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第8話 愛馬より肉
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「う~む。困ったなぁ。なんで、私に付いて来るんだ黒馬よ?」
「ヒヒン、ヒヒーーンッ(助けてください!お願いします!本当に困っているんです)!」
「しかしだなぁ。すでに私には愛馬の『クラリス』が居るからなぁ。同時に二頭には乗ってやれん。すまないなぁ」
マジかぁ、少し。少しだけ、今の焚き火しながら、寛ぎながら肉を食ってる、その時間だけでもいいから、助けてくれないか……。
「まぁしかし。君がもう少し大人になったらな。考えてやってもいいぞ。なーに、私との相性もピッタリに調教してやる、ハハハッ!前世では『競走馬調教マニュアル』ならぬ本を買って、一人家で鞭をしならしていたんだがなぁ。
と言っても、君にはわかるまいか。すまない、すまない」
調教かぁ。確かに、こんだけ綺麗な人にケツを叩かれるんだったら、許してやらないこともないな。想像が、膨んで……。ん?この人——今さらっと変な事を言わなかった?気のせいか?
「しかし、その『クラリス』も帰ってこないんだよ。どうしたものか……」
「ヒヒーン。ヒヒン、ブルルウ(どのくらい、帰ってこないんですか?)」
俺はなんとなく伝わるように、丁寧に首を傾げるようなポーズをとった。
「おっ、なんだ。お前さんも心配か?私もだよ。フフフッ、実は三日三晩帰って来ないんだ」
……探しに行ってやれよ。愛馬だろ。どういう心情でゆっくりと肉を食ってるんだよ。
「しっかし。本当に参ったものだ。『クラリス』には、ケツを叩きすぎたのか?1日1000回は叩いたな」
「ヒヒーーンッ……(叩きすぎ。割れてるケツがさらに割れるだろうが。四分割されちまうよ……)」
この人はダメかもしれない。天然というか、なんかアホだ。そうだ、前世の『多田』君に性格が似ている。毎回のように、コピー機詰まらせてたからな。しかも、それを俺のせいにした時もあった。
なんか、腹が立ってきたな。それより、盗賊をなんとか……。本当にその時だった。
「ヘヘヘッ。こんな所にいやがったのか!馬ぁ!!」
まずい!コイツら、なんで、俺の場所が!
ああ……そうか。焚き火してるからじゃん。
煙上がってるから、まあ人目につくわ。って関心してる場合じゃないぞこれは!どうする!
「ヒヒッ、ヒヒーーーン!!(頼む、助けてくれ!!どうか、お願いします!騎士様!)」
「なんだ、お前らは?賊か?」
「ああーん?なんだ、いい感じの姉ちゃんもセットかよ。こりゃ溜まんねぇなあ!おい。野郎ども!囲めっ!」
ミゲルが合図をすると、俺と女騎士は一瞬で盗賊に囲まれている!ピッ、ピンチだ!!こんな、ところで俺は死ぬのか?くっ……。そんな。
「ヒッ、ヒン。ヒヒーーーーーーンッ(嫌だ!俺は、死にたくない!こんな、馬で!)」
俺は気が狂った、狂犬ならぬ、狂馬と化していた。その場でぐるぐると円を描くように暴れまわっている。
「チッ、なんだ、あの馬は!——これで、大人しくしろ!!」
誰かが、ダガーを投げつけて来る。終わった。俺は目を瞑った。
「大丈夫だ。私がいるからな。お馬さんは、なんとしても守り通す」
なっ、なんだこれは?俺の、いや違う。俺とこの女騎士を囲むようにして、光の膜が張られている!!
「なっ、俺のダガーを弾き返した、だと? なんだてめえは!?」
「なんだてめえは?と聞かれても答える筋合いはない!私の名は、ユースナディア ハーレインである!参る!」
……思いっきり答えてるじゃん。
けど、その人は何か、念じるような感じで次の瞬間には、右手に光の剣?が握られていた……。
「なっ?まさか、『スキル』が使えるのか?お前!?」
「フハハッ!答える筋合いは無いと言ったであろう!当たり前だ!」
……だから、答えてるんだって。もう、ツッコまないからね。疲れるから。
「いくぞ、ハーレイン流奥義!『閃光のホワイトレイド』」
そう叫びながら、本当に光のような速さで盗賊に突進と剣での刺突を繰り返して、一瞬で盗賊を気絶させた。
つええええ!抜けてるところがあるけど、実力は本物だ!
