上 下
9 / 64

三大魔獣のキラーバード

しおりを挟む
 魔獣師のザルは、ベアードンに念を送ったが、全然反応もなく、近づいて指示を出そうと思いましたが、魔獣ダッコンもいたので、洞窟へ近づけません。あきらめて、一旦、お城に戻る事にしました。

 洞窟の中では、また新しい動物の友達が出来たので、伊吹は上機嫌です。伊吹は、人間は怖いので、なついてくれる動物は大好きです。

 ミザルとイワザルもベアードンが、伊吹と主従関係を結んだので、安心しました。伊吹から新しい仲間の『クマードン』を紹介されてました。

「伊吹様すごい…また、魔獣を仲間にして…」
「伊吹様、三大魔獣を全部仲間にしそうですね…」
「えっ、三大魔獣?と言う事は、もう一匹いるんだね…」
「もう一匹というか…鳥の魔獣でキラーバードと言い、南の山に群れでいると思います…」
「南の山ね…ふふふ…こっそり、行ってみよう」
「何ですか、伊吹様…」
「何でもないです…」

 スライム魔導師だけは、伊吹が次から次と仲間にしてくるので、理解が追いつけません。この世界の出会ったら、死を覚悟しなくてはいけない、三大魔獣のうちの二匹が、ここで遊んでるなんて、誰も信じないでしょう。

 伊吹は、クマードンの寝床を作るため、イワザルに洞窟の中を掘って、広げておくようにお願いして、ミザルとネッコンとクマードンと寝床のワラを集めに出掛けました。

 クマードンは、背中に伊吹を乗せて、その伊吹の腕の中には、ネッコンがいて、ミザルは魔法のホウキに乗って、ついていきました。

 伊吹は、キラーバードがいるという、南の山方面に向かいました。

「クマードン行くよ…山道だけど気をつけて」
「うがー、うがー」
「にゃー…」

 しばらく行くと黒い雲の塊が、見えてきました。ミザルは、キラーバードの群れだと気がつき、伊吹に伝えました。

「伊吹様、キラーバードの群れが、この先にいますわ…魔力を吸い尽くされますわ…」
「やっぱり、いましたか…よし、行くぞ…」
「うがー」
「にゃん」
「えー、伊吹様…」

 黒い雲の塊が、近づき、伊吹とクマードンとネッコンを包み込みました。真っ黒なキラーバードが数十匹が、まとわり付き、魔力を吸い付き始めました。

「ピヨピヨ、ピヨピヨ…」
「伊吹様…危ない!」

 ミザルは、巻き込まれないように急いで、その場を魔法のほうきで、離れました。

 キラーバード達は、一匹づつ魔力を限界まで、吸い尽くすとバタバタと地上におちていきました。伊吹は、クマードンとネッコンと一緒なので、ダブル十手トライアングルを叩き、魔力を増幅させて、魔力が無尽蔵に湧いてきます。

「バリーン、リンー、リン」
「バタ、バタ、バタ…」

 キラーバード達が、全羽が地上に落ちると伊吹は、ダブル十手トライアングルを1回おもいっきり鳴らしました。

 そうするとキラーバード達は、真っ黒な羽の色から、色々なきれいな羽の色に変わり、属性も色々と分けれていきました。そして、伊吹は、主従関係を全羽と結びました。

「行くよ…ピヨピヨバード…」
「ピヨピヨ、ピヨピヨ…」

 本来、キラーバードに魔力を吸い付かれるとここの世界の人達は、魔力と生命エネルギーが、一緒になってるので、魔力を全部吸い取られると死んでしまいます。たくさん魔力を持っている魔王でも、キラーバードの群れに当たると死を覚悟しなくてはいけません。

 元から、伊吹の住んでいた世界は魔力がありませんので、伊吹の魔力を吸い尽くされても死にません。今回は、伊吹の魔力の量が三大魔獣といたので、魔王の魔力の数100倍の凄い量の魔力がありました。

 遠くから、それを見ていたミザルは、安心して伊吹に近づきました。

「伊吹様、さすがですわ…もう三大魔獣を手なづけるとは…」
「やったー、三大魔獣がお友達だ…」

キラーバード達が、伊吹の仲間になりました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?

Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」 私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。 さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。 ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

私は、忠告を致しましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。  ロマーヌ様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ?

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

処理中です...