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みゆちゃんのお誕生日会

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 次の日曜日になりました。ゆきちは、朝からウキウキして、何度もプレゼントとお手紙を確かめました。お昼になり、みゆちゃんのおとうふ屋さんに向かいました。

「お父さん、行ってきます…」
「ああ、気をつけて行ってきなさい…」

 お店の前に着くと、シャッターが半分開いており、その前で、みゆちゃんが、待っていました。

「こんにちは、みゆちゃん…」
「いらっしゃい、ゆーちゃん、入って…」
「うん、おじゃまします…」

 お店の奥にドアがあり、そこを開けると住まいがありました。お部屋に入ると他のお友達はいませんでした。みゆちゃんに聞くとお誕生会に招待されていたのは、ゆきち1人だけでした。

「あれ、他の子は…」
「ゆーちゃんだけ呼んだの…」
「そうなんだ…」

 テーブルの上には、小さなお手製のケーキにロウソクが7本立っていて、キュウリとトマトのサラダとお豆腐と油揚げが一口サイズに切ってあり、醤油がかかっていました。

「ゆーちゃん、お料理食べてね…」
「うん、ありがとう…」

 ゆきちは、お料理をお皿に取り、食べました。みゆちゃんちのおとうふは、相変わらず、美味しいなと思いました。

 しばらくすると、みゆちゃんのお母さんは、お部屋を暗くして、7本のローソクに火を灯しました。そして、ハッピーバースデーを歌い、みゆちゃんもゆきちも歌いました。

「みゆ、ローソク消して」
「ふー、ふー」

 みゆちゃんは、息を2回吹きかけてローソクの火を7本全部を消しました。みゆちゃんのお母さんは、ケーキを切り分けてくれました。

「ゆーちゃん、こんなものしかないけどゆっくり食べてってね」
「うん、おばさんありがとう」

 ゆきちは、初めてみゆちゃんのおうちの中に入りました。大きいタンスにお布団が横に積んであるだけの質素なお部屋でした。ゆきちの家のようにいろんな家具やテレビもありませんでした。

「あっそうだ、みゆちゃんこれ…」
「これなあに…?」
「プレゼント、お誕生日プレゼントとお手紙だよ」
「えっありがとう、見ていい?」
「いいよ~」

 みゆちゃんは、お手紙を読んで、プレゼントの包みを開けはじめました。そして、中のから赤い物を引っ張りだしました。

 広げてみると周りが黄色くて、真ん中に花びらが5枚の赤いお花が一輪描かれてるハンカチのような物でした。

 「ハンカチ…?」
 「これは大人用のハンカチだね」

 みゆちゃんのお母さんは、くしを持ってきて、みゆちゃんに背中を向かせて、髪の毛をポニーテールにしました。そして、このハンカチを結び目に結わえました。

 「ほら、可愛くなった」
 「ほんと?」

 みゆちゃんは手鏡を出してきて、首を横にしてフリフリしながら覗きこみました。

 「あっ可愛い…ゆーちゃんありがとう」

 ゆきちは照れて、ちょっと赤くなりました。

 「どういたしまして…」
 
 ゆきちは、みゆちゃんと夕方まで、いっぱいお話をして、お誕生会を楽しみました。
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