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バトルオーディション!?

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 課題発表からあっという間に、3日経ちました。金魚Aチームと金魚Bチームのチーム別の練習期間も終わり、またみんな最初集合した場所に、勢揃いしました。チュンクやスズメA、Bとメダカ三兄弟も忘れずに来ています。

 みんな揃ったので、コイモトが、バトルオーディションの開催を宣言しました。

「バトルオーディションを開催します…金魚Aチームと金魚Bチームに別れて、3つの課題で、戦ってもらいます…」
「うおおお…」
「頑張りましょう…」

 Aチーム、Bチームもやる気満々です。

「そして、課題を先に2つ勝った方が、前の目立つ場所で躍る権利があります…」
「うおあお…勝つぞ」
「おお」
「皆さん、練習を思い出してください…」
「はい、頑張ります」

 金魚Aチームは、負けるはずないと闘志をむき出しです。金魚Bチームは真面目に練習してきたせいか、みんな多少疲労していますが、やる気は負けてません。

「それでは、第一課題のお尻ふりふりをしますので、それぞれチームで横並びになってください」
「おお」
「はい」

 コイモトとその仲間の鯉達が手伝いに来て、回数をカウントしてくれます。キイが時間を計り、スタートとストップを言います。

「それでは、位置について…スタート!」
「おう、Aチームは最初から飛ばしてでいくぞ!」
「はい、Bチームはリズムに注意して、最後まで動かし続けてください…」

 Aチームは案の定、最初からみんなすごい勢いで、お尻をふりふり始め、順調に回数を伸ばします。Bチームは七匹がシンクロしたように同じリズムで、1秒間に2回を守り、振り続けています。

 1分くらい経った頃、金魚Aが叫びました。

「おまえら、もっとスピードアップだ!」
「おうう」
「おおお…」

 Aチームはスピードが上がり、みんな必死の形相です。

「Bチームは、そのままのリズムでいいですよ」
「わかりました」
「はい」

 Bチームは、小気味いいリズムで、お尻をふりふりしています。

「ぎゃあー…」

 その時、Aチームから悲鳴が上がり、金魚A1がお尻を振りすぎて尻尾の付け根を痛めてしまい、その痛さで気絶してひっくり返ってしまい、ピクピクしています。

 それを見ていたAチームの金魚A2は、A1の様子を見る為やめてしまい、A3、A5は、ビビってしまい、スピードを落としてしまい、金魚A4とA6は、逆に力みすぎて、フンをぶりぶり出してしまいました。

 2分をこえた時には、Aチームはみんな疲れて1秒間に1回も出来なくなりました。その中で金魚Aは最初よりスピード落ちたが、まだまだ勢い良くふりふりしています。

「ストップ!」

 キイがストップの合図をしました。金魚Bチームは終始同じリズムで、お尻を振り続けることが出来ました。ストップがかかっても余裕です。これは誰が見ても勝者は、一目瞭然です。

「勝者、金魚Bチーム」
「やったー」
「みんな、よく頑張ってくれました」
「ありがとうございます…」
「ちくしょー…おまえらだらしないぞ!」
「すいません…」

 金魚Bチームからは喜びの声が上がり、金魚Aからは怒号が上がりました。
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