようとした時、
<シャ~~~~~~!>
試着室のカーテンが開けられた。
「あら?流美、お姉さんと話し込んでたの?すっかり仲良しね!」
清華が二人の様子を見てそう言うと、
「そ、そうなの!決して変な相談をしていたわけではなく...」
「そ、そうです!ワタシは何も聞いてませんし、余計なアドバイスもしてませんのでご心配なく!」
二人は慌ててまくし立てる。そして、
「ふふふ!」
「あはは!」
顔を見合わせて愛想笑いするのだった。
「ふふふ。面白いの!...それでお会計の方は...」
笑ってそう言う清華に、
「はい!少しお待ちを!」
二人が買う予定の下着を手に取ると、店員は急いでカウンターに向かうのだった。
☆彡彡彡
「ありがとうございました~~~~!」
流美と清華を見送った店員は思う。
(ま、まさかこの後...)
店員の頭に思い浮かぶのは、二人の女子高生がお互いの下着のにおいを嗅ぎ合って、微笑んでいる姿。
(へ、変態...)
唖然となる店員。しかし、頭を大きく左右に振ると、
「ワ、ワタシは下着を売っただけです!!少し余計なことを言ってしまいましたが、後は二人の問題!知~~~らないっと!!」
何かを確認するようにそう口にして、ついさっきの出来事を忘れようと何かやることを考える。
「そ、そうだ!社員価格で頼んだ新作のバストアップブラが届いているはず!!早速、チェックせねば!」
そして、カウンターの奥にある従業員スペースへと足を向けるのだった。
☆彡彡彡
(いよいよこの後...清華ちゃんの...)
モールからの帰り道、流美は緊張した顔をしていた。
「・・・」
チラリと清華の顔を見る。
清華はにっこりと微笑み返してきた。
「!!」
思わず目を逸らす流美。
また、しばらく無言で歩いていく。
(でもまずは私のを嗅いでもらうんだよね...よ、喜んでくれるかな...それとも...)
悪い方の想像をすると、くじけそうになる。
(やっぱりやめようかな...)
そんなことを思った流美だったが、
(ダメ!そんなわけにはいかないの!!...二人の仲を進展させるには...)
思いを新たにする。
そうこうしているうちに清華の家に着いた。
「ただいま~~~~!」
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