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第四話 紅音登場だ、喜べよ

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僕は、とある奴に電話していた。
「珍しいな、お前からかけてくるなんて」
相手は唯一の親友、紅音だ。要件なんて1つに決まってる。
「...あのさ、僕、え~っ...とね?」
「なんだよ、歯切れが悪い。どうしたなんかやっちまったか?」
僕が言い淀んでいると、紅音は急かしてくる。言い難いことなんだよ仕方ねぇだろ。
「...あの実は、告白されました」
「......................................................???」
「ーーーーーーッ!?」
僕からの突然のカミングアウトに紅音は声にならない声を上げている。
「...ふ、ふ~ん?そうなんだぁ。で?付き合いました自慢ですか?そうですかそうですか良かったでちゅね~モテてさぞかし嬉しいんでしょうねぇ?」
早口で捲し立てる紅音。なんだこいつキッショ。
「おい、今失礼なこと考えただろ」
「なぁ皆!大スクープだ!!ここにエスパーがいるぞ!!」
「......んで?実際どうなの?」
少し落ち着いた紅音が聞いてきた。あぶね危うく本題を忘れるとこだった。 
「いんや、付き合ってない。時間をくれ、とだけ言った」
「...なんだ、付き合ってないのかよ。ビビったじゃん」
「何にビビってんだ全く」
「そんで?付き合おうとしてんの?」
「いや、う~んちょっと悩んでる」
今、は?こいつ正気かよ自分を虐めてたやつと付き合おうとしてんの?そんな趣味してんだお前って思ってるとか言ったら泣いちゃうからなやめろよ、辛いだろ。まぁ、理由は単純明快で、何故僕に告白したのか、なぜ虐められていたのか。今で聞けなかったが、距離を近づけ今の状況から脱却したらその真意が知れるかもしれない。そういった好奇心と、あと顔が可愛いから普通にドキッとしてしまって多少心が揺らいだって言うのもある。本当に多少だけど。
「んま、大変そうだが頑張れよ。別に相談ぐらいなら乗ってやるさ」
そんなありがたいお言葉を掛けてくれた紅音に、僕は
「言えただけ考えが整理できた。ありがとな」
と返し、電話を切った。そして、
「さて、そんじゃ...どうすっかな」
と、呟くのだった……。




『ちがう、ちがう……。こういうのじゃない』 


ごめんな




そして、僕は目を覚ました。いつも通り学校に行く準備をして、そして登校する。登校している時間はいつも陰鬱だ。なぜ、こんな状況で登校しなくちゃならないんだとも思ってしまう。でも単位がなぁ……。

全く、なんで僕は、雛野さんにいじめ"られてる"んだろうな……。

そんなことを考えながら、妙に疲れの取れてない体で学校へと歩を進めるのだった……。
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