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 脇腹から、喉元まで。
 エプロンの中、ぬるぬる濡れた手が肌を撫で上げただけだ。胸元を撫でられ声色が変わったのには、一言だけだ、気づかれなかった。

「リョウくんポテト揚げてくれる~?」
「はあい!」
「あっつい中ありがとね、ほら、ビール飲んで飲んで」
「いただきます」
「あれ、首のところ色変わってる。汗で日焼け止め流れてるよ。店長、塗ってあげてよ」
「くすぐられるから嫌ですって! あ! っ、あは、ははは……っ! ふっ♡ ふふ……っ♡」

 慣れない酒。日焼け止め。酒。オイル。酒。オイル。

「ふぅ、ふぅ、ふぅ……っ♡♡ うん……っ♡♡ は、はは……♡ くすぐった、ぁ、……っふふ……♡♡」

 一時間も二時間も経った気がする。客たちのビールグラスはそんなに結露していないし、太陽だってまだ高い。でも、それくらいの時間が経った気がする。
 客の呆れた声が遠い。

「今の子って悪いことしないんだなあ。小グラス飲みきらないうちに酔ってる」
「今日の朝に到着したんですよ。夜通しの移動で疲れてたんでしょ。……うん、頭、ガキの汗の匂いする。風呂も入らず来たんだな」
「リョーウーくん! お酒注いでよ~♡ ガキ乳首カリカリされながらおじさんにお酌してよ♡」
「っは、はぁ、い……っ♡♡ おっ♡♡ おっ♡♡ おっ♡♡」
「この子童貞?」
「いや、この顔だし結構やってるみたいです。でもほら、……やっぱりちっせー乳首……♡ 目一杯勃起してこれじゃ、普段触ることもないんじゃないかな」
「んうぅ……っ♡♡」

 エプロンの首紐を緩められ、上半身の布がだらしなく緩む。裸の胸が晒されると同時にぬるぬるの指が乳首をつねった。
 日焼け止めで濡れた指からは当然にゅるん♡と勃起が逃げる。俺の下腹部に淡い電流のようなものが走った。
 けれど、それで少し理性を取り戻した。酩酊していた頭に意識が戻り、ぼうっとしていた、という自覚が浮かぶ。

「ご、ごめんなさい、俺、よ、酔ってますね……♡ ビール、あ、ありがとうございました……♡♡」
「そんな~! まだまだ、ほら♡ 飲んで飲んで♡」
「客にもらったものは断るなよ?」

 強引に注がれ、慌てる間もなく背後のカズマさんに囁かれ、俺はただ朦朧と了解しただけだった。注がれたら断ってはいけない。そうなのか。
 背中を抱くように抱えられ、脇から伸びた手に乳首をにゅるにゅる責められながら、俺は慌ててビールを飲む。

「い、いただきます……♡ ふう……♡♡ ふう……♡♡」
「ねえ、リョウくんってセックス好き?」
「……え? あ、あはは……それセクハラ……っん! ん……っ♡♡」
「旅の恥はかき捨てでしょ。乳首捏ねられながら教えてよ」
「あ……す、好き、かな? 女の子、や、柔らかいし……♡」
「一番最近のセックスはいつ?」
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