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アラサー刑事が潜入調査って本気ですか!?

アラサー刑事がアイドルとして潜入することになったのですがパワハラに該当しますか?

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「アイドルグループにアイドルとして潜入調査ですか!?」

「あぁ、そうだ。」

「私を何歳だと思ってるんですか!25ですよ!もうアラサーなんですよ!無理ですって所長!」

申し遅れました。私、平塚と申します。25歳独身です。最近、彼氏に振られました。
ふざけんな、こちとらもう若くないんだぞ。

「でも君、童顔じゃないか。それにうちの部署は万年人手不足で若い女性の術者は殆ど入ってこないのは君も知ってるだろう。」

「あー、例の学園から雇えませんかー?」

「長期間の潜入になる可能性が高いため不可能だ。君の母校だろう?後輩か誰か若い子で手伝ってくれる子がいるのならば外部協力を頼むのも構わないがね。ついでに正規雇用でも構わないぞ」

「……いるわけないでしょう。あの学園出身者のほとんどは実家を継ぐ者ですし、制約が厳しい公僕になる物好きなんていませんわ。いたいけな少女を騙す人がいなければね」

「懐かしいな。そういえば、昔から君は純粋で正義感があるいい子だったな。だから、ほら。君にしか頼めないんだ。」

クソほど顔がいいな。腹黒イケオジめ。

「……はぁ、任務終わったら高い寿司連れてってくださいね」

「勿論」

御託を並べて回避しようとしても頼まれてしまえば所長には甘い自分の性に呆れる。




「それでは今回の任務について詳細だが」

アヤカシの存在を知らないものからすれば訳のわからない内容ではあるが、一応機密なので部屋に結界を貼る

「今回の任務は、地方アイドルグループ『ぷらすた』でアヤカシを操る人間を探るものだ。」

「はぁ知らないですね」

「新規精鋭らしい」

「『ライブ中に心霊現象が起こる』といった市民の通報によって発覚した。当該アイドルグループに熱狂的なファンが多いものだから、アヤカシを使って幻術をかけているのではないかと容疑がかけられた。対象を探し出し悪さをしてないか、内側から調査をするのが君の仕事だ。」

「熱狂的なアイドルファンなんていくらでもいるでしょうに。心霊現象も演出の一部では。」

頬杖をつきながらジト目で所長をみる。大げさすぎるのではないか。

「無辜の一般市民が犯罪に使われては困るからね。折よく新メンバー追加の話が上がってるから頑張ってくれたまえ。」

「はぁ……」

なんとも微妙な顔をしていると所長の極彩色の瞳がこちらに視線を合わせてきた。

「おや、君ともあろう者が不安かね?昔は人気アイドルだったじゃないか?」
「だからですよ。素人っぽい方が運営にはウケるんですよ、アイドルって。」

「むかし一世を風靡したアイドルグループに元子役の娘がいました。その子は何でも卒なくこなす娘で、人気も12を争うほどだったのですが、プロデューサーには冷遇されていたって話は業界では有名ですよ。」

素人のほうが業界を知らないから、何が正常かおかしいことか知らず使い勝手がいい。
まあ、よくある話だ。


「ですが……」



「素人のお嬢さんに負けるつもりはありませんよ。腐っても元アイドル。その道のプロでしたから」



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