婚約破棄された悪役令嬢、なぜか第二王子にさらわれる

「ヴィオレット・エルステン、お前との婚約を破棄する!」

 王宮の大広間に響き渡る、婚約者である第一王子アルベルトの冷たい声。
 私は目を伏せ、静かに息を吐いた。

(……ああ、やっぱりこの展開ね)

 内心では呆れる気持ちでいっぱいだった。アルベルト王子は、まるで劇の主人公にでもなったかのように私を睨みつけ、その隣には金髪碧眼の可憐な少女——男爵令嬢エミリアが寄り添っている。
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