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魔四天王の魔獣師のザルその2

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  ザルは、夕方になると餌を置いた場所を見に行いました。餌を食べた後があり、一瞬、食いついたと喜びましたが、良く見ると普通のクマの足跡と毛が落ちていました。

 確かにそばには、魔獣ベアードンの足跡と闇の魔力の残り香がありましたが、魚や肉や果物には全然、手をつけずに素通りされてました。

 最初に考えた作戦では、餌を置いて、餌を食べるのに夢中になってる時に、こっそりと近づき、ベアードンと主従関係を結ぼうとしました。しかし、普通の食べ物には、見向きもしないので、今のところ、何を食べてるのかがわこらなく、困りました。

 そういえば、探索に出した小魔獣が、数匹戻ってきませんでした。もしかしたらと思い、また、小魔獣を数匹を捕まえてきて、主従関係を結んで手下にして、ベアードンの側に行かせました。

「ウガー、バシッ、バシッ」
「みんなごめんうきー、やっぱり、小魔獣を食べてるうきー…」

 俊敏な動きで、魔獣達をベアークローで倒し、生きたまま食べています。ベアードンは、魔獣を食べるのがわかりました。

 そこから、ベアードンの生体観測を始めました。ベアークローの攻撃の射程距離やどのくらいで反応するかを探り、空を飛べる魔獣に乗り、遠い上空から観察しました。

 数ヶ月、ベアードンを観察していくと行動パターンや通り道がわかりました。その通り道に落とし穴や魔法陣などの罠をしかけたり、色々と試したが、上手くいきませんでした。

 唯一、わかったことがあり、数日間食事をした後に、食べた量がある一定量になると消化活動をするのか、その場で、急に2~3秒動かなくなりました。

 そこで、小魔獣をたくさん食べさせて、動かなくなった瞬間に主従関係を結ぶ作戦を考えました。

 数日間、小魔獣食べて、そろそろ満腹かという頃に来ました。厳しい決断でしたが、ザルは、昔から従えてる小魔獣達を犠牲にする事にしました。

 ベアードンに一匹づつ近づけていき、食べさせてるとザルは自然と涙が出てきました。それぞれとの小魔獣との思い出が走馬灯のように流れていきました。

「みんな、ごめんうきー、えん、えーん…うきーん」

 最後の魔獣を食べてる時に、動きが止まりましたが、泣いていて、一瞬、ベアードンに近づくのが遅れました。あっという間に2秒過ぎます。

「うっきー、あっ、止まった…間に合うかうきー」

 いつもは、2~3秒で動き出しましたが、3秒経ってもまだ動きません。何かベアードンの内から何かの力が働いてるようです。この隙にベアードンと主従関係を結びました。

「ご主人様…今まで…ありがとう…」

 結んだ時に感謝の声が聞こえたような気がしました。どうやら、食べさせた魔獣達の思念がベアードンを静止させたようでした。

「うきー、みんな、ありがとう…ベアードン大切にするうきー」

 この時、みんなの犠牲を忘れず、一生ベアードンを大切にする事を誓いました。そして、ベアードンを従えたザルは、王女ヨギンより魔四天王に任命されました。

「うきー、ヨギン様、ベアードンを従えたうきー…」
「よくぞやりました…これで、私に三大魔獣の一匹が手に入りましたね…魔四天王を任命します…」
「うきー、ありがとうございますうきー」

 今回の任務に魔獣ダッコンに近づかせ、危険にさらさせて、そして、いなくなった事を後悔しましたが、王女ヨギンにベアードンがいなくなった事を報告しなくてはいけません。

「この愚かザル…私の大切な三大魔獣のベアードンを…」
「うきー、ごめんなさいうきー…」
「バカザルになんかに任せたのが、間違いでした…私の大切なお宝を…城から出て行ってちょうだい…」
「うきき…」

 王女ヨギンは、どうやら、三大魔獣で有名なベアードンしか、興味がなかったようです。ザルは荷物をまとめて、風呂敷を担いで、城を出ていきました。

 そして、東の洞窟方面にベアードンがいないか、確認しに行きました。
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