【完結】教えて小谷崎さん/淫語調教シェアハウス

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教えて小谷崎さん2

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「……知恵熱、どうですか?」
「ち、ちえ、ねつは……」

 彼の前で思い出すこともできない醜態を晒した次の日。俺は自室のベッドで弱々しく呟いた。
 初めての情報に触れ過ぎた子供が夜に熱を出すよくある現象。自分にはもちろん起こるはずないが、否定の声は小さくなる。
 昨夜彼に教えられた行為や感覚はすべて初めてのものだった。脳が処理落ちしただろうと言われたら、まさしくそうだと答えたい。自分の痴態、言動を、知恵熱を出すほどの脳の過処理のせいにしてしまいたい。

「知恵熱は……」

 けれど自分でも嘘だとわかる嘘はつけない。言い張る勇気も持てなくて、だから俺は何も言えなかった。
 小谷崎さんは無言で俺の額からタオルを取った。彼は氷水にタオルをくぐらせながら言う。

「最初に風邪じゃないって言い出したのは大浦さんなのにな。何でもないから寝てたら治るって。でも、知恵熱でもなんでも、その不調は俺のせいですから」
「そ、それは……」
「大浦さんが失神してからもずっと全裸のまま弄り回して、いかせまくって、連続絶頂で全身ガチガチに緊張させまくったから。ねえ、俺のせいでしょう?」
「っ!! っそ、それは……!」
「俺のせいなので俺が看病する」

 責任感のような、優越感のような。断言する小谷崎さんに俺は返す言葉を持たなかった。
 湿布式の冷却剤に慣れない俺は、この時代にも濡れたタオルを好んでいた。冷却剤に比べたら冷やすだけなのに手間がかかる。サラリーマンの貴重な週末、一日タオルを絞り続けているというのに額に触れる指は優しい。
 小谷崎さんの瞳は優しい。声は優しい。掛け布団越しの胸に触れる手は優しい。
 何もかも優しいのに、彼の言葉だけ優しくない。

「とは言えそろそろ、熱下げません?」
「は?」
「アナル開発を再開したら熱が下がると思うんですよ」
「ア……っ!! ア!? っそ、そんなことしません!! 急に何を……!!」
「いや、大浦さん目が覚めた瞬間から弱ってる雰囲だったので言えなかったんですけど、多分これただの発情ですよ?」

 発情?
 面食らって言葉を失う俺に、ベッド横に座っている小谷崎さんは当たり前といった顔で続ける。

「一晩中弄り回したので全身くたくたで、暑いしだるいしってなれば風邪と誤解するのも仕方ないけど、この発熱はただの興奮状態です。メスイキ覚えさせたくて射精させなかったんで、体が出したいってアピールしてるだけなんですよ。まあ連続ドライで朝方には勃起しなくなってたんで、自覚なくて当然ですけど……。……これはただ射精したいだけなんだって……こうしたら自分でもわかるかな?」
「ぁ、あ……っ♡」
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