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おしるこもあるよ

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 キカザルは、自分の直属の部下の踊り子軍団5名を連れて、謎の音の出所を探しにお城を出発しました。

 王女ヨギンからは、我慢の出来ない頭の痛い音だと言っていたが、キカザルには、キーンと響く音でしたが、そんな苦痛な音には聞こえてませんでした。

 その頃、伊吹達は夕御飯をみんなでテーブルを囲んで食べていました。もちろん、洞窟の外に作った家の中の広い食事をする場所で、クマードンやネッコン、ピヨピヨバード達も一緒に入り、食べています。

 和気あいあいと話していましたが、突然、イワザルが神妙な面持ちで、重大発表があると言い出しました。

「皆さん、重大発表があります…」
「イワザル…重大発表って…」
「うきー、何だうきー」
「気になりますね…」

 イワザルは、椅子から立ち上げると伊吹に向かって、話し始めました。

「伊吹様、お願いがあります…あの、ようかんを村人達にも食べてもらいたいので、売り出そうと思います…」
「なんだ、ようかんか、別にいいよ…」
「ありがとうございます…」

 イワザルは、感激して目には涙を浮かべました。みんなは、そんな事かとほっとしました。

「何だ、ようなんの事なのね…」
「あるは、旨かったので、村人達に喜ばれるのじゃ…」
「うきー、ようかんうきー」

 イワザルは、ようかんの材料になる、あずき、さとう、かんてんの小豆、サトウキビ、天草を栽培して、材料を増やして、ようかんの試作を繰り返していました。あずきの潰しかたをいろいろ試して、あずきの食感をなめらかにしたようかんを作りました。

「やっと、食べやすいようかんを作ることが出来ました…みんなにも食べてほしいです…」
「それは、楽しみですわ…」
「ようかん、初めて食べますわ…」
「うきー、ようかんうきー」
「食後のデザートに最適ですね」

 イワザルは、棚にしまっていたようかんを出してきて、食べやすい大きさに切り、緑茶と一緒にみんなの前に出しました。

「相変わらず、ようかんは、美味しいですね」
「これは、この前より、口当たりが滑らかじゃな…」
「イワザル、美味しいわよ…」
「初めて、食べましたが、上品な甘さですね」
「うきー、ようかんうまいうきー」

 伊吹は、ようかんを食べると何かを思い出し、イワザルにあずきと砂糖を貸してもらいました。

「あっ、そうだ…これも教えておくね…あずきとさとう貸して…」
「あっはい、伊吹様何を作るんですか?」
「熱々で、美味しいものだよ…」

 伊吹は、鍋にあずきを入れて、水を入れて、火にかけました。そして、煮たってきたら、お砂糖を入れました。焦げないようにかき混ぜながら、あずきの固さを見て、火を止めました。

 出来上がった物を木のコップに入れて、木のスプーンをつけて、みんなの前に置きました。

「これも、食べてみて…熱いから気をつけて…」
「ふー、熱いけど、美味しいですわ…」
「はふはふ、美味しいうきー…」
「おお、逆にあずきの食感が残ってうまいです…伊吹様、この食べ物は何ですか?」
「これは『おしるこ』って言うんだよ…寒いときには、熱くて美味しいよね…」

 みんな、スプーンをふーふーしながら、おしるこを美味しそうに食べました。

「これもお茶に合うのう…」
「伊吹様、おしるこも作って、売っていいですか?」
「いいよ…村の人達にも食べさせてね…」

 イワザルは、あずきのメニューが増えて、やる気満々になり、これも売ろうと伊吹から、作り方のコツを聞きました。みんなは、おしるこを食べて、お腹一杯になり、穏やかな気持ちになりました。

 その頃、キカザルと踊り子軍団は、東の洞窟以外を探しましたが、音の発信元がわからず、もう、暗いのでお城に戻りました。見つからなかった事とまた、明日も探す事を王女ヨギンに報告しました。

「ヨギン様、あの音の手がかりはありませんでした…明日、また探して参ります…」
「あの音が鳴ったら、厄介です…明日も頼みました…」
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