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さあ、リハーサルだ!

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 次の日の午後、みんなやる気満々で、集合場所に集まって来ました。そして、リハーサルをしようと本番で踊る池の岸の近くで、練習を始めました。

「よし、いいぞ…みんな呼吸を合わせて…」
「うおおお」
「はい」

 コイモトが、最後の振り付けの調整して、金魚達も楽しく伸び伸びと自分のパートを踊ります。チュンクも最高のサウンドを奏でています。メダカ三兄弟も与えられた場所で、力一杯ぐるぐる泳ぎ回っています。

 ひと通りリハーサルが終わったので、キイがみんなにむかって、話を始めました。

「明日、10時から本番です…人間の小さい女の子のエマちゃんが、お母さんと一緒に池に見にきます…皆さんよろしくお願いいたします…」
「うおおお…」
「はい、わかりました…」
「みんな、頑張りましょう」
「がんばるぞ…」
「がんばるね…」
「がんばった」

 その時です。人間の声が聞こえて来ました。

「ここかぁ、金魚がまとまっているの…」
「鯉やメダカ…珍しい黄色い金魚もいるらしいですよ…」

 キイは、この人間達は危ない人間で、危険が迫ってる事を察知しました。慌てて、皆に叫びました。

「みんな、逃げて!」

 みんなまだ興奮していて、気がつくのが、少し遅れました。もう一度、キイが叫びます。

「池の奥に逃げろ!」
「えっ、どうしたんだ…」
「はい…逃げます」

 キイは、みんなが逃げる間、反対の方向に泳いで行きました。

「ちゅーちゅん!!!」

 そして、人間を引き付けるため、空高く、バックフリップをしました。

「こっちに珍しい黄色い金魚がいるぞ!」
「捕まえろ!」

 人間の網が、キイを襲いますが、器用に網を避けました。しかし、状況が飲み込めないメダカ三兄弟が、キイに近づいてきました。

「メダカさん達、危ない、逃げて!」
「えっ、危ない?」
「逃げるのね」
「逃げるぞ…」

 メダカ三兄弟もやっと状況を飲み込み、引き返して池の奥へ全力で、泳いで行きました。そこで、キイがまた叫びました。

「ちゅーちゅん!」

 キイは、また空高く飛びましたが、その瞬間を人間の網が襲いました。キイは網の中に入ってしまいました。

「みんな、エマちゃんをお願い…」

 キイはみんなにむかって、力一杯に叫びました。みんな池の奥からキイを見守ってます。

「うおおお…!」
「キイ、助けてくれて、ありがとう」
「キイさん…」

 キイは、網からバケツに入れられ、フタを閉められ、真っ暗闇に閉じ込められました。キイは自分が終わりだと覚悟しました。

 人間は、魚を切り刻み、『さしみ』とかいう食べ物にされて、黒い『しょうゆ』につけられて、美味しく食べるというのを知ってました。

 キイは、ここ何日かの事を思い出し、最後はみんなと楽しく踊ることが出来たので、嬉しく思いました。明日、演技がうまく行き、エマちゃんに気に入られ、みんなが飼われてほしいと願いました。
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