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「ぅあっ♡♡ あっ♡♡ おいっ♡ ち、ちんぽ擦れる……っ♡」
ごそごそとスラックスの尻を探る動きが直に下半身に届く。けれど林藤は十和田にしがみついていた。
「お……♡♡ お……っ♡ 後輩のワイシャツ……っ先走りで汚してんのに……っ♡」
まずいという意識はあるのに、くいくい惨めに腰を使ってさらなる刺激を求めてしまう。
十和田はそれを咎めるどころか、喜んでいる雰囲気で熱心に裸の尻を揉んだ。
「あーエロい♡ 実は気持ちいいことに弱いなんて、表の顔も裏の顔もちんぽにくる営業マンってどうなんですか♡ ……ああ、積極的な先輩もいいなあ……言いなりじゃなくてちんぽに媚びまくるところ見たいな。絶対ドスケベだよな……♡」
「媚びるって……どうしたら……」
「大丈夫ですよ♡ 先輩は素直にしててくれれば♡ はい、これ見てくださいー」
「う……?」
言うなり眼前にスマホが突きつけられる。
点滅するドット。頭の何かが書き換えられる感覚。不愉快だ。だが既視感があった。この感じを知っている。経験がある。
「先輩は今からメス穴が疼いて疼いて仕方なくなります♡ 太くて長いものに犯されて、何回もドライでイキたくなります♡ ……はいっ、どうですか?」
「……とっ、と、十和田……」
スマホが退いて期待に輝く瞳が覗く。
言われた通り腹の中がくすぐったいような、とんでもないところが物足りないような感覚はあるが、そんなの今は考えられない。
ネクタイと、靴と、乳首を挟んだ社員証。勃起を嗅ぎながら床に擦り付け射精した。己の精液を口に含んだどころか、それを使ってフェラチオをした。キスと呼ぶには下品すぎる、口同士のセックスとしか言えないキスをした。十和田と。後輩と。
「先輩?」
「ッど、ど、どういうことだ! 十和田!!」
林藤の頭はすっかりまともになっていた。十和田に何を言われたか、彼と何をしたか、そのスマホが諸悪の根源であることすらわかっている。
「お前……ッ、な、何を、お前、人に何を……!!」
「え、……え!? 先輩!?」
「何やらせてるんだお前!」
十和田は呆然と林藤を見つめていたが、そのうちサッと顔色を失い手元のスマホに目を落とした。
「っこれ、まさかいちいち催眠更新されるの!? 今『気付かない』って言わなかったから先輩気付いたの!?」
「何なんだそのスマホ!!」
「ごめんなさい!! 頭がおかしくなるアプリです! ごめんなさい! 先輩の本音が聞きたくてあやしいやつに手を出しました!!」
「本音って言ってお前、ふぇ、ふぇ……フェラ……させただろうが!」
「すみません! 誘惑に負けました!」
十和田の態度はすっかり平身低頭だ。日常の上下関係を取り戻し林藤は少し安心する。最中の記憶はあるのだ。あの勢いで押されるのは怖かった。
とても言えないところが疼いている。十和田の膝の上で身動ぎしてそれを誤魔化していると、すっかり消沈した様子の相手が口を開いた。
「その……先輩、最近冷たい気がしたんです。……途中一回聞いたけど」
「思い出させるな! それは、……それは違うって、言っただろう。気のせいだって」
ごそごそとスラックスの尻を探る動きが直に下半身に届く。けれど林藤は十和田にしがみついていた。
「お……♡♡ お……っ♡ 後輩のワイシャツ……っ先走りで汚してんのに……っ♡」
まずいという意識はあるのに、くいくい惨めに腰を使ってさらなる刺激を求めてしまう。
十和田はそれを咎めるどころか、喜んでいる雰囲気で熱心に裸の尻を揉んだ。
「あーエロい♡ 実は気持ちいいことに弱いなんて、表の顔も裏の顔もちんぽにくる営業マンってどうなんですか♡ ……ああ、積極的な先輩もいいなあ……言いなりじゃなくてちんぽに媚びまくるところ見たいな。絶対ドスケベだよな……♡」
「媚びるって……どうしたら……」
「大丈夫ですよ♡ 先輩は素直にしててくれれば♡ はい、これ見てくださいー」
「う……?」
言うなり眼前にスマホが突きつけられる。
点滅するドット。頭の何かが書き換えられる感覚。不愉快だ。だが既視感があった。この感じを知っている。経験がある。
「先輩は今からメス穴が疼いて疼いて仕方なくなります♡ 太くて長いものに犯されて、何回もドライでイキたくなります♡ ……はいっ、どうですか?」
「……とっ、と、十和田……」
スマホが退いて期待に輝く瞳が覗く。
言われた通り腹の中がくすぐったいような、とんでもないところが物足りないような感覚はあるが、そんなの今は考えられない。
ネクタイと、靴と、乳首を挟んだ社員証。勃起を嗅ぎながら床に擦り付け射精した。己の精液を口に含んだどころか、それを使ってフェラチオをした。キスと呼ぶには下品すぎる、口同士のセックスとしか言えないキスをした。十和田と。後輩と。
「先輩?」
「ッど、ど、どういうことだ! 十和田!!」
林藤の頭はすっかりまともになっていた。十和田に何を言われたか、彼と何をしたか、そのスマホが諸悪の根源であることすらわかっている。
「お前……ッ、な、何を、お前、人に何を……!!」
「え、……え!? 先輩!?」
「何やらせてるんだお前!」
十和田は呆然と林藤を見つめていたが、そのうちサッと顔色を失い手元のスマホに目を落とした。
「っこれ、まさかいちいち催眠更新されるの!? 今『気付かない』って言わなかったから先輩気付いたの!?」
「何なんだそのスマホ!!」
「ごめんなさい!! 頭がおかしくなるアプリです! ごめんなさい! 先輩の本音が聞きたくてあやしいやつに手を出しました!!」
「本音って言ってお前、ふぇ、ふぇ……フェラ……させただろうが!」
「すみません! 誘惑に負けました!」
十和田の態度はすっかり平身低頭だ。日常の上下関係を取り戻し林藤は少し安心する。最中の記憶はあるのだ。あの勢いで押されるのは怖かった。
とても言えないところが疼いている。十和田の膝の上で身動ぎしてそれを誤魔化していると、すっかり消沈した様子の相手が口を開いた。
「その……先輩、最近冷たい気がしたんです。……途中一回聞いたけど」
「思い出させるな! それは、……それは違うって、言っただろう。気のせいだって」
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