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しおりを挟む「はひ……っ♡♡ ひっ♡♡ 痛い♡♡ 痛いぃ♡♡♡ ちんこ痛いよお♡♡」
「ははは! ビールにザーメン絞られて、イキたてちんぽいじめられて可哀想だなあ♡ 非童貞なのにコンドームの外し方も忘れちゃったかあ? ……あ」
「っお、ぅ……ッ♡♡」
液体でいっぱいのコンドームだ。それに射精直後のものは痛みにすくみあがっていた。ずるずるっと擦れる感覚の直後、コンドームが外れる。
体のシルエットが出ない、だぼっとしたデザインなのが悪かった。水着の裾から水風船のようなコンドームが落ちて、口を縛ってないそれはベチャっと音を立てて床を濡らす。
「……おいおい、リョウくん、客の足にザーメン入りビールがかかったんだけど~?」
「うわ、床べちょべちょ」
「っ、か、カズマさん、カズマさん……っ!」
謝ろうと思ったのか、それとも言い訳しようと思ったのかはわからない。ただバイトが店内を汚したのだ。きっと叱られると、俺はカウンター内の雇い主を見た。
怒られる。怯えていた分、その静かな笑みに衝撃を受ける。
「おいで、リョウ」
「っ、か、カズマさん~……ッ♡♡」
「っあ! 誰が降りていいって……あーあー、子供みたいに泣いちゃって」
客のもとから逃げるようにカウンター内に戻っても、その背中にしがみついても、シャツに顔を埋めたまま泣き出してもカズマさんは怒らなかった。それどころか宥めるように後ろ手でぽんぽんと叩いてくれる。
「接客頑張ったな。初日には少し、キツかったな?」
「っはい! はい……っ!」
「上手にできてたから大丈夫。みんなもふざけ過ぎだ。ほら、謝ってもらおう」
「あーあー、これは……。リョウくーん。ごめんね、怖かった?」
「子供みたいに陰から覗いてかわい~♡ ごめんね、非童貞ちんぽだからって意地悪しすぎたね♡」
へらへらとからかうようなこの言葉は謝罪なのだろうか。疑問はあったが、まだ頭はハッキリ働かないし言葉自体では謝っているし、何しろ俺は店員だ。
働きに来たのに子供みたいに拗ねていてはカズマさんに呆れられてしまう。
曖昧な首肯を感じたのか、カズマさんは俺の背中を押すようにして隣に立たせる。まるで人見知りする幼児へやるような態度だが、その子供扱いが不思議と心地よかった。
「深夜シフトが終わったら水をまいて拭く床だ。汚しても大丈夫」
「っは、はい……」
「気になるか?」
「…………」
それはもちろん、当然だ。ビールを落としただけならともかく、客の足元を濡らしている液体には俺の出したものも混ざっているのだ。
そういう意味での小さい首肯だ。彼には意味がわかったはずだ。なのになぜか、カズマさんは誤解する。
「じゃあ、失敗を気にしなくて良いように簡単なペナルティ」
「え? ……ッ!!」
「……リョウくん? どうしたの?」
「いっ! い……っ、いえ!! 何でもない……! 何でもないです!」
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