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ギンばあちゃんとライムちゃんその1
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導師は、小さい男の子になって、ギンばあちゃんに抱きついて、泣きじゃくっていました。
「導師が、泣いちゃった…」
「何か、あったんだろうね…」
「泣いてる男の子、可愛いですわ…イワザルまで泣いて…」
「うわーん…」
「うきー、泣きたくなったうきー」
「うが、うがー」
しばらくすると泣き止み、涙を拭うと導師が元の姿に戻り、話を始めました。
「年甲斐もなく、泣いてしまったのじゃ…スタイルリセット!」
「また、じいさんに戻った…」
「やっぱり、この姿が良いですわ…」
「そうですね…ミザル様」
ギンばあちゃんも心配して、導師を見つめています。
「実は、さっき話した双子の弟の方は、わしなんじゃ…」
「えっ、導師様が王子の弟?」
「そうなんですか…導師様」
「そうじゃ…お城から出て、田舎町で使用人が母親代わりに育ててもらったのじゃ…大きくなるにつれ、母親代わりの使用人の態度が、だんだんとよそよそしくて、問い詰めて、わかったのじゃ」
「王子様の弟を育てるのを任されたから、気を使いますわ…」
伊吹は、よくわからない話になってきたので、飽きてきました。目の前に顔を洗える場所を見つけたので、お化粧を落としに洗面台に行きました。
みんなは、伊吹は、ほおっておいて、導師の話の続きを聞きました。
「その頃、1人で遊んでいたわしを、近くに住んでいたギンばあちゃんが、心配して、良く声をかけてくれたのじゃ…それに貧乏暮らしなのに食べ物もお裾分けしてくれたのじゃ…」
「そんな事あったかねぇ…あの頃のみんな貧乏で、助け合って生きておった…」
「わしは、領地の民が、貧乏で困ってるのに王家の人達は、現状を知らないのが、許せなかったのじゃ…」
「戦争もあったりと厳しい時代だったね…」
「そこで、わしがギンばあちゃんにお金が入ればと思って、王子の弟が生きてると密告してもらったのじゃ…」
「導師様の案だったんですね…」
「そうじゃ、そして、結果を聞かずに母親代わりの使用人と逃げたのじゃ…」
「もし、見つかったら、殺されますわよね…」
「危なかったですね…」
「うが、うがー」
バッハン、ミザル、イワザル、ザル、ベアードンが、導師の話に耳を傾けています。ギンばあちゃんもその頃の事を思い出していました。
「それから、数百年でそこそこの魔導師になり、何かの縁で、お城に呼ばれたのじゃ…そして、新事実を知ったのじゃ…」
「何ですの…」
「うきー、新事実なんだうきー」
「ぎんばあちゃんが、密告した事が罪になり、また、わしを逃がした事になって、拷問を受けた事じゃ…ばあちゃんごめんなさい…」
導師は、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして、ぎんばあちゃんは、優しい目で、導師を見つめて、その時の話をしました。
「あの時、お城に言いに行った時、ライムちゃんに危害は加えないでくれとお願いしたら、逃がした事にされて、拷問を受けた…ライムちゃんに申し訳ない気持ちとお城の人達に恨みをもってしまった…そして、宝を集めて、貧乏な人達を無くしたいと思って、死んでいった…」
「お宝を集めたい思念が残って、邪悪な強欲になってしまったのね…」
「ミザル様、この方は、私欲のためじゃなかったんですね…」
「だから、私の弓を…そうだったんてすね…」
「うきー、そのためお宝をうきー」
「うが、うがん」
みんなは、新たな事実を知り、ぎんばあちゃんに同情しました。
「導師が、泣いちゃった…」
「何か、あったんだろうね…」
「泣いてる男の子、可愛いですわ…イワザルまで泣いて…」
「うわーん…」
「うきー、泣きたくなったうきー」
「うが、うがー」
しばらくすると泣き止み、涙を拭うと導師が元の姿に戻り、話を始めました。
「年甲斐もなく、泣いてしまったのじゃ…スタイルリセット!」
「また、じいさんに戻った…」
「やっぱり、この姿が良いですわ…」
「そうですね…ミザル様」
ギンばあちゃんも心配して、導師を見つめています。
「実は、さっき話した双子の弟の方は、わしなんじゃ…」
「えっ、導師様が王子の弟?」
「そうなんですか…導師様」
「そうじゃ…お城から出て、田舎町で使用人が母親代わりに育ててもらったのじゃ…大きくなるにつれ、母親代わりの使用人の態度が、だんだんとよそよそしくて、問い詰めて、わかったのじゃ」
「王子様の弟を育てるのを任されたから、気を使いますわ…」
伊吹は、よくわからない話になってきたので、飽きてきました。目の前に顔を洗える場所を見つけたので、お化粧を落としに洗面台に行きました。
みんなは、伊吹は、ほおっておいて、導師の話の続きを聞きました。
「その頃、1人で遊んでいたわしを、近くに住んでいたギンばあちゃんが、心配して、良く声をかけてくれたのじゃ…それに貧乏暮らしなのに食べ物もお裾分けしてくれたのじゃ…」
「そんな事あったかねぇ…あの頃のみんな貧乏で、助け合って生きておった…」
「わしは、領地の民が、貧乏で困ってるのに王家の人達は、現状を知らないのが、許せなかったのじゃ…」
「戦争もあったりと厳しい時代だったね…」
「そこで、わしがギンばあちゃんにお金が入ればと思って、王子の弟が生きてると密告してもらったのじゃ…」
「導師様の案だったんですね…」
「そうじゃ、そして、結果を聞かずに母親代わりの使用人と逃げたのじゃ…」
「もし、見つかったら、殺されますわよね…」
「危なかったですね…」
「うが、うがー」
バッハン、ミザル、イワザル、ザル、ベアードンが、導師の話に耳を傾けています。ギンばあちゃんもその頃の事を思い出していました。
「それから、数百年でそこそこの魔導師になり、何かの縁で、お城に呼ばれたのじゃ…そして、新事実を知ったのじゃ…」
「何ですの…」
「うきー、新事実なんだうきー」
「ぎんばあちゃんが、密告した事が罪になり、また、わしを逃がした事になって、拷問を受けた事じゃ…ばあちゃんごめんなさい…」
導師は、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。そして、ぎんばあちゃんは、優しい目で、導師を見つめて、その時の話をしました。
「あの時、お城に言いに行った時、ライムちゃんに危害は加えないでくれとお願いしたら、逃がした事にされて、拷問を受けた…ライムちゃんに申し訳ない気持ちとお城の人達に恨みをもってしまった…そして、宝を集めて、貧乏な人達を無くしたいと思って、死んでいった…」
「お宝を集めたい思念が残って、邪悪な強欲になってしまったのね…」
「ミザル様、この方は、私欲のためじゃなかったんですね…」
「だから、私の弓を…そうだったんてすね…」
「うきー、そのためお宝をうきー」
「うが、うがん」
みんなは、新たな事実を知り、ぎんばあちゃんに同情しました。
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