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アラサー刑事が潜入調査って本気ですか!?

ぷらすたメドレーフルマラソン ~宇佐美薫子ver~

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「決めなきゃいけないことも決まったし、練習しましょ。モモとうちがアオに簡単に振り付け教えて、ヨルとリンは自主連ね」

最年長でリーダーのミカ先輩が仕切り、練習が始まる。とはいっても、自主連組のヨルは着替えながら横目にすでに着替えていたリンはばっちりと視線を感じる。

「私達の曲で知ってるものある?」

「一応全曲知っていると思います」

「え、ほんま?」

「はい。もともと兄がぷらすたのファンで、兄の影響で私もファンでした。DVD化されてない劇場限定の曲があれば知らない曲があるかもしれません」

という設定です。共通パートは全曲覚えてきたけど、個別パートまではオーディションでやった劇場デビュー曲しか間に合いませんでした。
ごめんなさい、デビュー当時に出来なさ過ぎて滅茶苦茶叱られたトラウマが……

「ふーん。じゃあ振りもある程度できるん?」

「自己流ですが。恥ずかしながら一人で練習してました。」

嘘ではない。結構複雑で覚えるのが大変だったよ。二人でやる振り付けとかソロで現役の頃はやったことなったから、新鮮で面白くてそこまで苦ではなかったけどね。筋肉落とすのがキツ過ぎて…………

「じゃあ一曲ずつ歌って踊ってみてよ。間違ってたら止めて教える感じにしよ」

モモさん、フル曲でダンスメドレーやれって言ってます?体力持つかな、いくら隠れ筋肉ゴリラと言われた私でも今はかなり筋肉落としてるから持つかどうか

「基本的に抜けたメンバーの位置に入ってもらうことになる。そのつもりで教えるように」

新メンバー募集といいつつもその実欠員補充のオーディションだという情報は持ってましたよ!任してくださいよ!と、言いたかったのだが、そのまま入ることになるだろうと思って、ちゃんと共通パート覚え終わってから卒業メンバーのポジション覚え始めてたけど間に合ってないです!やっべ

「はい。五十嵐さん」

「じゃあ個別パートもDVDみながら教えられるね」

まずい!それまだできてませーん!

「すいません。個別パートは自信ないです」

「別に気にせんでええよ」

「何でも最初からできたら普通に怖い」

「あーしたちの立場ないじゃん!それにあーしもアオのダンスみたい!」

「わ、わたしも」

うーんやっぱり皆に見られる感じになってしまった。本職で現役のアイドルたちに見られるのはちょっと怖い、オーディションは小手先の技術と見栄えで乗り切ったから細部を見られる環境は割と困る。契約を交わした以上いまさら合格を取り消されることはないとは思うけど五十嵐さんだけでも退出してくれないかなぁ。

「それじゃ劇場デビュー曲から発表順にお願いします」

「はーい」

ミク先輩がスマホから曲を選んで流し始める。

最初に自信あるやつを見せて、あとはなあなあで誤魔化す作戦で逃げきろう!

――
結果から言うと知らない曲が2曲ありました。
一曲は野外ライブ用の自己紹介ソング。これは歌詞を作り直すとのことなので後回しだそう。

もう一曲は未公開の新曲でした。そんなのわかるわけねーだろ!?卒業したメンバーカラーが紫の人の卒業曲だったけどが納期が間に合わず曲が出来上がる前に卒業してしまったので半分お蔵入り状態だそうです。捜査終わって辞めるときに私の卒業ソングに再利用できるから、披露するタイミングを心配しなくても大丈夫だよ(にっこり

他は覚えきれていなかった個別パートをちょっとやって終わり。先任の紫の方は歌が上手いメンバーだったらしく、ダンスパートはそこまで多くなかったのが助かった。でも私歌はそこまで上手くないよ?大丈夫?

「なんだ、ほとんどできてるじゃない。ファンの子ってみんなこうなの?バミリでも覚える?」

「はいお願いします。全員で合わせての練習ができるように頑張ります」

足引っ張って邪険にされないように、はやく覚えなければ……

「すごいわぁ、モモ以上のアイドルおばかさんは初めてみたわぁ」

「だれがアイドルバカよ」

「モモさんはアイドルへの熱意が強い方なんですね」

「そうね。アオじゃ心配ないとは思うけど、パフォーマンスで手抜いたら許さないから。わかんないならわかんないってはやく言いなさいよ」

「困ったら相談してねって、ことよ。モモ、素はツンデレだから」

ミクさんのフォローがフォローするように小声で教えてくれた。わかります。

モモ先輩はアイドルガチ勢のツンデレさんでした。



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