「ヒン。ヒヒーーン!(助かりました!ありがとうございましたぁ!)」
「なーに。全く仕方がないな。我慢できないって?そうか、今からお前を調教してやろう。存分にな」
「ヒヒンッ(んな事、一言も言ってねーよ)」
「ヒヒン、ヒヒーーンッ(助けてください!お願いします!本当に困っているんです)!」
「しかしだなぁ。すでに私には愛馬の『クラリス』が居るからなぁ。同時に二頭には乗ってやれん。すまないなぁ」
マジかぁ、少し。少しだけ、今の焚き火しながら、寛ぎながら肉を食ってる、その時間だけでもいいから、助けてくれないか……。
「まぁしかし。君がもう少し大人になったらな。考えてやってもいいぞ。なーに、私との相性もピッタリに調教してやる、ハハハッ!前世では『競走馬調教マニュアル』ならぬ本を買って、一人家で鞭をしならしていたんだがなぁ。
と言っても、君にはわかるまいか。すまない、すまない」
調教かぁ。確かに、こんだけ綺麗な人にケツを叩かれるんだったら、許してやらないこともないな。想像が、膨んで……。ん?この人——今さらっと変な事を言わなかった?気のせいか?
「しかし、その『クラリス』も帰ってこないんだよ。どうしたものか……」
「ヒヒーン。ヒヒン、ブルルウ(どのくらい、帰ってこないんですか?)」
俺はなんとなく伝わるように、丁寧に首を傾げるようなポーズをとった。
「おっ、なんだ。お前さんも心配か?私もだよ。フフフッ、実は三日三晩帰って来ないんだ」
……探しに行ってやれよ。愛馬だろ。どういう心情でゆっくりと肉を食ってるんだよ。
「しっかし。本当に参ったものだ。『クラリス』には、ケツを叩きすぎたのか?1日1000回は叩いたな」
「ヒヒーーンッ……(叩きすぎ。割れてるケツがさらに割れるだろうが。四分割されちまうよ……)」
この人はダメかもしれない。天然というか、なんかアホだ。そうだ、前世の『多田』君に性格が似ている。毎回のように、コピー機詰まらせてたからな。しかも、それを俺のせいにした時もあった。
なんか、腹が立ってきたな。それより、盗賊をなんとか……。本当にその時だった。
「ヘヘヘッ。こんな所にいやがったのか!馬ぁ!!」
まずい!コイツら、なんで、俺の場所が!
ああ……そうか。焚き火してるからじゃん。
煙上がってるから、まあ人目につくわ。って関心してる場合じゃないぞこれは!どうする!
「ヒヒッ、ヒヒーーーン!!(頼む、助けてくれ!!どうか、お願いします!騎士様!)」
「なんだ、お前らは?賊か?」
「ああーん?なんだ、いい感じの姉ちゃんもセットかよ。こりゃ溜まんねぇなあ!おい。野郎ども!囲めっ!」
ミゲルが合図をすると、俺と女騎士は一瞬で盗賊に囲まれている!ピッ、ピンチだ!!こんな、ところで俺は死ぬのか?くっ……。そんな。
「ヒッ、ヒン。ヒヒーーーーーーンッ(嫌だ!俺は、死にたくない!こんな、馬で!)」
俺は気が狂った、狂犬ならぬ、狂馬と化していた。その場でぐるぐると円を描くように暴れまわっている。
「チッ、なんだ、あの馬は!——これで、大人しくしろ!!」
誰かが、ダガーを投げつけて来る。終わった。俺は目を瞑った。
「大丈夫だ。私がいるからな。お馬さんは、なんとしても守り通す」
なっ、なんだこれは?俺の、いや違う。俺とこの女騎士を囲むようにして、光の膜が張られている!!
「なっ、俺のダガーを弾き返した、だと? なんだてめえは!?」
「なんだてめえは?と聞かれても答える筋合いはない!私の名は、ユースナディア ハーレインである!参る!」
……思いっきり答えてるじゃん。
けど、その人は何か、念じるような感じで次の瞬間には、右手に光の剣?が握られていた……。
「なっ?まさか、『スキル』が使えるのか?お前!?」
「フハハッ!答える筋合いは無いと言ったであろう!当たり前だ!」
……だから、答えてるんだって。もう、ツッコまないからね。疲れるから。
「いくぞ、ハーレイン流奥義!『閃光のホワイトレイド』」
そう叫びながら、本当に光のような速さで盗賊に突進と剣での刺突を繰り返して、一瞬で盗賊を気絶させた。
つええええ!抜けてるところがあるけど、実力は本物だ!
「ヒン。ヒヒーーン!(助かりました!ありがとうございましたぁ!)」
「なーに。全く仕方がないな。我慢できないって?そうか、今からお前を調教してやろう。存分にな」
「ヒヒンッ(んな事、一言も言ってねーよ)」
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