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ゆきちとお父さん
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この話は、ゆきちが、中学校に入った頃の話しになります。
お母さんが亡くなった後は、お父さんと二人で協力して、生活していました。ゆきちも、文句も言わず、家の手伝いを一生懸命にやりました。お父さんも慣れないながら、ゆきちの為にいろいろと家事をしてくれました。
ゆきちのお父さんのお仕事は、役所の自然保護課というところに勤めていました。仕事の内容は、近隣の山々を見て周り、天然記念物の動物や植物の観察し、保護をしたり、森林を間伐して、保護をする仕事をしていました。
そして、お父さんは、山に行く時は、作業着を着て、帽子をかぶり、首にはタオルを巻いて、そして必ずお気に入りの小型カメラを持って行きました。
そのカメラで、仕事の合間には、珍しい植物や鳥や動物を撮って来ては、ゆきちに見せながら、ためになる話をしてくれました。ゆきちは、その話を聞くのが好きでした。
お父さんは、撮ってきた写真は、自分で現像するので、家の一角に黒い布で覆われた真っ暗な部屋を作り、そこを現像室にしていました。
その日も、夕ごはんを食べ終わるとお父さんは、食器を手早く片付けてから、カメラを持って、現像室にこもりました。しばらくすると写真を数枚持って、ゆきちのところに来ました。
お父さんは、ゆきちに、その写真を見せて、問題を出しながら、説明を始めました。
「ゆきち、これは、何に見えるかな?」
「うさぎの形に見えるよ…」
「そう、これはうさぎに見えるから『うさぎゴケ』と言うんだ…」
「へぇ~…」
「でも、食虫植物なんだぞ…」
「お父さん、しょくちゅう…植物って何?」
「虫を捕獲して、餌にしている植物のことを言うだ…」
「えーこんな、可愛いのに虫を食べるの…」
「そうなんだ…」
続いて、お父さんは、2枚目の鳥の写真をゆきちに見せました。
「これは『クマゲラ』だ、きつつきの仲間で、クチバシで木に丸い穴を開けて、巣にする…」
「すごい、自分のクチバシで、こんな大きい穴を開けるんだね…」
「ここら辺に住んでいるのは、珍しいな…」
「へぇ~」
木に丸く穴が開いた所から、鳥が顔を出している写真を見せてくれました。もう1枚は、鹿の親子の写真を見せてくれました。
「植物や動物たちもそこで、一生懸命生きている…ゆきち、この先、何があろうと正直に一生懸命に生きていきなさい…」
「わかったよ、お父さん…」
お父さんは、優しくゆきちに言いました。ゆきちは、そんな、お父さんが大好きでした。
お母さんが亡くなった後は、お父さんと二人で協力して、生活していました。ゆきちも、文句も言わず、家の手伝いを一生懸命にやりました。お父さんも慣れないながら、ゆきちの為にいろいろと家事をしてくれました。
ゆきちのお父さんのお仕事は、役所の自然保護課というところに勤めていました。仕事の内容は、近隣の山々を見て周り、天然記念物の動物や植物の観察し、保護をしたり、森林を間伐して、保護をする仕事をしていました。
そして、お父さんは、山に行く時は、作業着を着て、帽子をかぶり、首にはタオルを巻いて、そして必ずお気に入りの小型カメラを持って行きました。
そのカメラで、仕事の合間には、珍しい植物や鳥や動物を撮って来ては、ゆきちに見せながら、ためになる話をしてくれました。ゆきちは、その話を聞くのが好きでした。
お父さんは、撮ってきた写真は、自分で現像するので、家の一角に黒い布で覆われた真っ暗な部屋を作り、そこを現像室にしていました。
その日も、夕ごはんを食べ終わるとお父さんは、食器を手早く片付けてから、カメラを持って、現像室にこもりました。しばらくすると写真を数枚持って、ゆきちのところに来ました。
お父さんは、ゆきちに、その写真を見せて、問題を出しながら、説明を始めました。
「ゆきち、これは、何に見えるかな?」
「うさぎの形に見えるよ…」
「そう、これはうさぎに見えるから『うさぎゴケ』と言うんだ…」
「へぇ~…」
「でも、食虫植物なんだぞ…」
「お父さん、しょくちゅう…植物って何?」
「虫を捕獲して、餌にしている植物のことを言うだ…」
「えーこんな、可愛いのに虫を食べるの…」
「そうなんだ…」
続いて、お父さんは、2枚目の鳥の写真をゆきちに見せました。
「これは『クマゲラ』だ、きつつきの仲間で、クチバシで木に丸い穴を開けて、巣にする…」
「すごい、自分のクチバシで、こんな大きい穴を開けるんだね…」
「ここら辺に住んでいるのは、珍しいな…」
「へぇ~」
木に丸く穴が開いた所から、鳥が顔を出している写真を見せてくれました。もう1枚は、鹿の親子の写真を見せてくれました。
「植物や動物たちもそこで、一生懸命生きている…ゆきち、この先、何があろうと正直に一生懸命に生きていきなさい…」
「わかったよ、お父さん…」
お父さんは、優しくゆきちに言いました。ゆきちは、そんな、お父さんが大好きでした。
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