【完結】ずっと遠くの暗闇に見つけた、

にのまえ

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ベッド(1)*

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「っあ、あ、あ」

 変声期が終わってずいぶん経つだろうに、こういうときの純也の声は子供っぽい。明良は純也のものを口から抜いて、頬ずりしながら微笑んだ。

「気持ちいい? 純くん」

「……よ、よかった」

 いつもなら口内に放出させるのだが、今日はまだ彼のものを味わっていない。

 自分のものと明良の顔とを見る彼は真っ赤だ。恥ずかしそうなのに、その目は期待にギラついている。

「あの、今日は……」

「……仕事、一段落したんだよ」

「あ、明良さん」

「しばらくはのんびりできるんだ。もちろん、一日ベッドに寝転んでるくらいの余裕はある」

「じゃあ」

 背を預けていた壁から身を起こし、純也は明良のシャツの裾を握った。最初こそ自分だけ全裸にされるのを恥ずかしがった彼だけれど、回数をこなすうち、「明良は服を着たまま」という状況に慣れた。

 部屋着であるジーンズ越しに、肉のない尻を強くもまれる。

「じゃあ、今日は、いいの? ここに……俺の、いれさせてもらえるの?」

「……純くんは、どう?」

 耳のまわりをやらしくさすりながら、甘い声をとろりとそそぐ。

「僕の中にいれたいの……?」

「っうん、うん。いれたい。お願い」

 真っ赤な顔で必死に頷くのが愛おしい。耳朶にキスしながら、明良は「触って」と懇願した。

 出会ってからずっと重ねている体だ。彼は心得たもので、脱がせることなくシャツの裾から中へ手を滑らせる。

 明良の首筋を舐めながら、純也は犬のような息を吐いていた。

「かわいいね、純くん。セックス好きなんだ」

「明良さん、明良さんが好き。明良さんとするのが好き。……っ舐めたい、明良さん、明良さんの胸舐めたい。いい?」

「よしっていうまでダメ」

 クスクス笑ってそんなことを言えば、彼は本物の犬のように鼻を鳴らして、胸の先に辿り着いた手を動かした。うごめくシャツを見る瞳はオスの色をしている。

 彼の愛撫に慣れた先端はすぐにかたく立ちあがった。それをこねたり、つぶしたり、明良の教えた愛撫が必死に施される。

「っふ、……う。ん、純くん、上手……」

「舐めたい。明良さん、お願い。まだ?」

「……よし」

 飼ったことはないけれど、公園や河川敷を散歩すると愛犬にそう許している人をよく見かける。それを真似して優しく言えば、純也は勢い込んでシャツの腹に顔をうずめた。

 両手を明良の腰に落として、高い鼻だけでワイシャツの裾を上げていく。慣れた彼はすぐに小さな飾りを見つけた。

「うっ、ん……あ、あ、じゅ、純く……」

 しゃぶり、吸って、ザラザラした舌で粒を堪能される。

 ちゅうっと音をたてて吸い、純也は熱い息を吐いた。拘束した腰――というより尻にごりごり当てられるものは、口淫中以上に硬くなっている。

「っいれたい、明良さん、あきらさんの中、一番熱いとこ、いれたい……」

「脱がせて……っん、あ、入るようにして。純くん、できる? あ、あ」

 ずり下がるシャツを鼻で押し上げながらしゃぶりつつ、純也は明良のジーンズを脱がせた。腰を上げて協力すれば、下着ごと膝まで降ろされる。

 ベッドサイドに用意していたローションを取り、純也は明良の背後でそれを両手にまぶしたようだった。ぬるついた手が臀部を揉む。滑る感触がいやで振り払うよう腰を振れば、胸に執着したままの唇から興奮したような息が落ちた。

「やらしいことしないで、明良さん。俺、いっぱいいっぱいで、まだ準備なのに、俺」

「っふ、いっぱい、舐めて……っ大きくしちゃったもんね。……ガマン、できそうにない?」

「…………」

 「わからない」と言う声はすねた子供みたいだった。それこそ赤ん坊のように乳首を吸う純也の頭を撫で、明良は後ろに手をつく。

「ローションじゃなくてもいいよ。……純くんの熱いので、僕のここ、やわらかくする?」

 遠ざかった胸を追おうとしていた顔が、一瞬にして赤面する。最近覚えたその方法を彼が格別好んでいることは、この反応からわかっていた。

「したい……? ちゃんと教えて、純くん」

「し、したい。俺ので……いい? だって、明良さん、俺ガマンできない……」

「いいよ……純くんので準備しよう」

 言って、明良はベッドにころりと横たわった。ジーンズがまとわりつく膝を抱えて、その場所を間接照明の光に晒す。恥ずかしさはない。慣れた姿勢だ。

 純也は身を起こし、明良の足をそろえて自分の肩に乗せた。

 明良と純也のセックスでは皮膚と皮膚の接触は稀だ。だからか彼は足の甲にまで愛おしげなキスをした。許せば指までしゃぶりそうな顔で、自分のものに手をかける。

 収縮するそこを、見られている。

「純くん、っ、なにか、やらしいこと言おうか? ここ、自分でやるところ見る?」

「いらない……明良さんはそのままで十分やらしい。俺の、もう、こんなになっちゃってる」

 小さく笑った声と同時に、熱いそれがまだ開かれてないそこにこすり付けられる。

 強引に入れられたりしないとわかっているから、明良は鼻にかかった息で「はやく」と懇願した。

 ローションに濡れた手でしごくから、純也のそれはぬちぬちと音をたてる。時折乞いながらその瞬間を待てば、やがて純也は低い声で「でる……っ」とうめいた。

 同時に火傷しそうなほどの飛沫がそこへ飛ぶ。

「っふ、う、う……」

「っあ、すごい、熱……純くん、ほら、これで準備して……ね?」

「う、うん」
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